α-036 サバイバーズキャンプ
アンチコメ→作者のレベルが上がります
プロコメ→作者の創作意欲が上がります
評価、ブクマ→作者が一番喜びます
ストーリーのアドバイス→無視です
文章のアドバイス→ありがたいです
氷原を進む事丸1日と半分。
サバイバーズキャンプに到着した。
時刻は夜。月が出ていた。
船のエンジンは、燃料とも言える赤い水晶……赫魔石とやらがただの石になってしまい、これ以上進む事ができない。
キャンプに着いてから御釈迦になった事については、不幸中の幸いだったかもしれない。
まぁ、そんなわけで足がなくなった。そして、石になったとはいえ、赫魔石はそれなりの値で売ることができる。つまり、することといえば
「美味いっ!!」
そうだね腹ごしらえだねっ!
俺達は、サバイバーズキャンプの門から入って、すぐの所にある宿屋に入った。先客がいて泊まることは出来ないが、飯ぐらいは出してくれるという。
「嬉しい事言ってくれるねぇ。ま、それの作り方は教えてもらったモノだけどね」
宿屋の女将が、軽快に笑いながらお代わりを持ってくる。
目の前にあるのは、"鳥ガラ野菜炒め"というモノらしい。味は上々だが、色合いは白と青という中々にゴキゲンな料理だ。
というか、この世界の食材は白、青、の物がほとんどだから仕方ないのかも知らない。
「ん? どうしたクラビス。要らんなら貰うぞ?」
俺の取り分を狙うパテラス。因みに、彼とココノエ、俺は箸で食っている。なんでも、仙人族が箸で食うから置いているんだと。
「やらねぇよ! ……その、なけなしの金でこんな事してて良いのかなって」
ここから第二拠点まではかなりの距離がある。歩きで行くのは自殺行為だ。
「俺の師匠が言ってた格言がある」
パテラスがドヤりながら言う。おっさんのドヤ顔に需要は無い。心からやめて欲しい。
「……なんだよ」
「腹が減っては戦はできぬ、だ!」
……コッチでもその格言あるんだー。というか、パテラスに師匠なんて居たんだ。
「へぇへぇそうですか。……そういや、バインディアは?」
キャンプに着いて、どこかに行ったきりだ。
「ったく……歳上を敬えってんだ。あいつなら、食事に行ってんだろ。魂まで食い尽くして無けりゃ良いがな」
また物騒なことを。……いや、悪魔って言ってたし、有り得ないとは言い難いか。
「因みに、何食うんだ?」
「精気だとよ。元々は、夜に男を狩ってたらしいがな。金と引き換えに、色んな味が楽しめる事を覚えてからは、娼婦の真似事だと」
あぁ、サキュバスって事ね。寝る時、枕元に牛乳置いとかなきゃな。コッチに牛乳があるのか、甚だ疑問だけど。
「一応言っておくが、私の育て親だぞ? それと……」
ゼノビアが、拳を固めてパテラスをぶっ叩く。
「痛ってぇ!?」
パテラスが悲鳴を上げる。
「食事中だ」
あっ、あー。
ココノエは黙々と食べているが、シロとゼノビアの目がヤバい。汚物を見るような目をしている。
『あの、シロさん?』
俺は、即座に念話でご機嫌取りモードに移行。あの目は、リタリア工務店で一回見た目だ。今回は味覚を奪われるだけじゃ済まない気がする。
『後でお話ししましょうか』
すっごく明るい声で返事をされた。底知れない恐怖を感じる。もはや思いっきり殴ってくれた方が良かった。
「美味い!!」
ココノエの声が遥か遠くから聞こえる気がする。凄いメンタル。さすが盾役。
◇ ◇ ◇
「さて、明日からどうする?」
宿屋を出て、船に戻ってきた。寝る場所がここしか無いのだ。外で寝れば、凍死する事は目に見えてるから仕方ない。
「どうするったってクラビスよ、金を稼ぐしか無いだろ」
パテラスが呆れたように言う。
その方法が知りたいんだよ。
「キャンプで金策をするなら……そうだな、サバイバーズギルドで依頼を受ける、強奪、密猟と言った所か。遺跡はないしな」
ゼノビアが物騒な選択肢を並べる。それは3択では無い。1択だ。
「ワタクシが稼げる金額も、1人あたり金貨3枚が限界ですわね」
バインディア、本当に黙ってて欲しい。なんか知らないけど、シロさんからの圧力が俺に掛かるんだ。
