緊急特別投稿 サンガVSギラヴァンツ生観戦
早く起きた朝は突拍子のないことを思いつくものである。今日も朝9時まではまったく別の日程が進みつつあったものが、ちょっとした偶然がもたらした急展開によって新たな運命を迎え入れる事となった。
事の起こりはPCでお気に入りに入れたサイトを巡回している時であった。Jリーグ公認ファンサイトである「J's GOAL」に京都対北九州のプレビューが掲載されていたのを発見した。
「あれ、J2って日曜日じゃないのか。まだJ1の試合が終わってないのにJ2のプレビューがこうも前に出ているのはおかしいような」
いや、何もおかしくなかった。今シーズンのJリーグは基本的にJ1が土曜日、J2が日曜日で固定されている。しかし何事にも応用はあるもので、今節のほかの試合は日曜日だがこの1試合だけ今日、土曜日に開催されるのだ。しかも西京極、13時キックオフ予定。
「こりゃあ行けない事もないな、どうしようか」
ちょっと考えた。今日、本来するはずだった予定もないではなかったがこれは他の日でもできる。しかし今日の試合は今日しかない。思い立ったが吉日というわけで、急遽観戦に行く事が決定した。
私の家は京阪沿線なのでまず京阪で四条へ行く。例の事故はあんな近くで起こったのだなあなどと感傷をはさみつつ河原町でハンバーガーをほおばる。時間は11時過ぎ。少し早い昼食だが日程上仕方がない。
河原町からは阪急で西京極へ向かった。車両に紫と赤のレプリカを着込んだ男性が1人、胸にエンブレムのある服を着ていた男性が1人乗り込んでいた。その他にも、一見普通の服だがインナーが紫で「着込んでいるのかも」という男性や、かばんの中からサンガのタオルが見える女性もいた。
そして到着した西京極。ここで降りる客はやはり紫濃度が高い服を着ている。駅から西京極総合運動公園までは歩いてすぐだが、なぜかブラスバンドの音が聞こえる。これでは野球ではないかと思ったが、まさにその通りでわかさスタジアムでは大学野球の同志社対立命館が行われていた。興味はあったがこっちの試合まで見る暇はないので諦めて通り過ぎた。球場周辺にはチアと羽織袴のバンカラっぽい応援団員が同居していた。
さて、試合を見るには当然チケットが必要である。私の場合は今日突然思いついたので当日券を購入しないといけない。特に京都のサポーターというわけではないのだが、安いし一度はやってみたかったのでゴール裏の席を買った。価格は2000円。事前に予約していればもっと安く入手できるし、普段は私もそうしている。
公園内を軽くブラブラした後に5番ゲートからチケットを提示して入場。手荷物検査はなかった。私はかばんを持っていたが「中を開いて見せてください」みたいな話もなく、閉じたまま普通に侵入できた。時間は12時前といったところか。正確に記録はとっていないが多分間違ってない。
私が入ったときにはすでにサンガの応援団が今日の応援について事前練習をしていた。最近加入したサヌ選手のチャント(応援歌のようなもの)を西京極で披露するのは初めてだかそれっぽい事を言っていたが、この曲はどこかで聞いたことが。そうか、ギャバンだ。あれは歌詞も曲も力強くてまさに名曲だ。FLASHとか懐かしい。最後のタイトルコールの部分にウィルフリード・サヌの名前を当てはめている。
それと応援団の人いわく「他ではやってるところもありますがウチでは初めての試み」としてゴールキックの際に旗を上げるというアクションをすると言っていた。ゴールキックの際、蹴る前は「オーーーーー」とか溜めて、蹴った瞬間に「オイ!」とか言うのは割とどこでもやっている。今回は溜めの時に大きな旗を平行にしておき、蹴った瞬間持ち上げて垂直にするという新機軸を試そうというものである。今日の試合でも何度か実行していたが、特に見辛くなるという事もなかった。
チアも来た。まだ子供だ。T-岡田の登場曲に合わせて「サンガがんばれー」みたいな踊りをしている。中は黒。これも終わり、試合開始時刻が近づくにつれて席が埋まってきた。私が来た時はかなり余裕があったが、試合開始直前にはそれなりに埋まった。バックスタンドもなかなかだったが、向こうのゴール裏とメインスタンドは空席も目立った。
