第26章「裂けた絆」
【人物・組織整理】
stigmaメンバー
ロキ（ボーカル・リーダー）：情熱的で闘志あふれるバンドの顔。公安に狙われる最前線。
ユーマ（ギター）：冷静沈着だが熱い信念を持つ。仲間思いで戦術的判断に長ける。
ナナ（ベース）：過去の暴露に苦しみながらも強く生きる女性。情報戦の鍵を握る。
ルカ（港区女子ネットワーク元締め、元拘束）：歌舞伎町の情報網を統括し、裏社会の知識に長ける。
公安庁
戸田耕一郎（公安統括官）：冷酷で粘り強い。stigmaを「国家の敵」として徹底排除を狙う。
公安職員複数：監視・情報収集・現場制圧を担当。最新技術でstigmaを追う。
右翼組織「新帝国同志会」（白鷹会傘下）
鏑木義仁（総帥）：強硬姿勢のリーダー。国家主義思想を掲げ、暴力行為を肯定。
井口忠正（軍事部門責任者）：元自衛隊教官。組織の武装部隊を指揮。
寺沢礼司（政治連携担当）：政界との癒着を取り仕切る。
南條卓（思想広報部）：宣伝活動・思想統制を担当。
【歌舞伎町・廃ビル「双頭館」前】
夜の闇に覆われた双頭館の前で、stigmaのメンバーと港区女子ネットワークが緊迫した空気に包まれていた。
路地裏に身を潜める彼らの表情には疲労と焦燥が入り混じっている。
【緊迫の会議】
ロキが低い声で切り出す。
「情報は錯綜してる。公安の包囲は確実に狭まっとる。ここで間違えば命取りや」
ユーマが手元の端末をスクロールしながら補足する。
「敵は高度な電子監視と人間の目を組み合わせてくる。これ以上の接触は危険や」
ナナが苦しそうに言った。
「でも、俺らの動きはバレてる……仲間の何人かも捕まったらしい」
【裏切りの影】
ルカが鋭く言い放つ。
「情報が漏れてる。内部にスパイがいる可能性が高い」
その言葉に一同の表情が硬くなる。
ロキが拳を握り締めた。
「俺らの絆を試す時や……信じ合うしかない」
【公安の罠】
戸田耕一郎は監視室の暗がりで笑みを浮かべる。
「この“裂け目”を利用する。仲間割れを誘発し、内部分裂を狙う」
彼の作戦は、stigmaの結束を破壊し、次々にメンバーを孤立させることだった。
【逃走経路の断絶】
双頭館周辺の路地は公安と右翼の合同部隊で封鎖され、stigmaたちは物理的な逃げ場を失っていた。
ユーマが静かに呟く。
「“最後の檻”より狭い……だが、絶対に負けられへん」
【緊迫の連絡】
ルカが港区女子ネットワークを通じて報告を受ける。
「援軍の到着が遅れてる。敵は手練れを投入してるわ」
ナナが肩を震わせた。
「これ以上、バラバラになったら……」
【壊れゆく信頼】
緊張の中、誤解と疑心暗鬼が芽生え始める。
ある夜、ロキがユーマの行動に疑念を抱くシーン。
「お前、何か隠しとるんちゃうか？」
ユーマは鋭く返す。
「俺は仲間や。疑うなら出ていけ」
ナナとルカが必死に仲裁に入るも、裂け目は大きくなる。
【切迫する状況】
追い詰められたstigmaは、限界寸前。
しかし、ロキは叫ぶ。
「信じ合わな、ここで終わりや！俺たちは何度でも這い上がる！」
【夜の空に響く叫び】
不安と混乱の中でも、彼らの叫びは歌となり、夜の街に鳴り響く。
