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俺が世界を救うまでの物語  作者: 椎尾光弥
第一拠点 始まる物語
37/56

α-037 パテラス

アンチコメ→作者のレベルが上がります

プロコメ→作者の創作意欲が上がります

評価、ブクマ→作者が一番喜びます


ストーリーのアドバイス→無視です

文章のアドバイス→ありがたいです

 組分けも終わり、寝ようとする。


「クラビス。お話があるって、私言いませんでしたっけ?」


 デスヨネー。寝て逃げてしまおうと思ったが、そんな事は許していただけませんでした!


「忘れてない、忘れてないとも」


「……では、外で話しましょうか」


 シロが杖を出し、船の床を突く。コォンと綺麗な音が鳴った。


 転移した先は、サバイバーズキャンプの背の高い建物の上。氷原の万年氷が星々を映し、第二の宇宙を作っていた。


「ほ〜、綺麗だな」


 素直な感想を漏らす。ウユニ塩湖の写真を思い出した。

 まぁ、話を逸らしたいという思いもあったが。


「そうですね」


 シロが同意を示す。上手く話から意識を逸らせたようだ。

 しばらくの間、その景色を眺める。


「ありがとうございました」


 シロが一言だけ呟く。


 おそらく、意識を取り戻せた事だろう。

 俺じゃなくて、バインディアが治してくれたんだけど。


「お礼はバインディアに言ってくれ。俺は、特に何もしてない」


「……そうですか」


 シロが少し笑いながら応える。どことなく嬉しげだ。


「そういえば、ゼノビアの件は何だったんだ?」


 ふと、月食での会話を思い出す。パテラスに協力していた経緯について、話してもらう約束をしたのだ。


「アレですか。詳しい事は知りませんが、ゼノビアさんを無力化する弾が欲しいとおっしゃったので」


「協力したと?」


 シロがコクリと頷く。パテラスの怪しさレベルが上がった。


 ……でもなぁ、他の傭兵とかココノエも協力してたし。やましい気持ちでやったんじゃ無いだろうしなぁ。単に特攻させたくなかっただけか? いや、理由が無いな。


「何で、初めて会ったような人を助けようとしたんだろうな」


 しかも、自分とは違うリジェネ。


「そうですね……あ、そうそう。この世界で黒髪は珍しいんですよ」


 思案する俺を見てか、シロがポツリとそんなことを言う。


「俺も黒髪だけど、珍しがられた事無いぞ?」


「髪色で色々言う人が、この世界にいないだけです」


 なんて素敵な世界。日本人に、この世界の人々の爪の垢を煎じて呑ませたい。


「……ところで、なんでいきなり?」


「ちょっとしたヒントです」


 ヒント? 黒髪が?

 黒髪と言えば優勢遺伝か。ハーフの子供は、黒髪になりやすいって言う。


 ……そういえば、ゼノビアは黒髪だし、パテラスも白髪が多いけど黒髪だな。


「ん? あれ、パテラスって探し人がいるって言ってたよな」


「言ってましたね」


 ほうほう。そして嫁さんがいる事も、いつか聞いたな。確か、ロケットにその写真が入ってる的な事も。


「あっ」


「気付きました?」


 確信は持てないけど、そうだったら辻褄は合うか。


「何で打ち明けないんだろうな」


「……捨てた子供に、どんな顔して会えば良いと思います?」


 それもそうか。


「おい、嬢ちゃん。余計な詮索はしなくて良いんだ」


 不意に、背後から声がする。パテラスだ。全く気が付かなかった。


「ここ、結構高いと思うんだけど」


「ふん。高いところに音も無く、素早く登らなきゃあ、スナイパーなんてやってらんねぇよ」


 パテラスが鼻で笑いながら、腰を下ろす。


「盗み聞きですか?」


「まぁ〜、ちょっと気になったんでな。老人の出来心だ」


 影も無いのに、どうやったのか甚だ疑問だが。


「で? 本当なのか?」


 言われた手前、詮索は良くない。良くないが、そう言われたら散策するほかないでしょ!


「………………まぁ」


『言質いただきました』


『でかしたシロ!』


 パテラスの一言に、念話で反応。もちろん俺もシロもポーカーフェイス。シロとの親密度が上がった気がする。


「上の方は、薄ら気付いてそうだがなぁ。いや、聞きたいのはそこじゃないか……」


 パテラスが溜め息を吐く。白い息が空に溶ける。


「何で捨てた?」


「捨てたくて捨てたんじゃねぇ。出来れば、俺も一緒にいたかったさ。愛する妻との、俺達の宝物だ」


 パテラスが、過去を悔いるような顔で吐き捨てるように言う。怒りも混じっているのか、声が震えている。


「詳しくは言えんが、まぁ、暮らしていた所が襲われたんだ。そいで、旧友の悪魔に頼んで育ててもらったってトコだ」


 パテラスは、首元のロケットを見ながら噛み締めるように、一言々々絞り出す。


 悪魔……バインディアか。確か、契約とか言ってたしな。旧友ってどういうことなんだか。まぁ、そこら辺はどうでも良いか。


「……何を、対価にしたんだ?」


「寿命を少しと、子種。それと……嫁の名前だ」


 うわぁ……中々に重たいモノを。悪魔って言っても、淫魔だからなぁ。妻子持ちでソレは寿命よりキツイかもしれない。


 名前も、かけがえのないモノだろうに。思い出よかマシかもしれないが。


 この話は切った方が賢明だな。他の話題は……あ、ロケット。ちょうど良いや。


「あー、ところでそのロケット。万年氷で開かないって言ってたけど、開くんだろ?」


 万年氷は、魔力を抜くと液化する事は分かってる。熱する方法もあるみたいだけど、条件がイマイチ分からん。鍋では溶けたのに、あの戦火で一切溶けてる気配がしなかったし。


「凍りついてすらいねぇよ。そういう金属でできてる。ほれ、これが俺の嫁さんだ」


 パテラスが、ロケットを首から外して中を見せてくれる。俺とシロは覗き込み、その写真を見る。


 右側に写っている女性だろう。

 栗色の髪、犬らしき耳、顔はゲームとかで見る、犬の獣人のような顔。凛々しさと柔和な雰囲気を感じる。


 白衣を羽織り、腕に抱いた赤子に慈愛の目を向けている。

 赤ちゃんの髪は母親と同じ栗色。犬耳は無かった。


 パテラスは笑顔。女性の左肩に腕を回し、右手で赤子の頭を撫でている。白髪もなく、若者といった風貌だ。


「綺麗な人だな」


 素直な感想だ。見ていて癒されるとかでは無く、偶像崇拝的な綺麗さだ。


「良い、家族だったのですね」


 パテラスは、答えなかった。ただ少しだけ三角帽子を傾けて、目を隠した。

 はい、皆さんこんにちは。作者です。

 ノーティアさんは休暇です、はい。


 まぁ、今回話すことは特に無いのですが。

 次回は今回の続きです。では、また。

 

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