J途中経過 11月編
11月になった。J1もそろそろ終わるしJ2はもう全日程が終了して後はプレーオフを残すのみとなった。それに加えて選手が引退するとか退団といった話もJ2を中心に出てくるようになった。例えば広島で長らく活躍して今シーズンは岡山に所属していた服部選手や北九州の大島選手など。そういう寒い時期になったと言うことだ。
J1においてそういった話が出るのはもう少し先だろうか。引退以外にも契約満了で更新しないという話が出てきたり、それに順位だって確定するし。あと1ヶ月は色々な話が出てくるだろうし、より楽しめるというものだ。
第31節終了時点におけるJ1順位表
1 広島 -
2 仙台 -
3 浦和 -
4 名鯱 ↑3
5 清水 ↓1
6 横浜 ↑3
7 鳥栖 ↑1
8 柏柏 ↓2
9 東京 ↑1
10磐田 ↓5
11川崎 -
12桜阪 -
13鹿島 -
14大宮 ↑1
15神戸 ↓1
16脚阪 ↑1
17新潟 ↓1
18札幌 -
優勝争いはどうやら広島と仙台に絞られたようだ。広島の勝ち点は58で仙台は56と2の差があるが広島が負けて仙台が勝てば埋まる程度でしかない。得失点差は広島が6点リードしているので、一応広島が優勢と言えるのだろうか。ただ仙台は粘りがあるのでまだまったく分からない。
これを書く直前に行われた第31節で広島は札幌と、仙台はセレッソ大阪と対戦した。私は前者をBSで観戦したが、3対0というスコア以上に広島のほうが強かった。後半なんかはいつ点が入ってもおかしくなかったが特に2点目、青山がセンターライン付近から出したパスを佐藤寿人が蹴り込んだゴールはまったく鮮やかで心臓の動悸がしばらく止まらなかった。いつまで選手を保持できるか分からないので今のうちに見ておかないと。
そして仙台、先制されながらもロスタイムに追いつくというらしい展開。もしセレッソに負けていたらもっとはっきりと「広島有利」と言えていただけにさすがだ。なお3位浦和は大敗して、もともと低かった優勝の可能性が決定的に霧散したようだ。
勝ち点49の浦和や名古屋も確かにまだ数字上は可能性があると言えるが、すでに残り3節という段階で極限と言える勝ち点9差をつけられているし、しかも得失点差に至っては20点以上離れている。はっきり言って絶望的、と言うか無理だ。まあ浦和など去年の順位から見ると大躍進と言えるが。ペトロヴィッチ監督にありがちな守備の緩さが時々出るのが森保監督によってそれを改善した広島との違いか。駄目な時は本当にボロボロになるからな。
しかしこの3位浦和と4位名古屋もまったく安泰ではない。勝ち点40台にはかなり多くのクラブがひしめいているからだ。ACL圏内の3位、そして賞金圏内の7位はまだどこになるか不明である。それにしても鳥栖、普通に残留を決めていった。古くはFC東京や仙台から甲府に山形へと続く一連の「J2オリジナル10の初昇格シーズンはイメージ以上に健闘して残留(一部例外あり)」というラインを見るに「もしかすると残留するかも」ぐらいは思っていたが賞金圏内の争いをするとは。
一方、下を見るに現段階で勝ち点44あれば残留確定となるが、そのラインは9位のFC東京までが満たしている。まあここまでろくに勝ててないから下位に沈んでいるクラブたちが今更やすやすと3連勝とかできるはずもないので今勝ち点40あれば当確だろう。
川崎、セレッソ、鹿島は先月と順位変わらず。川崎は風間監督の幻惑采配がはまったりはまらなかったり。クルピ監督の下で謎の勢いを取り戻したセレッソだがここ数試合はやや辛抱する場面が続いている。ナビスコ杯を得た鹿島は、まあ今年はこんなもんだろうか。場合によってはまだ降格の可能性もあるが、さすがにガンバと新潟両方が勝ち点5以上すんなり取れるとは思えないしまあ大丈夫なんだろう。
相変わらずこの時期に粘りを見せる大宮。どれだけ補強してもこういう順位という謎。神戸はなんと西野監督が解任された。まあ調子を落としているのだが、将来を見据えた監督就任だと思っていただけに意外だった。降格しても残るものはあるし、残留するにしても場当たり的な対応ばかりだと積み重なるものがないし、それは大宮もそうだろう。
そして降格圏内。新潟、ガンバ、神戸、大宮から2つとなるだろう。ガンバはレアンドロの個人技など攻撃力は凄まじいのだが守備はもはやどうしようもないか。ここが降格すると脱走者が多そうというイメージを勝手に抱いている。新潟は悪くない印象だが勝ち点が伸びてくる感じはあまりしない。どうせ大宮はまた残留なんだろうな。
