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スカイブルーの、虚実の日記帳

作者: 阿羅紗彌
掲載日:2026/08/20


この世界は僕にしてみれば、いわば幻想のように感じられるんだ。僕の脳の中には、あらゆることを指図する、絶対的な存在がいて、そいつは、時々、私を揺さぶり、声をかけてくる。何が幻想で、何がリアリティなのか分からないんだ。


ある日、瑠夏は、マジックアワーの時間帯に、ピカピカと白く光る、煙突についた航空灯を眺めながら、電柱の並んでいる干潟で、夕日の沈んでいった方向を背景にしながら、一人、歩いていた。


ただ、瑠夏にとっては、それはただ寂寥の思いで一人だけで歩みを進めていると、現実的に完全に認識できているわけではなかった。瑠夏には、どこからか聴こえてくる、街中で鳴らされているサイレンの音、「こっちにおいでよ。」と姿は見えないのに、360度ランダムに、発声源を遠ざからせたり、近くさせたりしながら、語りかけてくる、少女の不純ない声が、聴こえていた。


干潟の向こうの道路を挟んだ先にある、幾つかの、木造の家々は、そんな瑠夏を「知ったことか。」と見つめながらにして、放置する悪魔のように瑠夏には思えた。


瑠夏は、せめて、その瞬間だけでも、平和な感覚が戻ればと思った。まるで、白い鳩の喜んで飛ぶような、平和な世界だけを認識できたらと思った。


でも、そんなことは、その時の瑠夏にはできないことだった。だから、少しでも楽になりたいという思いから、目を閉じて、耳を塞いだ。すると、母なる海に包まれたような感覚になって、やがて、深い深い海、まだまだだが、地球の深奥へと落ちていくような、不思議な不思議な気持ちに陥った。


沈みゆく、自分は、このまま自然の一部になるのかもしれない。まるで溶けていくように、この母性愛溢れる地球と一体化していくのかもしれない。彼の脳内は、そんな思いで満たされた。


深海では、たくさんの白い流星群のような、白い光が、ばらばらの方向から出てきて、ばらばらの方向に突き進んでいった。ぶつかったら、幾つもの、白い光が、飛散した発光体から発されていった。


そのぶつかる過程は、生命の死ぬ瞬間なのだと、その白い光が生命なのかどうかすら分からないのに、瑠夏には感じられた。


やがて、瑠夏も白い光となった。そして、他の白い光とぶつかった。


瑠夏は、遥か遠くに、幾つもの、煌々と、空間を照らす恒星があるのが見えた。瑠夏は、まるで天の川銀河のブラックホールに見つめられているような気持ちになった。


瑠夏は、宇宙を浮遊した。それはまるで海月(くらげ)になったかのような気分だった。時の流れは確実に、地球での喧騒の日々と比べてゆっくりと感じられた。


もう何もできない。もう何もしたくない。もう何も認識しない。


瑠夏の身体は、段々と宇宙空間に溶け出していった。

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― 新着の感想 ―
作者様の意図しているものを、自分が全て解釈できているとは到底思えません。ですから、感想も少しドキドキしてしまいますね。 しかし、作者様の書く文字の作り出す世界観が私は好きです。ʕ•ᴥ•ʔ これらをベー…
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