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俺と鈴蘭と館の訪問者

今回は、短いですが楽しんで読んで下さい。


六話目~俺と鈴蘭と館の訪問者


俺が妖怪の総大将になって十日目の事、朝方たまたま俺は目が覚めたので外の空気を吸おうと階段を下りた、その時館の扉がノックされた様な音が聞こえた。

俺は扉に近づき開けた。


「どちら様でしょうか?」


目の前には、黒い着物を着た少女が居た。


「可愛いお嬢ちゃんや何用ですかな?」


俺がそう聞くと少女は口を開けた。


「私の名前は文女あやめ……先代のぬらりひょん様に使えていた従者です。…先代のぬらりひょん様から手紙を受けて此処に参りました。」


この少女こと文女が手紙を懐から出してきたので俺は受け取って読み始める。


「………拝啓文女殿………

この手紙を読んでいる時にはぬらりひょんの代替わりが起きているはずじゃ。今までワシに使えてくれていた文女殿に最後に頼みを聞いてくだされ。これからの人生を新しいぬらりひょん殿の為に使えてくれんか。無理にとは言いませんのじゃ……しかし、今回のぬらりひょん殿は、物凄く面白い半妖で総大将になっているはずじゃから文女殿も退屈はしないはずじゃ。新しい総大将殿をお願いいたしますのじゃ。石瓶庵幻より。」


俺は手紙を読んで固まった。

おいおい、俺に色々と押し付けておいて尚且つ面倒事まで俺に任せるのか……

鈴蘭達がこの少女を見たらよくない展開が頭の中を横切る

俺は少女を見た。少女は俺を見ながら笑顔を溢した。


「手紙の内容は分かった……で文女は、俺に使えてくれるのか?」


そう言うと文女は口を開けた。


「私は、夜雀よすずめという妖怪……主に戦闘等に使って下さい……。」


戦闘?今この子戦闘って言ったか?こんな少女に戦わせて俺は高みの見物?ダメだろ……マテマテ本当に……

俺の中で自問自答が繰り返されている。


「文女は良いのかい?こんな奴に使えて?」


「…………」


文女は、首を縦に頷いた。

ここで無理にでも断って何が起こるよりマシだと思い俺は「分かった」と返事をした。

俺が返事をすると文女は笑顔で此方を見ているので俺は文女に条件を言った。


「俺に使えるのは良いが自分を大事にしろよ。」


「………分かった……できる限りそうする……」


俺はもう朝からツッコミをしたくないのでそのまま外に出た。

井ノ口の街に着いて二週間になりそうなのだが俺は、ぬらりひょん殿に館まで譲り受けたので館に住んでるが始めに鈴蘭と話していた商人になるって言っていたがどうするべきかと考えながら道を歩いていた。

今隣を見ると嫁さんの鈴蘭と違いさっき出会ったばかりの夜雀という妖怪の少女、文女と俺は歩いていた。

文女は俺を見ながらニコニコと笑っている。

俺はそろそろ館の二人が目を覚ます頃だと思い俺と文女は館に戻る事にした。

館に戻り二回の部屋に入ると二人は起きていて俺の方を見た。

その後直ぐに俺の横に目線が向いた。

そして、ギャアギャア騒ぐ鈴蘭を宥めたのは言うまでもない。


「文女ちゃん‼お久しぶり‼」


「幸香ちゃん‼お久しぶりだね‼」


やっぱり幸香は、文女の事を知っていたかと思い隣でイライラしていたが俺に抱きついて怒りを納めたのか甘えている鈴蘭の頭を撫でた。


「鈴蘭。文女は俺に使えることになったが怒るなよ。怒るならあの何も言わないで無責任に押し付けたぬらりひょんのじい様に怒ってくれ。」


鈴蘭は、頷き言った。


「そうじゃな。主様やこの女に怒るのは筋違いじゃな‼」


「分かってくれたならそれでいい。」


文女が鈴蘭をブスッとしながら見て言った。


「女じゃない……ちゃんと文女って名前がある……」


鈴蘭と文女が口論になり始めたので俺と幸香は、二人を宥めた。

二人が冷静に話し合う事をさせてちゃんとお互いの名前を呼ばせることでこの無駄な話し合いは終結した。

新しい仲間が増えたので文女に俺が作った服を着せて俺達は井ノ口の街に買い物に行くことにした。


「文女さんや何か食べたいものや欲しいものはあるかな?」


俺が文女に聞くと文女が欲しい物が何か無いか悩んでいる。そんな横で内の奥さん兼姫様がわらわはこれが欲しいのじゃと言っているのでまた今度なっと言って鈴蘭の頭を撫でた。

