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Proxy War   作者: will
1:見出された者
2/5

変化

人は自身に起きた大きな変化を前にどのような行動を取るであろうか。

おそらく多くの人は変化を受け入れることができず、あくまでもその変化をないものとするであろう。

一介の高校生である若根ヒロキもそうである。昨晩不思議な夢を見たと思ったら、今朝からなんだか調子がおかしい。というのも本当にささいなことなのだが。

例えば朝起きて自室からリビングに向かう途中に朝食のことを頭に思い浮かべた際、ふと焼き魚と玉子焼きの画が見えた。

普段彼の家では朝食にはトーストとコーヒーという洋風スタイルがおきまりなのだが、何故だか今日に限って焼き魚に玉子焼きという和風スタイルであった。いつもと違う朝食のメニューをぴたりと当てたのだ。

それだけなら大したことではない。たまたま今朝は第六感が冴えていただけのこと。

しかし、その後も彼は度々朝と同じ様な奇妙な感覚に襲われるのだ。家を出るときも、ふと校門の前に先生が立っている画が見えたので、いつも鞄に忍ばせているケータイゲーム機を今日は家に置いていった。

すると案の定今日に限って校門では持ち物検査が行われていた。おかげでゲームの没収は免れた。

授業中には自分が当てられる問題がわかったし、昼休みには食堂の空きスペースが行く前からわかった。どれもこれも直前に襲われる奇妙な感覚のおかげだ。

しかし、どう考えても昨日とは違う状況であるというのに若根少年は「今日はツイてるな」くらいに考えているのであった。



ともあれ、彼は学校でのルーティンを終えて帰宅の途についていた。

彼にとって劇的とは言わないものの一風変わった一日が幕を閉じようとしていた。……というのは若根少年の早とちりというものだ。彼にとって劇的と言わざるを得ない変化はこれから起こるのだから。

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