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俺が世界を救うまでの物語  作者: 椎尾光弥
第一拠点 始まる物語
31/56

α-031 流れ星

アンチコメ→作者のレベルが上がります

プロコメ→作者の創作意欲が上がります

評価、ブクマ→作者が一番喜びます


ストーリーのアドバイス→無視です

文章のアドバイス→ありがたいです


「よう、どうだった?」


 船に戻ると、パテラスが声を掛けてくる。切り出した氷を溶かしたようで、船内にいた3人は茶を飲んでいた。

 俺は、置いてあった瓶をパテラスに手渡す。


「これだけ置いて、どこかに行ったよ」


 パテラスは"珍しい"とだけ言って、瓶の中身のにおいを嗅ぐ。


「獣油、にしては滑りが良いな。黄金油か?」


「使えるのか?」


「問題ねぇな。今日はもう暗い。明日、直して出発だな。……あぁそうだ。クラビス、お前の分だ」


 そう言ってパテラスは、青白く光る液体の入ったコップを渡してくる。


「……何コレ?」


「水ランプに入れて作った、光る水だが?」


 んー、なるほど? 害は無いのかな?


 ふと、ゼノビアの飲んでいる茶を見ると、若干光っている。つまり、飲料水であると。そういう事だ。


「……いただきます」


 飲んでみる。

 ……なんか、心が温まってく。


「その様子だと、大分精神が疲弊していたようだな」


 ゼノビアが、茶を飲みながら目線だけをこちらに向ける。


「どういう事だ?」


「光る水は魔素を多量に含んでいてな。精神力を回復してくれる。クラビス、お前は腕を削がれ、シロが意識不明になるという重圧を受けた。その結果が、精神力の低下だ」


 いまいち分からん。


「魔素と精神力になんの関係があるんだ?」


「そうだな……魔法の威力は放った者の魔力に依存する。魔力は、器だ。そして、精神力はその中身。厳密に言えば違うが、精神力とは魔素の事だ」


 つまりゲームで例えると、MPの最大値が魔力。MPが精神力って事か。光る水は、さながら魔法の聖水か。


「ふぅん。因みに、精神力が低下するとどうなるんだ?」


「下向きの気持ちになって、最終的に壊れる。なくなれば、自殺する者が大半だ」


 おっふ……思ったよりも深刻な問題じゃねぇか!

 そんな隠しステータスは求めてないです。


「ん? でも俺、魔法使ってないぞ?」


「怪我をすると、精神力が下がる。腕を失えば……わかるな?」


 なるほど。文字通り、死活問題だ。


「くぁ、あ……話は終わったか? 俺ぁ、寝る。早朝からエンジンの手入れするからな。見張りは任せた」


 パテラスは壁に背をつけ、三角帽子を目深に被る。

 すぐに、いびきをかき始めた。


「呑気なものだ……見張りは、どうする?」


 ゼノビアが、呆れたように言う。


 あ、そっか。この世界って、ほとんどの地が未開拓なのか。盗賊的な奴らもいるみたいだし。全員寝るわけにはいかないのか。


「俺がやるよ。寒い方が、腕の痛みが少ないんだ」


 あと、メニューに増えてた項目とかチェックしたいし。


「……そうか。では、言葉に甘えるとしよう」


 ゼノビアがそういうと、ココノエとニグリスも軽く頭を下げる。

 俺は、閉めたばかりの扉を開き、寒空の下に身を晒す。

 船の上に登り、腰を下ろす。


 さて、メニューに気になる項目があったな。


 俺は早速、メニューを開く。

 元々あったのは、着替え、スキルパネル、アイテムボックス。そこに、図鑑という項目が追加されていた。


「図鑑? まぁ、開いてみるか……」


 図鑑をタップすると、3つの項目が表示される。

 モンスター、アイテム、古代遺物の3つだ。


 なるほど、ほぼ役に立たない要素か。

 モンスターの情報は役立つか?

