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度し難い世の中だ。この世で、誰かが理想を求めれば、それは他の誰かの暗黒郷となる。数字で出来た宇宙に心という数では計れないものが迷い込んでしまった結果なのかも知れない。
「ローセー様、就寝してから八時間経ちましたのでお目覚めください。」
僕は眠気眼を擦りながら、ベットから起き上がった。
「may-O、今日の日の出まであと何分だ?」
「あと十五分です。」
「わかった、それまでにコーヒー煎れといてくれ。」
空白
ベットの上でボーっとしていると煎れたてのコーヒーが目の前に出された。
ありがとうと礼を言い、湯気をくゆらすマグカップを取った。コーヒーの香ばしい香りが目覚めたての鼻腔をやさしくなでる。
「ローセー様、日の出の時間です。」
窓を塞いでたシャッターがゆっくりと下から上へ開けられる。下の赤い大地が下から覗き込み、次に眩しい太陽が顔を照らし、赤が空を隅まで染めてった。赤い大地が朝日により、より赤みを帯びている。空も赤いのは先人が苦労してまた青い空を取り戻してくれたおかげだろう。
空白
「ローセー様、泣いていらっしゃるのですか?」
may-Oに言われるまで自分も気がつかなかった。朝日を眺めながら自然と涙が目からこぼれている。
「悲しい夢を見た気がするんだ。」
空白
涙を拭いてからベットを出た。
「may-O 朝ごはんにしよう」