四 訪ねて
国王陛下に、姫様の呪いを解くと誓ってから、ぼくは早速動いた。
白猫になった姫様と一緒に街中を歩いていた。只、歩いてるのではない。
学友のユヴェを訪ねるために。同じ魔女見習いのクラスメイトなんだけど、解呪が得意分野って言ってたし……。
早速、友達に頼ってるのは誓いの手前、気が引けるけど……そうも言ってられない。
ふと、白猫になった姫様が「二ァァ〜」と鳴く。
考えから、ハッと我に返ると、ユヴェの家が通り過ぎていた。
まずい、まずい……。
「ありがとう、エリー……」と白猫(姫様)にしゃがんで礼を言う。
来た道を戻ろうとすると……あれ? と、見覚えのある二人がこちらへ歩いてくる。
すると向こうも気付いたようで、声を掛けてきた。
「あら? ノアじゃん?」と真っ先に呼び掛けてくるのは友達のセレアだ。
「こんにちは、ノアさん」とおしとやかに挨拶するのはティリス。
ぼくは「二人共、こんにちは」と挨拶を返した。
「猫! カワイイじゃん!」
セレアは白猫(姫様)に気付くと近寄る。
「ニャ……」と白猫(姫様)はぼくの後ろに隠れた。
「ノアさん、猫さんと街中を散歩ですか?」とティリスは聞いてくる。
「これから、ユヴェを訪ねようと思っていてね」
「ユヴェさんなら……わたし達も訪ねたのですが……居なかったんですよね……」
「えっ……」ぼくは、居るものと思ったので。内心驚いていた……。