因みに、バインディアは金貨2枚を携えて戻って来た。俺達が食事をした宿から、少し進んだ所の宿主と食事をしてきたらしい。
太くて食べ応えはあったが、薄味だったとの事。いらねぇよその情報。誰得だよ。
「……えーっと、サバイバーズギルドってのは? 冒険者ギルドみたいな感じか?」
「概ねそうだな。ドッグタグも共通で使える。違いは依頼内容だな」
ゼノビアが言うには、対人専門依頼か総合的依頼かの違いらしい。
リジェネは基本的に、殺人はNGだ。が、サバイバーには関係ない。怪物駆除、殺人依頼、ダンジョン探索、護衛依頼、強奪依頼、納品依頼など、多岐に渡る。
怪物駆除と強奪依頼が圧倒的に多い事が大半らしい。このキャンプは比較的に平和的陣営なので、納品依頼と怪物駆除が多い。
補足だが、シーカーズギルドのようなダンジョン手続きは要らないらしい。アレは、大型ダンジョンに必要なのであって、小、中型ダンジョンは自己責任だと。
「じゃあ、納品依頼と怪物駆除を中心に金策。溜まり次第、第二拠点を目指す方向で」
よーし決定と手を叩く。そこに物申すはパテラス。
「それじゃあ、やる気がでねぇなあ」
「じゃ、どうしろってんだよ」
パテラスが、待ってましたと言わんばかりに喋り出す。
「賭けをしようぜ」
「賭けぇ?」
ギャンブルで増やすと? 破産確実だが? 特にパテラスとか、"勝負師って顔してるけど競馬で外してるおっさん"にしか見えないけど。
「そう、賭けだ。2人1組に分かれて、その日1日の稼ぎを競うんだ」
「特典は?」
「ビリが1位のヤツらに、その日の夕食を奢り。もしくは、稼ぎの半分を渡す」
んー。まぁ、そのくらいなら士気向上に留まるか。夕食だけだし、減ったとしても銀貨数枚ってとこか。
銅貨1枚が10円として、銀貨1枚は千円。金貨1枚は10万円。あ、金屑っていう真鍮製の粒が1円ぐらいの価値だ。
「それぐらいの条件なら、良いかもな。……どう思う?」
他の仲間に意見を求める。
「私は良いですよ」
にこやかなシロ。
「私も、異論はないな」
闘志に燃えるゼノビア。
「某も特には」
割と楽しそうなココノエ。
「ワタクシも良いですわよ」
慈愛の笑みを浮かべたバインディア。
うん、反対意見はナシ。
「じゃ、それで。組分けはどうする?」
「クジを作ってある」
パテラスが、スッと6本の紐を握った手を出す。
既に準備していやがったな、このおっさん。
「んじゃ、俺はこれ」
俺が引いた紐の先に、色は無し。
「某はコレにしよう」
ココノエは青。
「では、私はこれを」
シロは白……ゲフンゲフン、色ナシか。
「ふむ、クラビスとシロが組か。では、私はコレにするかな」
ゼノビアは青。つまり、ココノエとペアだ。
「……てことは、俺とバインディアが組か」
パテラスが心底不安そうな顔をする。そんなに嫌ならクジにしなきゃ良かったのに。
因みにこのクジ、インチキである。ちょっとアナライズしてみたら、クジを握っている者が流す魔力量によって色が変わるという代物だった。
ので、俺は普通に抜いた。後は念話でシロにカラクリを伝えればOK。流石にビリは嫌だからね、仕方ないね。
シロは神族なので、そのくらいの調節はできるのだ。というか、その後面白がってクジの色を変えてた。シロが教えてくれた、パテラスの思惑としては
俺-ココノエ
パテラス-シロ
ゼノビア-バインディア
だった。俺のチーム、圧倒的に不利。バインディアとゼノビアをペアにしたのは、彼なりの配慮だろうか。ありがた迷惑感が否めないが。
「フフフ、明日が楽しみですわね」
バインディアが、パテラスに優しく微笑みかける。あの2人、仲良いな。どっかから視線を感じたが、気のせいだと思う。多分そう、部分的にそう。
やあ諸君! ノーティアだ!
本来なら今回から第二章だったが、作者が"第一章が短い!"とかのたまったせいで第一章続行だ!
まぁ、そういうわけで付き合ってくれ!
次回は……雑談回か。うむ、読み飛ばそう!
じゃあ、次回でな!




