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偶然の再会⑦
突然自分の名前を呼ぶ声がした。こんな所で名前を呼ばれることなど滅多に無い僕は挙動不審になってしまう。キョロキョロと周りを見渡し、僕の名前を呼んだと思われる人物を見つける。僕と同い年くらいの女の子だ。近づいてくる女の子の顔をよく見るとあれだ、僕と同じ中学だった同級生だ。失礼なことは百も承知だが正直言うと彼女の名前がでてこない。話もあまりしたことがない、僕なんかとは係わっていないのに、なぜ彼女が僕の名前を知っているのか不思議だ。
それにしても今日はやけに昔の知人と出会うな。そんな事を思いつつ、近付いてくる名前も知らない同級生、仮にAさんとする。 Aさんと何を喋ろうかと困っていたとき、ドキッと心臓が脈打つのを感じた。目の前に来たAさん、彼女は一人ではなかった。もう一人いたのだ。彼女の後ろに身を隠して僕に見つからないようになのか顔をずっと下に向けている女の子が一緒にいた。そして、その女の子の名前を僕は知っている。チラッと顔が見えただけでもすぐにわかった。アンナ、涼森アンナ。
その子は僕が初めて恋をした、いわゆる初恋の相手だった。




