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俺が世界を救うまでの物語  作者: 椎尾光弥
第一拠点 始まる物語
50/56

α-050 ダンジョンの外で

アンチコメ→作者が喜びます

プロコメ→作者の創作意欲が上がります

評価、ブクマ→作者が一番喜びます


ストーリーのアドバイス→無視です

文章のアドバイス→ありがたいです


「とお、ここのつ、やっつ、ななつ、むっつ、いつつ……」


 ライゴウが小さな声でカウントダウンを始める。


「おい、5つ数える間に答えろ。渡すのか、渡さねぇのか。こちとら仲間が1人やられてんだ。ほぅれ、よぉっつ、みぃっつ、ふたぁつ」


 盗賊の頭(仮称)も、大きな声でゆっくりと指折り数え始める。奇しくも2人の秒読みは一致し———


「ひとつ。コレが答えでござるっ!!!」


 ライゴウが手のひらを前に出し、カウントを終える。それと同時に俺とシロ下へとは転移。ライゴウの手のひらからは、灼熱の炎が噴き出る。


「ひとぉ何っ!?」


 盗賊の頭は目の前の炎に驚き、避けるままなく火だるまに。息も灼かれて断末魔も出せないか。


「頭ぁ!! おい、殺っちまえ!」


 隠れていたのか、盗賊どもがライゴウを囲むように陣を作る。


「おお! こうもわらわらと! よろしい、お相手いたす!」


 ライゴウがハカを振るい、氷原に赤い華が咲く。


 ……うん、問題無さそうだ。俺達は俺達の仕事をしよう。


「シロ、船に敵は?」


「見える限りは銃座に1人。障壁を張って突っ切ります。乗ってください」


 シロは杖を横向きに浮かせ、横座りになるように座る。俺は重心を安定させるために反対向きに乗る。


「では、行きますよ」


 杖が加速し、身体が後ろに持っていかれる感覚。雪煙も立たず、氷原を滑るように船へと進む。


 と、後方で複数の爆発音。何事かと振り向けば、魔法弾が氷原に着弾した音だ。どうやら、船の銃座にいたヤツがこちらに気付いたらしい。


「船ごと切っちまうか?」


 面倒臭いし。ライゴウに頼まれたアイスバードは、船の近くに囚われているとはいえ、巻き込みそうに無いしなぁ。


「いえ。足になりそうですし、そのままいただきましょう」


 素晴らしい提案だ。さあ、盗賊への第一歩だ! まぁ、前世で散々同じような事をしたので、抵抗はない。それが世界を救う手助けになるのなら、前世の贖罪にもなるだろう。


「じゃあ、砲座を頼む。俺は船内を偵察してくる」


 という事で、二手に分かれたのだが……


「終わりました」


 さいですか。

 シロが砲手の頭をピンポイントで吹き飛ばしたので、結局2人で船内へ。


「初めまして! 死ね!」


 船内に入ってすぐ、武装したゴロツキとエンカウント。

 ちょうど良い機会だったので、人生で言ってみたいワードトップ10のひとつを消化する。


 剣の柄で鳩尾を突き、そのまま顎へとアッパーカット!

 鋭い刃と猛毒のおまけ付きだ!


「うぎゅぅうぇぇぇぉぇあ……」


 ビチャビチャとドス黒い血を噴き出し、ゴロツキは倒れ伏す。そのまま肉体が溶けていくのを見届けた。


 掃除が大変そうだなぁぐらいにしか思わない俺は、とっくに人殺しへの抵抗を失ったようだ。


「苦しみなく殺してあげて下さいよ」


「いや、まさか腐食系の毒とは思わなかった」


 もっとこう……青酸カリ的な、数秒で死ぬヤツ。あ、でも魔石を落としたのがアレだからなぁ。気付けた事か。


「さて……敵はもういませんね。いくつか死体はありますが」


「動くヤツか?」


「いえ、完全に死んでいると思います。下に降りて船首へ2つめ、左の扉です」


 シロの情報を頼りに、近くの梯子を降り、そのまままっすぐに進んで2つ目の左手側の扉を開ける。


「なんだこりゃ。食肉保管庫か? 死体って肉の事かよ」


 扉の先は霜が降り、天井から枝肉らしきモノが3つ吊るされている。


まぁ、敵じゃ無いだけマシか。いや、そもそも盗賊の船に動く死体が乗ってるはずも無い、か。


「私は食べたくありませんが、まぁ、間違いでは無いですね」


 な〜んか、含みのある言い方だな……ま、アナライズすればいっか。


《人肉:第二拠点に向かう途中、サバイバーに襲われた哀れな密輸業者の成れの果て》


「うっ………!!」


 急激に、吐き気が込み上げて来る。だが、ここで吐くのは死者に対する冒涜だ。喉を締め、無理矢理吐き気を抑え込む。


「アナライズしましたか……先にも言ったでしょう? 知らなくて良い事があるって」


 シロが、呆れた口調でモノを言う。いかんせん冷たい言い方だが、表情は怒りと悲しみを隠しきれていなかった。


「実感したよ。……シロ」


「何ですか?」


「この人達、第二に送り届けような」


「……そうですね」


 俺は、ゆっくりと扉を閉めた。




 外に出て、ライゴウの奮闘を見学する事にした。こっちはやる事をやったし、何より崩落の贖罪にもなるだろう。


 遠目から見た戦況は、1対7。もう10人削ったらしい。


「おぉ、強いなぁ。敵さんは……あれ、意外と善戦してる?」


 ライゴウの技は派手だが、敵さんにはあまり効いていないご様子。むしろ物理で殴った方が良い気がする。


「どうやら、精神力を消耗しすぎたようですね。若者にありがちな慢心です」


 チラリと、こちらを見るシロの視線が刺さる。


 ごめんなさい。心当たりがあります。


「もしかして、割とまずい状況? 助けに行くか?」


 命と謝罪。どちらが重いからと言えば、普通は命だ。

 まぁ、この世界で命はかなり軽い部類だが。


「大丈夫ではないですかね。腰に佩いているモノがあるじゃ無いですか」


 あぁ、コテツだっけか。魔法やら呪いの武器なんかより、よっぽど良いと思うけど……


「いんやぁ、アイツは抜かないさね」


「えぇ? 何でだ……って、誰だ!」


 不意に聞こえた明るめの声。普通に質問してしまったが、気配も音も出さずに近づいて来た存在。ロクな相手じゃ無い。


 腰から短剣を抜き、左手に障壁で盾を作る。後は背後の警戒に鎖を展開。俺が今できる、即席の限界態勢。


「おっと、敵意は無いよ。ちょ〜っと様子を見に来ただけさね」


「様子?」


 ちょっと情報が欲しい。


「そっそ。アレだよ。あの、傘被って戦ってるヤツ。あんたらは、なんだい、仲間かい?」


「まぁ、そんなところだ。……俺はクラビス、こっちはシロ。あんたは?」


 名を名乗るなら、自分からってね。"敵意は無い"ほど信用できない言葉も珍しい。……が。それは絶対では無い。ならば、歩み寄りの姿勢が大切なのだ。


「おっ、礼儀が良いねぇ。アタシの弟子とは大違いだ。さて、名前ね。アカって呼ばれてる。今後会う機会があるかもしれないね。とりあえず、よろしく!」



 はい、皆さんこんにちは。作品です。

 やっと50話目ですね。まぁ、特にこれといってお話しする事もありませんが。


 あ〜早く第二章に入らないかなぁ……

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