13時4分にキックオフ。最初は京都が優勢だったがなかなかゴールを奪えないという展開だった。KBS京都では夜7時から録画でサンガのホームゲームが中継される。それを見ると現地観戦の印象以上に決定的なチャンスが多かった。やはりゴール裏は見にくいのか。例えば前半途中に京都サポーターが拍手する場面があった。私も雰囲気で拍手したものの何が起こったか不明だった。しかしテレビで見て「京都のシュートを胸で受けた北九州のDFが倒れたのでタッチラインの外に蹴りこんで試合中断」という経過があったと知った。
前半に京都が攻めているという事は私のいるホームチームのゴール裏から離れた部分で攻防が行われているという事。しかしこれも対策済みだった。私のスポーツ観戦需要の高まりを見越して今年に双眼鏡を購入したのだ。今日がその初陣である。試合前に調整してみたが、北九州の横断幕に書かれた文字もはっきり見える。圧倒的感動。
ただ、当然視野は狭くなるので使用は明らかに向こうで展開されている時がメインとなる。例えばセットプレーの時などは分かりやすいが、普通の攻勢の場面でも適宜使用するがハーフウェイラインより手前になると肉眼で見たほうが具合が良いといった具合。
私の後ろあたりにいたおじさんは「北九州は13位」というところをよく指摘して「こんなのは3対0ぐらいで勝たないと」「横浜相手に藤川球児を出すようなもの」などと言っていたが北九州はそこまで弱くないと思う。
さて、先制点は京都。前半37分だったらしい。相変わらず向こうサイドで展開していて、私は双眼鏡で「サヌってちっちゃいなあ」などと見ていたらポンポンポンとボールがつながってそのままゴールとなった。テレビで見ると見事なミドルシュートだった。周りの空気に促されるように立ち上がって祝福とかしたが、ゆりかごダンスは見逃してしまった。迂闊。
前半は京都ペースだったし後半は私たちの目の前でゴールラッシュを、とか期待していたが北九州が立て直してきたようだ。やっぱり向こうでの展開が多かった。テレビで見直してもその印象で大体当たっていた。遠くを見通せる双眼鏡が大活躍したが、あんまりそういう展開は嬉しくないと悟った。
双眼鏡が捉えたのは「テクニカルエリアの最前列に立つ北九州の三浦泰年監督」「中村がゴールを決める瞬間」「中山に提示されたレッドカード」「第4の審判が掲げた後半アディショナルタイム4分の表示」などである。この辺を肉眼で的確に認識するのは難しいだけに、入手してよかった。ゴールの瞬間はそれこそスローモーションのように、ゆっくりとゴールに吸い込まれていったように見えたのは印象的だった。
結局試合は1対0でサンガの勝利に終わった。その頃には肌が日焼けによってピリピリと痛くなっていた。今日の時点でかなり暑く、半袖が適切な温度だった。曇りだと気持ちよかったからもっと曇れなどと思うときもあった。相手が空ではどうにもならないが。
ヒーローインタビューはゴールを決めた中村選手だったが、何というかしゃべりは苦手なのかなとか思ってしまった。ただこの中村選手は今季かなり活躍しているような気がする。これでサンガは暫定首位となった。少し前は湘南が首位だったし、さっきまでは山形だった。今の京都もどれだけ続くだろうか。J2はまだまだカオスが続きそうだ。
それも終わった後、ゴール裏にサンガの選手たちが来て勝利の喜びを分かち合った。水谷選手と松尾選手が誕生日ということで誰か選手が下手な大声で「ハッピーバースデー」を歌った。そして先日サヌの子供が生まれたという。テレビでも触れていたが、子供は日本ではなく祖国ブルキナファソにいるようだ。
その辺をぼちぼち見つつそこそこで撤退。観客数は6540人と控え目だったので電車は混みすぎてたまりません! という程でもなかった。河原町で夕食を購入して家に帰ったのが大体4時。疲れを癒して夕食をとって、そしてこの文章をちゃちゃっと書き散らかした。正直ちょっと眠いし、内容はアレかも知れないが、まあそういう事で。こういうのは衝動的に出すぐらいのほうがきっと正しいから。