 俺はコンプ厨だが、本来の目的を達成した後のやり込みとして楽しむ方だ。よって、仕方なくチェックする。


「一応、チェックしないとな〜」


 まぁ、内心ウッキウキだけど。


 そして表示されるのは、リアルなモンスターの絵と情報。


 例えば、"ツチクレオーク"

 説明が長いのでまとめると、「ゴーレムの劣化品。知性が低い。単独行動。討伐すると土を得られる」

 といった旨が書かれていた。


 因みにだが、土は貴重である。大地は、万年氷とかいうメチャクチャ硬い氷だ。大陸があるかどうかすらわからない。

 少なくとも、第一拠点は土の上に建っていなかった。


 そして、気になるボタンが絵の左上に設置されている。


「戦闘……訓練?」


 押してみる。訓練だから、まぁ、大丈夫だろう。


 そう思っていると、いつの間にか白い空間に座っていた。

 なぜか、来たことがある気がする。


 目の前には、迷宮で戦ったツチクレオーク。

 咄嗟に身構えるが、左手が無い事に舌打ちをする。

 しかし、ツチクレオークが動く気配は無い。


「んん? いまいち分からんな……斬ってみるか」


 そう、ひとりごちて近づく。すると、いきなり棍棒が振り下ろされて———


「っ……はあっ! はぁ、はぁ……生きてる。生きてる?」


 気がつくと、元の場所に座っていた。

 つまり、戦闘訓練のボタンを押すと別の場所に飛ばされ、そこで死ぬと戻れるという事だろう。


「利用価値は……どうだろう。倒して、素材とか手に入るなら良いけど」


 何もないんだったら、ただのトレーニング施設みたいな感じになりそう。

 ……まぁ、いいや。スキルパネルでも見よ。


 メニューからスキルパネルを開くと、新しいスキルが2つ増えていた。


 "回転斬り"迷宮で覚えたヤツか。これ、技の部類じゃないのか? それとも技=とくぎみたいな方式で、スキル=出来る事なのか?


 "黒色技巧"……なんで増えてる。他の魔法とか増えてないのに、よくわからんヤツが増えてる。


 説明を見るに、影を通して物を移動させる効果があるらしい。つまり、ワープポータルを作り出せる……魔法? 技? ってことか。


「パテラスのいない方向から弾が出てきたのって、コレを使ったからか」


 確かに、仕事がら盗聴とかをするって酒場で言ってたな。

 ……極めようかな。いや、シロとかにバレたらヤバそう。こんな考えを持ってたら、また怒られる……現実逃避しなきゃ。



 ぼんやりとしながら、時間が過ぎて行く。


 視界の端に、流れ星が見えた。



 俺、何してんだろ。転生して、仲間が出来て……今は、腕を失ってる。武器は強い。でも、強すぎる。


 短剣を抜き、じっくりと見る。星空を映して、神秘性が増していた。


「クラビス、交代だ」


 どうやら、いつの間にか時間が過ぎていたらしい。

 ゼノビアが交代に来た。


「ん、あぁ……よっ、と」


 俺は船の上から飛び降りる。

 万年氷は、よくある氷と違って滑る事は無い。じゃなきゃ、俺は飛び降りない。


「何も無かったか?」


 ゼノビアが聞いてくる。何か話したい事でもあるのだろうか。


「流れ星を見つけた。後は、特に無い」


「流れ星か……何か願ったか?」


 ……コッチにも、そういう文化があったのか。


「いや」


「……そうか」


「じゃ、俺は戻るよ」


「ああ。良い夢を」


 おやすみじゃないのか。思えば、俺はこの世界に対して無知すぎる。だから、決意として返そう。


「良い夢を」


 


 

 やあ諸君! ノーティアだ!

 今回、言うことは特に無い!


 という事で、次回は戦闘回だ!

 じゃ、次回でな!

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