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十日先予想

7月いっぱいまで毎日更新します。よろしくお願いいたします。



【簡単なここまでのあらすじ】

中年荷物持ちのウォルヒルの住む村近くに、魔王が誕生するダンジョンが出現。溢れ出たモンスターが襲来するさ中、ウォルヒルは空間収納したモノを高圧出力できることに気づく。高圧出力でモンスターを蹴散らしていく中で邪竜ヴォルフガングと対決。死闘の果てに辛くも勝利する。また大聖霊からは魔王討伐を頼まれ、あらゆる怪我と病を治す聖霊水を譲渡される。更なるレベルアップを重ねたウォルヒルは魔王討伐のために家族の力を借りて、ダンジョン攻略に乗り出す。

 オークの集団を壊滅させたウォルヒルがステータス画面を開く。


「さて、どんな感じかな?」


名前:ウォルヒル・ストリィト 年齢:35  レベル:60+18 HP:175/175   MP:274/180 攻撃力:16(+24)   生命力:18(+24) 防御力:17(+24) 魔法力:18(+24)  素早さ:12(+24)  運:14(+24)《取得魔法》なし

《特性スキル》【収納】【分析】《サブスキル》【出力調整×5】【万能収納+α×11】【鑑定×3】【範囲拡大×3】【収納物4%増加】【解析×2】【良質化1%】【分解】【消去】


 ウォルヒルは満足げに頷く。


「うん、第二の〈神佑(スキル)〉も育っていっているな!」


 実はヴォルフガングを倒した直後、ウォルヒルのスキルが大きく変化していたのだ。

 討伐後に出現した画面に「【収納】のレベルが上限に達しました。次に修得するスキルを選んでください。【温度】【分析】【光】のいずれかを選択してください」と記されていたのだ。

 その際にウォルヒルは大きく戸惑ってしまった。


「邪竜ヴォルフガングを倒したことで【収納】の〈神佑(スキル)〉が限界に達したってことか。これって、次の異なる〈神佑(スキル)〉を選べるってことでいいんだよな……。つまりはレベル限界の先に更に別の〈神佑(スキル)〉があって、新たに育てられるってことなんだ!! す、すごい。新発見なんてものじゃないぞ!?」


 人類未踏の境地――新たな自分の可能性に仰天したが、ウォルヒルはすぐに何を選ぶべきか考えた。

 時間はあまりかけられないであろうと予想する。史上初めての出来事で、誰からもアドバイスを受けることができないから気持ちが焦る。

 しかし見た時からピンときたものがあったのだ。

 何事も調べ、確かめたいという思いがあるウォルヒルは【分析】を選んだのであった。


 そうして今現在、ウォルヒルの【分析】が18レベルに達していたのだ。だが最近はレベルが上がりにくいので、やはり自分以外の成長が大事であると思うようになっていた。

 この先、膨大な経験値を得てもウォルヒル自身の成長は見込めないと考える。

 相手は魔王軍――たった一人が成長しただけでは抗うことなど到底できはしない。


「みんな、〈神佑(スキル)〉はどうなった?」


 長男の問いかけにカールライ、ライクー、ジョミラー、トニスコがそれぞれステイタス画面を確認する。


「わたしは14だわ」


「僕も9だよ……」


「わたしは44になりました!」


「俺はまだたったのレベル3だ」


 父トニスコの報告にみんながギョッとする。【先読み】の〈神佑(スキル)〉は相当に手強いことが証明されたのだ。母が一気に14上がったのに、父が3というのは格差が大きすぎた。

 だがトニスコは興味深いことを言う。


「それでもサブスキルに【十日先予想】というのが加わったのが大きい変化だと思うがな」


「えっ? 【十日先予想】、それってどんなモノなの?」


「う~ん、よくはわからんな」


「僕の力で確認させてもらっていい?」


「ああ、構わん」


 するとウォルヒルは【万能収納+α】でトニスコを包むと【解析×2】で調べ出した。それによってトニスコのステータスがわかる。



名前:トニスコ・ストリィト

年齢:54  レベル:3 

HP:47/47 MP:12/12 攻撃力:15(+1) 生命力:17(+1) 防御力:18(+1) 魔法力:5(+1)  素早さ:18(+1)  運:8(+1)《取得魔法》雷魔法《特性スキル》【先読み】《サブスキル》【予感】【十日先予想】


 【解析×2】の仕事によってウォルヒルはその全貌を把握する。


「わかったよ父さん、【十日先予想】は十日先の未来に起きた出来事の中で知りたいこと一つを高い確率で知ることができるものなんだって!」


「な、なんだって!? それは凄まじい能力じゃないか! それが本当だったら大変なことになる。それって未来で起きることを変化させられるってことにならないか?」


「そうだね。でも一つのことにしか予想できない上に、現状だと3日に一回しか使えないみたいだね」


「そうなのか……少しがっかりだな。では予想すべきことを慎重に決めないとな」


「ああ、その通りだね」


 すると母カールライが報告してくる。


「母さんは栽培倍速が凄く上がったみたい!」


「それは凄い! 畑の収穫が上がれば食料の心配が減るね。さすがは母さんだ」


 【万能収納+α】【解析×2】で調べるとウォルヒルに以下のことがわかる。


名前:カールライ・ストリィト

年齢:53  レベル:16 

HP:28/28 MP:51/51 攻撃力:8(+1) 生命力:14(+1) 防御力:12(+1) 魔法力:15(+1)  素早さ:16(+1)  運:14(+1)《取得魔法》植物魔法《特性スキル》【植物栽培】《サブスキル》【栽培倍速×3】


 母には後方で食料生産を行ってもらおうとウォルヒルは考えた。

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