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番外.用語集(話数順)

 ご感想より「SF知識や元ネタの知識がないとよくわからない語が出る」とのご指摘を頂いたので、第1部分に割り込み投稿致します。

■00.プロローグ

・PAN

 Personal(個人) Area(範囲) Network(ネットワーク)の略称。

 現代のスマホを進化させた様なコミュニケーション機器である“コムリンク”を中心(ハブ)に、個人が持つ様々な所持品に埋設されたコンピュータを接続して構成するネットワーク。

 これにより、靴底の損耗率や護身用拳銃の残弾数、果ては自宅の冷蔵庫にある牛乳の本数の管理を(設定次第で、自動的に注文・お届け・冷蔵庫への保存まで)可能にする。

 また、ARO(アロー)……Augmented(強化) Reality(現実) Object(表示物品)をAR対応の眼鏡やコンタクトレンズ上に表示する。

 行きつけのコンビニに入れば、コムリンクが購買履歴からお気に入りのお菓子メーカーの新作広告を表示し、商品を手に店を出れば自動的に口座から引き落とされる。

 ちなみにAROとは、数年前にスマホのカメラを起動すると、『ラブプ●ス』の巨大な寧●さんが表示されたアレである。


・RFIDタグ

 様々な機器に埋設された超微小コンピュータ。ARO(前述)を自動的に、または思考トリガーでクリックされると情報を表示する。

「機器」と言っても、例えば靴底やお菓子の包装紙にまでその範囲は及び、靴全体に残された数から靴底の損耗率を計算したり、口座の残高が足りないのに商品を持ったまま店の出入口に近付くと警報を鳴らしたりする。


・SIN

 System(システム) Identified(認識) Number(番号)の略称。日本で言う「マイナンバー」に様々な情報が紐付けされたもの。血液型や塩基配列(DNA)情報も記載されている。

 原作ゲーム『シャドウラン』では基本的には出生時に交付され、投票権や被裁判権を始めとする公民権・自動車運転その他の資格免許証・不動産やコムリンクの購入審査などを一元的に管理するものである。

 が、この物語の世界――《大崩壊》以前に於いては、公務員や政治家、医師、大企業の経営陣などのエリート層にしか交付されない「勝ち組」の証であったようだ。

 現在の世界に於いては、SINを持っている=都市管理コンピュータ(後述)配下のドローンに襲われないので、SINを代々継承している人物が街の支配者層に納まり、住民は彼らからの「雇用」によって安全を保障されている……というパターンが多い。


・バイオウェアによる大規模改変

「バイオウェア」とは、基本的に万人に拒否反応(アレルゲン)性を持たない有機組織を培養し、個人本来のそれと置き換えるものである(個人専用のカスタマイズが必要であるため、個人の組織から培養するものも存在する)。

〈生体成形〉は、バイオウェアを用いた美容整形の一種であり、小・中・大規模改変の三段階が存在する。小規模改変は鼻の形を変えたり豊胸手術をする程度、中規模改変は顔立ちをアニメ風に整形したり頭髪を羽に置き換えるレベル、大規模改変にもなると、顔が兎そのものになったり尻尾が生えたりする。


・ヒドゥン・モード

 PAN(前述)にはアクティブ(能動)パッシブ(受動)、そしてヒドゥン(隠蔽)の三種類のモードがあり、ARO(前述)や他人からのアクセスをどれくらい許容するかを、このモード変更で選択する。一般的にはアクティブが選択される。

 ヒドゥン・モードは自分を隠す行為であり、上流階級では失礼に当たるし、一般的な生活に於いても心に(やま)しい事が無ければ選択されないモードである。


・モジュール型サイバーリム

 手足を機械に置き換えた、サイバー四肢(リム)の一種。

 関節部分に共通規格の接続プラグを備えており、通常のサイバーアーム(やレッグ)以外にも、削岩機(ドリル)や溶接用レーザーなどのモジュール型アタッチメントへの、容易な取替えを可能とする。


・サイバーアップ

 身体能力を、外部からの置換によって強化する行為のこと。

 本来は機械製の代替組織である「サイバーウェア」に置き換えることのみを指したが、後年登場した「バイオウェア」による強化も、慣用句としてこの言葉が使われる事がある。



■01.これまでの事と、これから

・ホット・シード

 コールド・スリープから目醒めた人々を表す隠語。かつての科学文明を保持する種子、という意味が込められているらしい。

 現在の世界に於いては、ただの植物(特に穀物)の種を持っているだけでも充分に財産や権力の源泉……文字通りの「種子」になるが、今やそれが何なのか不明となってしまった機器などを「常識」として知っており、場合によっては操作や保守点検なども可能な彼らは、より熱い(ホットな)眼差しを向けられる事になる。

