α-025 ゼノビアの過去(後編)
アンチコメ→作者のレベルが上がります
プロコメ→作者の創作意欲が上がります
評価、ブクマ→作者が一番喜びます
ストーリーのアドバイス→無視です
文章のアドバイス→ありがたいです
ゼノビアがカプルスを淹れ直し、席に戻る。シルコムドルセを1つ食べ、カプルスをすする事を3回程繰り返す。
ゼノビアが意を決したように口を開き、"気分が悪くなったら部屋の外に出てくれ"とだけ言って、淡々と話し始める。
「……目が覚めると、周りには獣化したリタリアと猫人の女の子がいた。少し時間がかかったが、2つ結びの子だと気づいた。"どうした、大丈夫か"と言葉をかけるが、目は虚で返事もない。
私はどうにかしてその子を助けようと、リタリアに声をかけて、気がついた。私達の身体に触手の管が数本突き刺さっている事に。体内に得体の知れない何かが注ぎ込まれていることだけは確かだったが、痛みは無かった。
だが、触手による拘束と管自体の拘束に加え、身体も言う事を聞かない。思えば、肌の感覚が無かった。私が起きた事に気づいたのか、触手は私を体内……体内で合っているかは分からないが、取り込んだ。
周りは黄色一色で、ウネウネと蠢く触手と、粘液か何かが立てる音が少しの空間を満たしていた。触手は腹と肩、足首以外の拘束を外して、そのまま私を放置した。少しして、リタリアの声が聞こえたが、じきに止んだ。
ただ、そんな状況でも腹は空くもので、空腹を紛らわす為に私は眠る事にした。心地いい子守唄のようなものも聞こえたからかもしれないがな。……まぁ、今思えば拠点を蹂躙する音だったのかも知れない」
ゼノビアはカプルスをすすり、その子守唄を思い出すかのように天井を眺める。部屋は、パテラスがフェイルノートを磨く音と、シロの小さな寝息で満たされていた。
「それで……目が覚めた時、私は今の身体に成長していた。簡単に言えば、胸と尻が大きくなって、身長も伸びていた。
だが、触手は私に驚いている暇を与えてくれなかった。細い、ヌルヌルした触手が私の身体を弄び、口から得体の知れない液体を流し込まれた。
……恐らく、人の生き血だろう。鉄臭くて生臭い匂いだった。口に液体を注ぎ込んだ触手は、私が呼吸出来るだけの空間だけを残して、そのままだった。私は何度か触手を噛み切った。
だが、何度噛み切ってもまた液体と一緒に口に入り込んできた。私は抵抗を止めた。触手はそれを良しとして、私の股を開くと、目合いを始めた。私は初めて屈辱を味わった。」
ゼノビアは顔を赤くして、拳を机に叩きつけた。シロが飛び起きたのが、少しだけ部屋の空気を軽くした。
「分かるか!? 触手の子を3日毎に孕み、産むだけの日々! しかも、食べ物は人の血肉と来たものだ! 舌を噛み切ろうにも、触手が邪魔をして噛めない! 凍死も触手の熱があって出来ない! 産んだ触手の幼体は、私の下に溜まって粗相したものを処理する! ひたすら犯され続け、精神はすり減り、日夜の区別はつかなくなり、食事を拒んでいたら、尻から触手を入れられて以降直接腸に栄養を入れられる! そして身体を常に触手に弄られ、その内に自ら触手を求めるようになった……」
ゼノビアが荒い息を立てながらシルコムドルセを頬張る。途中、若い傭兵が部屋の外に飛び出して行った。
「すまない、取り乱した……。
そうやって月日の間隔が薄れていって、正確な時期は分からなくなっていった。
……たまに、触手が外に出してくれることがあった。そういう時は、決まって金剛と戦闘をしていた。私達3人は背中中央にある窪みに集められて、拘束された。砲弾から、大事な孕み袋を守るためだろう。
リタリアは、獣化したまま、無理矢理成長させられたためか、私の2倍程の身長になっていた。猫人の女の子は、触手に捕まらず、順当に成長していれば、男がよってきそうな姿になっていた。……胸は勝ったが。
……そんな状況で、精神が最初に壊れたのはリタリアだった。ある時、人の人骨に触手が巻き付いて動く、黄色い兵士……私はタンタクラスソルジャーと呼んでいるものに、リタリアが襲いかかった。拘束を振り解いて、だ。
それで、目合いを交わして、頭を噛み砕いて、殺してしまった。その時の恍惚とした、狂気に満ちた表情の狼は、そのまま触手の中に引きずり込まれていった。
他にも、"赤吹雪の中で美しい鳥を見た。地に叩き堕として苦しめて殺したい"やら、"血を見たい、人の血肉を食いたい"やらと、物騒な事を言うようになった。
……その頃からだ。私のことを姉さんと呼び、自分のことをウチと呼ぶようになったのは」
ゼノビアはそこで一息つくと、カプルスをすすり、顔を歪める。底のカプルス粉の塊が口に入ったようだ。
シロは再び寝息を立て始め、パテラスは黙々とフェイルノートを磨く。
場違いかも知れないこの二つの音が、俺の平静を保ってくれていた。
「ある時、転機が訪れた。金剛との戦闘中、空からこの槍……ゲイボルクが降ってきて私達の輪の真ん中に突き刺さった。恐らく、乗り移って攻撃しようとした兵士の物だったのだろう、持ち手が血で濡れていた。
……私は槍術が得意でな。触手を無理矢理引きちぎって柄を掴み、がむしゃらに振るった。するとどうだ、2人の触手の拘束が解けていた。
後は早いものだ、猫人の女の子とリタリアの背に乗り、氷原に駆け降りた。ただひたすらに逃げ、道を塞ぐ生物艦隊も鳥も突き殺して、走った。夜は氷に穴を開けて、リタリアの毛皮に身体を埋めて3人で眠った。肌着は無く、寒かったがどこか暖かかった。
食べ物は、孕んでいた触手の幼体を喰らい、近くを通った動物を狩り、血を飲んで飢えを凌いだ。
10日ぐらいそうやって進み続けていると、シスターと出会った。どうやって私達を探し出したかは分からないが、とにかく、保護された」
ゼノビアは、カプルスもシルコムドルセも口に入れなかった。エンジンの始動音が聞こえる。
「む、もう少しで発艦か。……あぁ、それで、リタリアとその猫人は街の警備員という建前の暗殺者になった。私は復讐を誓ってリジェネレーターに入ったがな。
……前に、なぜ金剛に乗らないのかと聞かれたが、そもそもとして金剛は男しか乗れん。女の応募窓口はあるが、全て確実に落とされる。仕方なく月食に乗ったというわけだ」
ゼノビアがぬるくなったカプルスを一気に煽ると、話を終えた。
部屋には何とも言えない空気が充満していたが、最年長の傭兵の笑い声がそれを破った。
「アッハッハ、隊長また演技力が上がったな!」
それに釣られて他の傭兵も笑い出し、それに応えるようにゼノビアは軽く笑って、"出ていった若いのの様子を見てくる"と言って部屋を出ていった。
……どゆこと!?
皆さんおはこんばんにちは。作者です。
ノーティアさんは、ダウン状態から回復したので次回から復帰させます。
ゼノビアさん、演技が良かったですねぇ。
フィクションだし、あんな話に興奮する人なんていませんよね? そうだよね?