鈴蘭は、ブスッとしながらいじけたが俺が小声で耳元に囁いた。


「鈴蘭さんや……今日の夜また可愛がってあげるから言うことを聞いておくれ」


っと言うと鈴蘭は顔を赤く染めて頷いた。

これで鈴蘭は大丈夫になった。

しかし、幸香が何も言わないので幸香の方に顔を向けると幸香は文女と一緒に髪飾りを見ていた。

俺は幸香と文女にこれが欲しいのかと聞いた。

幸香と文女は頷いた。

俺はそれを聞いて三本のかんざしを持ってその店の店主にこれを売ってくれと言ってその簪を買った。

文女と幸香が簪を見て目をキラキラと輝かせているのでその簪を俺は持って二人の髪に刺してあげた。

二人は可愛いく笑顔で俺にありがとうと言って俺に抱きついてきた。

その様子を見ても鈴蘭が何も言わないので鈴蘭の方に顔を向けるとまだ顔を赤く染めて顔を下にしてほうけていた。


「鈴蘭そろそろ館に戻るとするか?」


鈴蘭はハッと顔を上に上げた。

館に戻る途中で俺は買うものがあったので鈴蘭の手を握り俺は井ノ口で有名な店に行った。


「主様は、何が欲しいのじゃ?」


「そろそろ煙草たばこのストックがなくなるからな……煙管きせるでも手に入れとかないとな……」


後ろから文女が幸香に主様は煙草を吸うの?っと聞いていた。

四人は店に入り店の商品を物色する。

俺は店の店主に聞いた。


「この店で一番良い煙管はどれですかな?」


俺はそう言うと店主が言ってきた。


「煙管ですか?今良いものを持ってきます。」


店主はそう言うと店の奥に商品を取りに行った。

数分後、店主が戻ってきて五本の煙管を俺に見せた。

俺はその煙管を見て溜息をした。


「やっぱり良いかな……他の所に行こうか……」


俺がそう言うと店の店主は慌てて言ってきた。


「この煙管は、この店の高級品ですぞ‼」


俺は店主に金が入っている財布を店主の足元に放り投げた。

店主は、それを見て大慌てで店の奥に行こうとするので俺は財布を拾い店から出ようとすると店の外から誰かが俺に話しかけてきた。


「家の倅が失礼な真似をしてしまった。旦那様に良い品があります。」


「貴方は?」


俺に頭を下げていた老人は顔を上げて


「ワシはこの東屋の前当主の東長蔵あずま・ちょうぞうと言う者です。」


「東のじい様やどんな良い品があるのかな?」


俺がそう言うと東のじい様は倅に言って自室にある木箱を取りに行かせた。

取りに行っている間に東のじい様は俺に謝罪をしているが俺は気にせずに物が来るのを待っていた。

倅が急いで持ってきた木箱の中身を見る


「これですかな?」


「それですな‼この店で一番良い煙管ですわ‼その煙管は古びていますが模様の塗装も落ちていない一級品ですわ‼」


俺は中から一本の古びた煙管を取り出した。

九尾の狐が描かれているその煙管の模様を見て俺と鈴蘭は買うことにした。


「お代はいくらくらいかな?」


東のじい様は俺を見て言ってきた。


「倅が迷惑を掛けてしまった詫びですのでお代は受け取れませんわ。」


俺は前当主の言葉を聞いて東のじい様と見つめ合い。

俺はニヒルに笑った。


「東のじい様の心意気受け取っておきましょうかな」


俺がそう言うと東のじい様は俺と鈴蘭後の二人の格好を見て珍しそうに聞いてきた。


「旦那様の名前は?そしてその珍しい格好はどんな着物ですのかな?」


俺は鼻で笑い言った。


「俺の名前は奴良神庵幻ぬらがみ・あんげんと言う者だ。これかい?この服は今度俺が店を出すときの商品さ。」


東のじい様は俺を見て言ってきた。


「いい感じの儲けの匂いがしますのう?店を出すときは言ってくだされワシも一口乗らしてもらいたいのですが?どうですかな?」


俺は驚きを顔に出さずに分かったとだけ言って煙管を受け取り店から出た。その時店から東のじい様が


「旦那様‼必ず待っておりますぞ~」


俺は後ろ手で手を振った。

俺は欲しい物を手に入れたので鈴蘭と手を繋ぎながら館に戻った。

館に着くと扉に手紙が挟まっていた。

俺は館の自室に鈴蘭と戻って手紙を開いて読んだ。

俺は手紙の内容を見なかったことにして手紙を机の引き出しに入れた。

鈴蘭が俺を見ているので


「どうした?鈴蘭?」


鈴蘭は、顔を赤く染めて俺に言ってきた。


「………二人っきり……じゃぞ?」


俺は鈴蘭が何を言おうとしているのかを悟って俺は鈴蘭を抱き締めて鈴蘭の唇にキスをした。

鈴蘭は直ぐにそれを受け入れて目をトロンってさせて俺の背中に手を回して抱きついてきた。

俺が唇を離すと名残惜しそうに俺を見るので言った。


「また、夜に可愛がってあげるからな?」


そう言うと鈴蘭頷いて部屋から出た。

俺は先程読んだ手紙の内容に溜息が出た。

手紙の内容は……


新総大将殿へ顔合わせの会議のお知らせについてだった


俺はもう一度溜息をついて蒲団に横たわった。

朝から色々と疲れたので昼寝をするつもりで目を閉じた。

気持ちよく昼寝をした俺が次に起きたのは夜の七時から八時位の間になったのは言うまでもない。


今回は短かったですがどうでしょうか?

やっと主人公の名前の一つを書けました。

いつも道理楽しんで読んで下さる皆様ありがとうございます。


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