第28章「決戦の刻」
【大阪城ホール 開場前】
冷たい風が吹き抜ける大阪城ホールの周辺には、stigmaの支持者たちが続々と集まっていた。
不安と期待が入り混じる空気の中、警察官の数も増えているが、若者たちは臆することなく集結していた。
【バックステージ】
メンバーは緊張を隠せない表情で控室に集まる。
ロキが静かに口を開く。
「これが俺たちの“最後の舞台”や。今までの痛みと裏切り、すべてをここにぶつけよう」
ユーマが拳を握り返した。
「絶対に負けられへん。みんなで、この刻を変えよう」
【公安庁・作戦指令室】
戸田耕一郎はモニター越しに群衆の動きを見つめていた。
「stigmaを封じ込める絶好の機会だ。全力でライブを妨害しろ」
部下たちは即座に作戦を開始する。
【ステージ開始直前】
会場内の緊張は最高潮に達していた。
照明が暗転し、ロキの声がマイクを通して響く。
「この歌は、俺たちの叫びや。黙らせようとしても、俺たちは消えへん!」
歓声が会場を揺らす。
【妨害の影】
だが、その瞬間、場内に警察官が乱入し、機材の一部を押収しようとする。
混乱が一気に広がる。
ユーマが叫んだ。
「こんなこと、許されへん!」
【肉弾戦】
メンバーと支持者が警察と激しく衝突する。
ロキは盾となり、仲間を守りながら歌い続けた。
ナナは倒れた仲間を必死で抱き起こす。
【右翼の介入】
突如、右翼組織「新帝国同志会」のメンバーが会場周辺に現れ、混乱に拍車をかける。
彼らは公安と暗黙の連携をとりながら、抗議者たちに圧力をかけていた。
【決断の瞬間】
ステージの中央で、ロキはマイクを握り締めた。
「この国は、誰のものや?俺らの未来は俺らが決める!」
彼の声に群衆が呼応し、一体感が爆発した。
【夜明け前の静寂】
混乱の中、闘いの火種は消えずに残り、夜は明けていく。




