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僕は妻のすっぴんを一度も見た事がない!

作者: 七瀬







僕の妻とは? 付き合って1年で結婚した。

妻は気が利くし優しい、誰とでも上手くやれるステキな奥さんなのだけど?



だが僕は妻のすっぴんを一度も見た事がない!

小旅行に二人で行った時も、僕より遅く寝て僕より早く起きていた。

いつもしっかりしたメイクで、綺麗だと僕は想っているのだが......。

僕の妻のすっぴんを知らないのも怖いモノだと思うようになる。

動画で、“メイクの時とすっぴんになった顔がまるで別人の顔”と言わん

ばかりのメイク映えする女性達が映っていた動画を僕は見てしまったからだ。

もし妻が? そうだと思うと眠れない日々を過ごす事になっていった。

妻は何故? 僕にすっぴんの顔を見せてくれないのか?

妻に何気に、“一緒にお風呂に入らないか?”と誘ってみると、、、?

今、忙しいから先に入ってとやんわり断られる。

“昔の写真を見せてほしい”と僕は妻に言うと、、、? 

“昔の写真は嫌いだから全部捨てたと”言われてしまう。






こうなると? 益々、妻のすっぴんが見たくて仕方がなくなった。

それに、【整形疑惑】まで考えるようになる。

今の美しい妻は偽りで、本当の妻はかなりブサイクな女なのかと疑う

ように僕はなっていく。

勿論! 見た目が好きになった訳じゃない!

妻の中身が僕は好きなんだ。

でも? 妻のすっぴんが気になって仕方がないのも正直なところ。

僕は見てみたい! 妻のすっぴんをこの目で見てみたいんだ!




例え、これが原因で“離婚”してしまっても僕は妻のすっぴんがみたい!

知り合ってから今まで15年目になるのに、一度も妻のすっぴんを見た事が

ない夫がこの世の中に僕以外にいるのか?

“いつも完璧なメイクの妻もいいのだけど、すっぴんの妻も一度でいいから

見てみたい!”




勿論だが、大きくなった子供達も妻のすっぴんを見た事がないと言う。




『なあ、薫のすっぴんお前達見た事があるか?』

『えぇ!? ママのすっぴん、そういえば見た事がないな~』

『だってママって! いつも一番最後に寝るのに、一番早く起きるじゃん!』

『ひょっとして、パパ? ママのすっぴん一度も見た事がないとか

言わないよね?』

『・・・あはは、まあ、一度も見た事がないんだ。』

『えぇ!? 嘘!?』

『すっぴん見た事ないのに、ママと結婚したの?』

『でもな、ママは性格もいいしメイクをしているママは凄く綺麗だろう!』

『それとこれは違うんじゃない?』

『こうなったら、ママのすっぴん見たいよね?』

【見たい!】

『じゃあーママのすっぴん、皆で見ようよ!』

『でも、どうやって?』

『ママよりも早起きするのよ!』

『まあ、それしかないか。』

『今日の、PM4時にパパとママの寝室に集合ね!』

『よし! “皆でママのすっぴんを見るぞ!”』

【おーう!】







・・・という事で、娘たちと僕で妻のすっぴんを見ようと計画を

立てることにした。

そしてその時間が迫ってきたのだが。

僕はウトウトしてしまい、気がつくと寝てしまっていた。



『ねえねえパパ、起きて! パパったら、早く起きてよ!』

『うーん、もう時間か?』

『ママが居ないの!』

『えぇ!?』


【ガチャ】


『こんな時間に皆、何してるの?』

『ママこそ!』

『お弁当の食材がなかったから、コンビニ行ってたの。』

『えぇ!?』

『メイクして?』

『そうよ、悪い?』

『・・・ううん!』






結局、妻のすっぴんを見る事が出来なかった。

でも? “僕は死ぬまでの間に妻のすっぴんが見れたらいいなと

思うようになっていた。”

だって! 僕は妻の見た目が好きで結婚した訳じゃない!

妻の中身を僕は好きになって結婚したんだから、死にまで妻のすっぴん

が見れなかったとしても後悔はないかな。



最後までお読みいただきありがとうございます。

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[一言] 見たがりますねえ~!!(^^;)
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