偶然の再会
「アンナー、昼あそこのファミレスにしない?」
そう言って隣で歩いている亜希は、目の前にある馴染みのファミレスを指差した。
ファミレスかあ。その響きも懐かしい。女子高生だった頃は放課後ほぼ毎日、友達とドリンクバーだけ頼んで何時間も喋っていたっけ。今考えるとお店に迷惑掛けていたと感じる。けど今は違う。就職して。普通のOLになって。一人でいることが多くなって。ファミレスに行く機会なんて滅多になくなっていた。
そんな私が今こうしてここにいるのは、隣にいる亜希のおかげだ。亜希は私の一番の友達で、当時は毎日のように遊んでいた。だけど、いつまでもずっと一緒というわけにはいかなくなった。二人共社会人なので時間が合わなくなっていたのだ。それは当たり前のことで、どうしようもないこと。
そんな時、亜希が久しぶりに会おうと連絡してくれた。久しぶりに声を聞いて、一気に頭の中が女子高生時代に戻った気がした。話したいことはいっぱいあって、色んなことを聞きたくて。とにかく早く会いたくて。やっぱり友達はいいものだなと改めて思った。
そして今、私は思い出のファミレスに足を踏み入れる。