すでに降格決定の札幌は逆に怖い。9月のベイスターズみたいなもので「勝って当然」と意識しすぎると手痛い一撃を食らうが根本的にはそんなに怖がることはない。普通にやればいいのだがこの差し迫った時期、普通にやるのは案外難しいものだ。
第42節終了時点におけるJ2順位表
1 甲府 -
2 湘南 -
3 京都 -
4 横浜 ↑2
5 千葉 ↓1
6 大分 ↓1
7 東京 -
8 岡山 ↑2
9 北九 ↑3
10山形 ↓2
11栃木 ↓2
12松本 ↑1
13水戸 ↓2
14熊本 -
15徳島 -
16愛媛 ↑2
17草津 ↓1
18福岡 ↓1
19富山 ↑1
20鳥取 ↑1
21岐阜 ↓2
22町田 -
11月11日、J2の全日程が終了した。最終節前の状況を言うと、早々と昇格と優勝を決めた甲府を除いた2位から6位までの5クラブに自動昇格の可能性があった。東から千葉、横浜、湘南、京都、大分である。また、ここで出たクラブがプレーオフ進出というのも最終節より前に確定している。13時に各地一斉にキックオフ。
この日は全国的に荒れ模様で、私の住む京都もやはり終始ざんざんと雨が降っていた。ちょうどNHKにおいて、西京極で行われる京都対甲府の試合が中継されるのでそれを見た。上半身裸のサポーターが複数観客席にいてこっちまで震えてきた。
そして試合結果は引き分け。京都はパスを通すのはいいがゴールへの推進力がなかったように思えた。甲府がよく守ったとも言えるかも知れないが。戦前までは2位だったが勝ち点を1しか伸ばせず、3対0で勝利した湘南に抜かれて3位でフィニッシュ。結果、自動昇格は甲府と湘南で確定し、京都以下大分まではプレーオフに回る事となった。
プレーオフはまず京都対大分と横浜対千葉が行われる。順位が上のチームの本拠地が会場となり、ホームチームは引き分けでも通過となるようだ。つまり大分と千葉に関しては勝利以外に道はないと言う事。思えば大分が降格決定となったのも西京極だった。それを観戦した話は以前に書いたが、そういう意味では因縁の対決と言えるか。11月18日の午後にキックオフ。
さて、この第1ラウンドを勝ち進んだチーム同士でただ1つのJ1昇格枠を争うラストバトルが11月23日、国立競技場を舞台に繰り広げられる。それがどこ対どこになるかは知らない。いずれも過去にJ1で戦った経験のあるクラブばかりだし、何より1試合で決まるので最高の、あるいはそれ以上のプレーをうまく発揮できた所が勝つだろう。もう予想はいいや。結構派手に外してるわけだし。その辺の総括はJ1と一緒に行う予定。
京都の事ばかり話したが4位に横浜FCがもぐりこんできたのは何気にサプライズと言うか、開幕当初は本当に酷くて最下位の時期もあったが、監督交代でこうも立て直してくるとは。山口素弘監督の実力恐るべし、という事でいいのか。J1では森保一監督が首位の活躍を見せているし、時代は代表の正ボランチだ。
ヴェルディや山形はもっと上を争っていたはずが失速した。岡山は大健闘だ。毎年のように順位を上げているし。川又は新潟が降格となったらまず戻されるし、中林にだって触手を伸ばすクラブはあるだろうから来年はどれほどの戦いを見せるかも注目。GKが弱くて降格寸前のあそことか獲れば良かったのに。
もう少し下の順位では松本のように健闘した所もあれば徳島や福岡のように「ここまで低いとは」という所もある。一気に一番下まで行くと、町田が最下位となった。最終節に勝てば可能性もあったのだが、湘南相手では分が悪かったか。スタジアムの改修がどうとかそういう話が開幕前に出てきたり、拙速だったのかも知れない。JからJFLに降格した史上初のクラブとなった。経営的な問題で「JFL降格も」とか報道されたところは結局どこも落ちなかったのに。でもこういう制度が出来たなら今後はそういうルートも機能するかも、とか期待している。
上のほうが「バスに乗り遅れるな」とばかりに各クラブを焦らせておいて、最後尾で乗り込んだ瞬間に振り落とされるのはむごいが、まあ破産しない程度に捲土重来を期してほしい。そしてJFL優勝の長崎は今日J2への昇格が認められた。浪速のゴンとかがいるのか。どうなる事やら。




