α-038 ノーティア
アンチコメ→作者のレベルが上がります
プロコメ→作者の創作意欲が上がります
評価、ブクマ→作者が一番喜びます
ストーリーのアドバイス→無視です
文章のアドバイス→ありがたいです
「あら? 隣の方はどなたですか?」
シロが、ロケットの家族写真の隣。要は蓋の部分に彫り込まれた女性について聞く。
パテラスの三角帽子とよく似た帽子を被り、口元は笑みをたたえている。魔女、といった感想だ。
「あぁ、俺の1人目の師匠だ。エキスティンクションより前から、下手したらラグナロクの生き残りだとかなんとか言ってたなぁ」
尊敬の眼差しを宇宙に向けながら、パテラスが懐かしむように言う。
『シロ、エキス何ちゃらって?』
『…………………私が答える事は出来ないです』
すっごく嫌そうな声色ですねぇ。これは粘っても聞き出せないヤツっぽいな。
『じゃあ、ラグナロクは?』
『第二世界の崩壊と、それに伴う神々の戦の時代の事です』
あ、すんなり教えてくれた。でも、何年前の話なんだか。
「じゃ、その帽子はその人から貰ったのか?」
女性の歳の話は怖いからね! 無理矢理でも良いから話題を逸らさなくては。
「まぁ、そんなとこだ。俺には、重すぎる帽子だったがな」
パテラスが帽子の縁を指でなぞる。
「……さて、昔話は終わりだ。子供は寝る時間だぞ」
「子供じゃねぇが?」
気持ちはね。
あとシロさん、ちょっと嬉しそうだけど実年齢幾つでしょうかね?
「俺から見りゃ、十二分にガキだ。人の過去を余計に散策してる内はな」
ぐっ……何も言い返せねぇ。人生経験が足りねぇ。
「ぐぬぅ……はぁ、良い夢を」
「あぁ、良い夢を」
そのまま、背を向けて帰ろうとして———ちょっと待った。
「そういや、何でイカサマのクジ引きなんてしたんだ?」
「チッ……やっぱバレてたか。理由は簡単、あの悪魔と娘と行動するのが憚れるからだ」
あーね。
「特に、娘の方に敵視されてる気がするからなぁ。あっちの悪魔は色んな意味でヤバい」
で、その結果。シロが遊んだおかげで、見事にバインディアと組になったと。哀れ、実に哀れだねぇ。
「ふっ……寝る前に面白い話が聞けた。じゃ、今度こそ良い夢を」
鼻で笑って、おやすみの挨拶を送る。そのまま飛び降りて……後悔した。
わぁ、この高さのこと忘れてたぁ。
そのまま自由落下。目測でビル10階程から飛び降りた感じだ。腹の辺りがヒウッとする。
すっごく既視感を感じる。多分、頭からだったらその既視感は確実なモノに変わるんだろうなぁ。幸いと言うか何というか、足から着地できそうだけど。
「ふぬぅっ……!!!」
まぁ、そんな事を考えている内に着地したようで。身体能力が10倍じゃなかったら、即死だった。
「んぁ……あれ? 視界が……」
どうやら、着地の衝撃が強かったらしい。脳震盪だろうか。耳鳴りと目眩がする。
膝を突き、後から来る足の痛みに耐えられなくなる。
地面が冷たい。全身から力が抜ける感じがする。
意識が遠のく中、右手の親指にある指輪だけが見えて——
◇ ◇ ◇
…………
…………………
…………………………
「っは、はぁ……」
目が覚める。目の前に広がるのは白い天井。
これは、あの言葉を言う他あるまいっ!
「知らない天井だ」
「天井は無いがな」
「っ!!! っつ〜〜〜」
不意にした声に、脊髄反射で反応した結果、酷い頭痛が俺を襲う。
「誰だよ……」
俺は、声の主に抗議しようと、声のした方向を向く。俗に、八つ当たりとも言うが。
さて、そこにいたのは、銀の光。
いや、本当に。ソレ以外に言い表せないんだ。光の球でも無いし、ましてや人型でもない。光。強いて言うならモヤだろうか。
「誰だとは失礼な。会うのは2回目。時間にして10年は共に過ごしたと言うのに……」
銀の光は、やれやれと首を振る。光なのに、なぜかそういったジェスチャーは分かる。
「誰だよ」
「誰だとは失礼な。会うのは2回目。時間にして10年は共に過ごしたと言うのに……」
あれ、BOTかな? 久しぶりとか言えばいいのかな?
というか、俺は10年以上共に過ごした人はこの世界にいないのだが?
「あー、じゃあ、久しぶりだなっ!」
まぁ、とりあえず乗ってみる。10年も一緒なら、軽くて良いだろ。
「敬語を使え敬語を」
あんだとこの野郎っ! 大体この世界の翻訳では、敬語なんてほとんど無いだろうが!
「ふうっ……お、お久しぶりです!」
憤りを抑えて挨拶。さて、光がしてきた返事がコチラ。
「気持ち悪いな。やっぱり敬語じゃなくて良いぞ」
ぶった斬って良いかな。良いよね? 空間ごと切れるんだから、光も斬れるよね?
「せいっ」
短剣を抜き、一応軽〜く振り下ろして斬る。ま、当てる気はなかった。相手が避けなかっただけで。
「ふむ、やはり威力が弱いな。ま、良い機会か」
直撃したが、全く動じず。しかも威力について語り始める。確信した。アレには勝てない。即座に謝罪すべきだな。
頭を下げようと光の方を見るが、既にいない。
そして、こういうのは既視感がある。そう、転生した時の神様方の登場方法。つまり、
「おっと……気付きが良いな。勘はそのままか。いや、肉の記憶か?」
背後。光は近くに来たせいか、人型に思える影をとる。
コレ、神様的なヤツだな。敵意は感じないけど、警戒するに越した事は無い、か。
「それで、あんたは誰だ?」
「ふむ、本当に記憶が残っていないのか。まぁ、成功ではあるがいかんせん悲しいな……」
聞いちゃいねぇな。独り言をずっと言ってる。
「あ・ん・た・は! だ・れ・だ!?」
今度は大声で、ハッキリと聞く。流石に気付くだろう。
「そんな大声で聞かなくとも聞いているさ。私はギン改めノーティア。君に力を与えよう」
はい、皆さんこんにちは。作者です。
という訳でですね、今回ノーティアさんがいないのはそういう事ですね。
なので次回予告もありません。では、また〜




