プロローグ
『暇人部』』(部として認められていないので正確にはクラブ)で起こる
ハチャメチャコメディ!!
我輩は勘太郎である。名前はまだない……
「……あんじゃん」
はじめまして。坂本勘太郎です。
今、俺は小説を書かされています。誰にかって?
「部長~!!やっぱ『我輩は猫である』を自分風にアレンジして書けなんて無理ですって~!!」
「この世に無理なことなんてないのよ。勘太郎」
そう笑いかける我らが『暇人部』(まだ部として認められていないのでクラブだが)の部長こと琴峰愛奈先輩。
長い黒髪にきれいな顔立ち、その上スタイル抜群という我が校の三大美女の一人である。
「また今日はどうして小説なんか……」
「ん?なんとなく」
いつもなんとなくじゃないですか。
「あら、いつもではないわよ。この前の……ほら……目を瞑るやつ」
瞑想のことですか?
「そう。それよ。あれは集中力を鍛えるためにやったんだから」
なぜか自慢げに胸を張る部長。ちなみにその時開始5分で一番最初に飽きたのは誰であろう部長本人だったのだが。
「そんなこと忘れたわ」
しれっと横を向く部長。はぁ~。
「んあー!!書けん!!書けんぞー!!」
部長の横で奇声を上げるショートカットの女子。名前は橘美咲。
「うるせぇぞ美咲。黙って書け」
「おぬしもしゃべっておったではないか!!」
目を逆三角の形にして怒る美咲。アニメか。
特徴を述べるとすると『運動のできるバカ』である。あとは、古風だかなんだかよく分からない話し方と少し気の強い目つきくらいか。
「……何をずっと見ておる」
「別に……そういえば美咲」
「ん?なんじゃ?」
「今日の下着の色は?」
「は?水色と白のストライプじゃが、なんで……って!!何言わすんじゃ!!」
ほらね?バカでしょう?
「うるさいわ!!」
めんどくさいので次の人に……
「めんどくさいとか言うなや!!」
「……コクン……コクン……」
俺の隣で爆睡中の髪を小さく二つ縛りにしている少女。
名前は里中凛。さっきからコクンコクンと眠りの船を漕いでいる。
こいつ小さいくせに胸はあるし、服もビミョ―に乱れててさっきから色んなものが見えてるわけで……なんだかなぁ。
と、その時コクンがガクンに変わって頭を机にガンッとぶつけた。
「……ぅん?」
「やっと起きたかよ」
「……いたい」
不思議そうにチャームポイントのタレ目をしばたかせながら額をさする凛。
「……なんで?」
「机にぶつけたんだろうが」
気付かなかったのかよ……
「うん」
どんだけ爆睡してたんだ……
「300コックンくらい?」
なんだそりゃ……
まだ額をさする凛。まぁ、結構派手な音してたからなぁ。
「どれ、見してみ?」
凛をこちらに向かせ前髪を上げる。あー。ちっと赤くなってんな。でも、まぁ大丈夫だろう。
「すぐ治るだろうよ」
「うん……ありがと」
そう言いながら俺の膝の上に移動しチョコンと座る凛。
「……」
「……」
「……おい」
「?」
なぜ俺の膝の上に座る?
「ここなら眠らない」
いや、俺はどうしたらいいんでしょうか?
「……さぁ」
さぁってお前……
太ももがやんわりと温かい。なんか甘い匂いまでしやがる。
「ハァハァする?」
「しねぇよ!!」
いや、しそうになったかと言われれば否定できないかもしれませんけどね!?してないよ!!まだ!!
「ホント、凛ちゃんは勘太郎に懐いてるわよね」
「うん……勘太郎、好き」
そりゃどうも。まぁこうなるまで色々と経緯はあったのだがそれはまた後で話すとしよう。
そして、
「こんにちは、みなさん」
今入ってきた細目の美少年。学校のアイドルこと小倉修だ。勉強はできて運動もそこそこ。温厚な性格とその容姿から女子から『王子』などと呼ばれている。
「やぁ、勘太郎」
「……おぅ」
女子連中はこいつの本性をしらないからそんなことがいえるのだ。
修が俺の隣に座る。
「って近い!!」
「ん?そんなことはないよ?」
なんで俺の隣なんだよ!!他の席もいっぱい空いてんだろうが!!
「勘太郎が好きだからさ」
そう。こいつはホモだ。
「失礼だな。僕は男が好きなんじゃない。勘太郎が好きなんだ」
ますます気持ち悪いわ!!殴るぞ!!
「いいだろう。それが君なりの愛情表現と言うなら僕は悦んで殴られよう!!さぁ!!殴ってくれ、勘太郎!!」
ぎゃー!!こっち来んなー!!
カシャッ
「……」
「……いいわぁ」
何、写真なんか撮ってんですか部長!!
「えっ?後で見返せるように」
必要ありません!!今すぐ消してください!!
「じゃぁ、ブログ用に」
ますますダメだー!!
「……うるさいのぉ」
「……むー」
横で俺のワイシャツの袖を引っ張る凛。
「ん?どうした?」
「浮気……ダメ」
いや、浮気って……なんで怒ってんのよ。
「ふっ、里中君。僕は君と違って男だ。勘太郎と同性だ」
「……それが?」
「わからないのかい?人間と言う生き物は同性といる時のほうが心が安らぐと言うことを!!」
「っ!?」
凛がタレ目を見開いて驚愕する。本気にしてんじゃねぇよ……
「……でも……負けない」
必死に修を睨む凛。依然として俺の膝の上である。
「ふっ、せいぜいがんばるといいよ。でも、勘太郎はすでに僕のものふべっ!?」
気持ち悪いからとりあえず殴った。
「っく……ほらね。こんな愛情表現をするくらい仲がいいだろう?」
「っ!?」
なんでそうなる!?そしてなぜ凛はそれを信じる!?
「……勘太郎……殴って」
「はぁ!?」
「私にも……愛情表現……」
殴れるか!?無理に決まってんだろ!!
「……」
拗ねる凛。んなこと言っても女は殴れない。
てかまず殴るのは愛情表現ではない。
「勘太郎は……私のこと……嫌い……?」
っ!?かわいい!?でも殴るのはなぁ……
ナデナデ
「「!?」」
「これでいいか?」
頭撫でときゃいいだろう。ちょうど膝の上だしな。
「……あぅ」
自分から言っておきながら恥ずかしいのか、顔を真っ赤にしてうつむく凛。
「……オッケー」
そりゃよかった。
「なでる……だと……?」
この光景を見てなぜか挙動不審になっているホモ。
「僕にだって……まだしてくれたことないのに……?」
いや。これからも一生することはないと思う。
そのまま修はふらふらと部屋の隅のほうでうずくまってしまった。
「まったく。小説の話はどこにいったの?」
「んがー!!書けん!!書けんぞぉー!!」
あと一人今日は来ていない先輩が一人いるがそれは後のお話で。
まぁ、こんな感じのウダウダな部活です。
コメディ書いてみましたww
やっぱ難しいですね(汗)
ちょいちょい更新していきたいと思ってます!!