第24章「火種の波紋」
【大阪・南堀江 カフェ“Luminous”】
窓から柔らかな午後の日差しが差し込む。
stigmaの4人は集まり、次の作戦を練っていた。
ロキがパソコンの画面を見つめながら言う。
「玲子の映像が世界に広まってから、反響は想像以上や」
ナナが頷きつつスマホを操作する。
「SNSはもちろん、独立系メディアも動き出してる。全国の若者の間で炎が広がってる感じやな」
【ニュース画面】
「政府は、抗議デモの鎮静化を目的とした緊急対策本部を設置。
一方で公安庁は反体制勢力の摘発を強化し、ネット監視も一層厳しくなっている」
【歌舞伎町・港区女子のネットワーク】
ルカはスマホでグループチャットを監視していた。
「一見、分断が進んでるように見えるけど、裏では密に連携してる」
仲間の一人が答えた。
「隠れて動くからこそ、力を伸ばせる。焦りは禁物よ」
【東京・霞が関 官邸】
椎名補佐官は新たな報告書を受け取りながら言った。
「stigmaの影響力は、依然として拡大している……根絶は困難だ」
側近が答える。
「しかし、次の一手で反撃を……」
椎名は静かに遮った。
「無理だ。暴力はさらなる反発を生むだけだ」
【南堀江ライブハウス“Deep End”の夜】
ナナは新曲のコードを弾きながら呟く。
「音楽は言葉より強い。だからこそ、私たちの戦いはまだ続く」
ロキが隣で微笑む。
「その通りや。音が火種を運ぶんや」
【若者たちのネットワーク】
匿名チャットルームで、地方からの報告が続々と上がっていた。
「今夜、名古屋で大規模デモ予定。全国的な連動も計画中」
【ルカの決意】
深夜、ルカは窓辺に立ち、冷たい風に顔を向けた。
「私たちの声は、もう誰にも止められへん」
【夜空に舞う火種】
街のあちこちで、小さな炎が灯される。
抗議、連帯、そして未来への希望の火種が、静かに波紋を広げていく。




