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俺が世界を救うまでの物語  作者: 椎尾光弥
第一拠点 始まる物語
46/56

α-046 戦闘と休息

アンチコメ→作者のレベルが上がります

プロコメ→作者の創作意欲が上がります

評価、ブクマ→作者が一番喜びます


ストーリーのアドバイス→無視です

文章のアドバイス→ありがたいです

「いざぁ!!!」


 先手を打ったのはライゴウ。ハカを、腐り猪の脳天目掛けて振り下ろす。


 が、猪はバックステップで難なく躱す。からぶったハカは床を打ち、「ゴウ」と炎の華を開かせる。


 猪がその隙を好機と捉えたか、頭を低くしてライゴウに突撃。懐に飛び込み、折れていない片牙で心臓を突かんと頭を振り上げる。


 ライゴウは、空いていた左手で咄嗟に牙を掴み、右にゴロリと回転。その遠心力を用いて、猪の腹にハカを打ち込む。


 猪の左腹が吹き飛び、腐った内臓らしきゲル状の液体が溢れる。それと同時に猪が発火。まぁ、当然か。


 この間、約3秒。素晴らしい、惚れ惚れする攻防だ。猪の知性が失われているとか、絶対ウソだと思う。


 っと、見惚れている場合じゃ無かった。俺の相手は……1,2,3,4,なるほど、6匹か。なら、あの技を試してみよう。


 俺は、金色魔法で鎖を6本展開。その鎖を、獲物である笑う生首2つと、哀れな冒険者4体に巻き付ける。


 良し、第一段階は上手くいったな。ノーティアのおかげか、鎖の操り方も上達したか。


 次に俺は、右手に魔力を集中させる。これは、失敗すれば身体が持っていかれる魔法……いや、技だ。良くても腕の1本は免れないだろう。


 しかし! 危険を侵さずに実利が得られるのはフィクションのみ! 今やらねばいつやるのか!


 俺は覚悟を決め、充分に魔力を込めた右手で空間を掴む。


「んん! っせやぁ!!!」


 そのまま、引き剥がすように空間を破る。


「—————————!!!!!!!!!」


 聞こえぬ不快な音。こちらを引き込もうとする引力。見るだけで呑まれる感覚を覚える空間が、姿を現す。


 空間の名は、ボイド。無限が存在し、こちらの空間の裏側に位置する不安定な多次元空間。要は危険地帯である。


 よぉっっし!! 第二段階も成功! あとは、この空間にあいつらを引き込めば……!