 時として、激化する争奪戦の末、折角の種子が「焼けて」しまう事もある。南無。


・都市管理コンピュータ

 原作『シャドウラン』には無いオリジナル設定。

 旧世界では、絶える事のない大小の諍いを解決するため、各国に国家管理コンピュータを、その下に都市管理コンピュータを置き、全ての管理・調停を委ねていた。あたかも法の神々の如く振る舞っていた彼ら……コンピュータに住まう超AIたちにウィルスが襲い掛かった結果、世界は滅亡した。

 しかし、現在においても(狂ったままの)彼らが「生存」している事が確認されている。

 例えば、コムリンクで長距離通信を行おうとすると、GPS座標を割り出されてその場所に粛清ドローンが送り込まれる。

 例えば、車両制御(パイロット)プログラムを搭載した車を起動させると、ハックされて人々を襲い始める。

 ――『テロリストを発見しマ#b。殲滅シ&下ささサsA++%v……』という言葉と、そこに残された死体によって。


・ミュータント

 世界を覆った核の雨や魔力(マナ)などの影響で身体が変異した生物の総称。

 中でも、正体不明の変異……「Sudden(突発性) Unexplaine(未解明)d Recessive(劣性) Genetic(遺伝子) Expression(発現)」、略称SURGE(サージ)で表れる特徴は千差万別で、種族として定着してしまった者たちですら個体差が著しい。例えば我々(バイオスズメ)である。ぢゅん。

 そして、魔力の影響のみで変異、または出現(・・)した者は「覚醒種」と呼ばれる。その殆どは、神話伝承に登場する怪物たちのような姿をしており、個体差は誤差の範囲である。例えば冥府犬(ヘルハウンド)小妖精(ピクシー)(ドラゴン)などが挙げられる。

 とはいえ、対象が如何なる理由で変異した生物なのか、気にする人々は少ない。重要なのは――

 第一に、相手に襲われるかどうか。

 第二に、相手が食えるのかどうか。


・SINレス

 SIN(前述)を持たない人々。旧世界では総人口の7~8割を占め、SINユーザーに雇入れら(または飼わ)れる事で「準市民」に登録されていた。

 公民権が無いため、学校教育などはSINユーザーの“篤意家”による私立学校に頼っていた。内容は偏って――多分に理事たちの都合や思想が優先されて入って――いたが、少なくとも読み書きや四則演算は習えたため、殆どの子供たちは通っていた。



■02.祝いの宴

・〈ラプトル・レッグ〉

 人間の脚の形状を捨てた代わりに、驚異的な速力と運動能力を誇るサイバーレッグ。同じ筋力設定のサイバーレッグよりも強烈な蹴りを放てるのも特徴。

 ヴォーパルバニー達が使用していたものは、跳躍力や対落下衝撃力をアップする〈油圧ジャッキ〉や仕込み刃(サイバー・スパー)がセットになった、彼ら専用にカスタマイズされたもの。


・《戦士ウォリアー

 サイバー手術を生き延び、〈ラプトル・レッグ〉を手に入れた『ヴォーパルバニー』部族民。生身の時より強力な戦闘力を獲得しており、戦の折には武威を以て民を率いるエリート。

 本来であれば〈強化反射神経〉や〈アイバンド〉など様々なサイバーウェアを埋め込むのだが、これらは神経に接続する必要があるため、医薬品が足りない現状でそのような手術をすれば確実に死亡してしまう。

 ゆえに止むなく両脚のみの手術となっているが、それすら耐えきれず片脚で留まる場合も多い。

 正直、重量バランスや脚の駆動域の差異のせいで生身の時より不利になっているが、片脚の改造だけでもステータスとなるため、試みる者が後を絶たない。


・〈生体成形〉

 形成外科・身体整形・美容整形などを組み合わせたバイオ処置。

 小は豊胸手術のようなものから、大は顔を兎のそれに作り替えたり、果ては(外見上は)完全に性別を変更するなど、多種多様な処置が存在する。


・百(パー)オーガニック

 旧世界において「本物の食材」は贅沢品であり、口に入る物の大半はプランクトンや大豆を使用した合成食糧であった。

 その合成食糧すらグレードが分かれており、最低の物は栄養「だけ」を考慮したペーストであった事を思えば、こと食事情については、現在の方が良好かもしれない。

 ……それだけの豊かさが残っている土地であれば。

 順次更新しますので、お気付きのツッコミ処がありましたら、どしどしご指摘下さいませ。

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