第29章「炎の残響」
【大阪城ホール 翌朝】
夜明けの薄明かりが会場の外壁を淡く照らす。
激しい闘争の跡はそこかしこに残り、割れたガラス、散乱する機材、そして疲労困憊の若者たちの姿が点在していた。
ロキは疲れ切った体を引きずりながらも、仲間たちと肩を組み、周囲を見回した。
【メディアの波紋】
ニュース映像が連日流れ、stigmaのライブでの騒乱と彼らの主張が全国に拡散された。
抗議の声は広がり、多くの若者が街頭に立ち始めていた。
【公安庁の焦燥】
戸田耕一郎は官庁の一室で、頭を抱えていた。
「予想以上の反響だ……計画が崩れつつある」
彼の隣には、情報解析官が報告書を手渡す。
【裏社会の動揺】
新帝国同志会の鏑木義仁もまた、自らの陣営での動揺を感じ取っていた。
「このままでは我々の力も揺らぐ。次の一手を急がねばならぬ」
【stigmaの未来】
ロキは仲間たちに向けて言った。
「俺たちの戦いはまだ終わらん。声を上げ続ける限り、必ず届くはずや」
ユーマが静かに続けた。
「痛みと裏切りを乗り越え、ここまで来た。あとは、この炎を消さへんよう守るだけや」
【新たな決意】
ナナは仲間の手を握り締めながら誓った。
「何があっても、私はここにいる。みんなと共に」
ルカも頷き、ネットワークの再構築を誓う。
【遠くの空に昇る朝日】
窓の外、東の空が黄金色に染まり始めていた。
新たな一日の始まりを告げる光が、彼らの未来を照らし出す。