 鎖を引っ張り、首と死体を、引き裂かれた空間に無理矢理ぶち込む。空間の裂け目の裏側から引き入れる事になるが、特に問題は無い。無いはず。たぶん、おそらく、メイビー。


 しかし、引っ張った鎖の感触は存外に軽い。


「ゲグルクゥゥゥゥウアアァ?」「ゲッゲゲゲwww!?」


 死体達が、意味がわからないというような声を発する。

 そう、体が脆かったのだ。鎖は肉と骨を引きちぎり、やはりゲル状の何かをぶち撒ける。


「チッ……4体残しか」


 思わず舌打ちをする。


 が、まぁ、首はそのままボイドにダンク! できたので良しとしよう。存在そのものが引き裂かれて消滅するだろうが、笑って死ねるんだからアレには勿体ない最後だ。


 開いた空間の裂け目は、引きちぎった空間を元通り重ねる事で閉じることができた。コレを忘れるとヤバいことになるらしい。


 ……やってみたいな。


「何をしてるんですか……っと。えいっ」


 シロがこちらを横目に、光の条を悪霊と機械に放つ。


「オオォオォォオ!!!」「!????!?!」


 光に触れた悪霊は絶叫し、霧散する。機械は音も発さずに消滅。


 ついでなのか、ライゴウにまた襲い掛かろうとしていた猪にもう一条。


 ライゴウを掠め、燃える猪の脳天から尻へと光が突き抜ける。


「ぬぉっ! やり方はどうあれ、助かり申した!」


 ライゴウの、憤慨と感謝を天秤に掛けたような叫びが聞こえる。可哀想に。


 当のシロ本人は、特にそれ以上興味が無いのか、他の敵の様子を見ていた。


 残るは、上半身だけが残った4体の死体のみ。


「では、後は任せました」


 シロは我関せずとばかりに傍観の姿勢。まぁ、信頼してくれているのだろう。俺も、ライゴウも。


「じゃあ、左の2体は俺が」


「ならば拙者は右か」


 ライゴウと短く会話を交わし、斬りかかる。


 動かない腐肉など、ただのサンドバッグである。

 俺は1体ずつ8等分に。ライゴウはミンチにしたようだ。


 かくして、今ダンジョンの初戦闘は幕を引いた。


 戦闘時間はものの数秒。おかしい、敵は少なくとも10はいたんだけど。というか、シロだけで殲滅できるんじゃ……


 血払いをしながら、そんな風に思った。剣道者に"雑念を持つな!"とか言われそうだが、短剣だし。竹刀や真剣じゃ無いからセーフ。


 ライゴウは、血払いをせずに腰に収める。いや、する必要が無いのだろう。着いた肉片や血が、熱によって蒸発していた。


 非常に嫌悪感を抱く臭いがしました。


「お疲れ様です。さあ、先に進みましょう」


 俺達が武器を収めたのを見て、シロが先を示す。


「……ちょっと休もう。疲れた」


 あの技、めちゃくちゃ疲れる。結構な魔力を持ってかれた。まぁ、空間に干渉するんだから当然か。


「拙者も賛成でござる……」


 ライゴウも、少し疲れた声色で同意を示す。


「そうですか? では、お茶でも淹れましょう」


 シロはすんなりと承諾。杖と同じように虚空からティーポットを取り出す。割としっかり休憩するようだ。


ニグルムティー(紅茶)でござるか?」


 あ、バインディアの言ってたニグルムなんとかって、紅茶の事か。ノーティアのおかげで翻訳の精度も上がったのか。


「そうですが……あぁ、仙人族の方でしたか。すみません、そちらの茶葉は切らしてまして……」


 シロが納得したように頷き、バツが悪そうに頭を下げる。

 仙人族は紅茶を飲まないのだろうか?


「いやいや、拙者は確かに仙人族であるが、紅茶の方が好き故。問題は無いでござる」


 別にそんな事は無かった。あともう、紅茶って翻訳されてるー!


「そうですか? ではどうぞ。クラビスも、どうぞ」


 シロがカップに紅茶を注ぎ入れ、ライゴウと俺に手渡す。

 浮かべて渡さないあたり、丁寧さが感じられる。


「辱い。有り難く頂戴するでござる」「ありがとう」


 ライゴウ、めっちゃ丁寧に感謝するやん。

 俺も感謝の言葉を考えた方が良いかも知れない。


 さて、紅茶だが、ライゴウは一気飲み。風情も丁寧さの欠片も無ぇ。俺の感嘆を返せ。


「うむ! ……良い茶葉だ!」


「それは良かったです」


 あ、味ではなくて茶葉を誉めるのね。


 それと、一瞬だけ、若干だがライゴウが顔をしかめた。

 まぁ、本当に一瞬だったし、紅茶が熱かったのかも知れない。今、いつかの飯まずフラグを回収しなくて良い。


 シロを一瞥し、少しだけ紅茶を啜る。


 ……………不味くは無い。前の世界で例えるならば、ティーバッグを入れっぱなしにした紅茶。そんな渋みを感じる。


 まぁ、甘味と旨味は感じるし、特に飲めないわけでも無いので問題は無い。良い茶葉ってのはそういう事だろう。


 という訳で一気飲み。この手に限る。


 舌の奥に残る渋みで顔をしかめそうになるが、鉄の意志で表情筋をねじ伏せる。そんな事をしようもんなら、また味覚を奪われかねない。……もっと酷い事になるかもだが。


「ん、ごっそさん。美味かった!」


 なので、笑顔で感想を伝える。どっちが美味かったとは言わない。


「それは良かったです」


 存外、シロは嬉しそうに応える。ライゴウとは、若干違ったトーンだったが、特に意味は無いだろう。……そういう事にしとこう、そうしよう。


 余談だが、帰ったらバインディアに紅茶を淹れてもらおうと、密かに心に誓った。

 はい、皆さんこんにちは。作者です。

 今回は3000字近かったですね。終わりがけの、紅茶のシーンが書いてて楽しかったです。


 はぁ……いつ終わるんでしょうね、コレ。


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