α-022 警鐘
アンチコメ→作者のレベルが上がります
プロコメ→作者の創作意欲が上がります
評価、ブクマ→作者が一番喜びます
ストーリーのアドバイス→無視です
文章のアドバイス→ありがたいです
けたたましい鐘の音で目が覚める。眠い目を擦り、ふと、右肩に重みを感じて隣を見ると、シロが寄りかかって寝ていた。どうやら、昨夜話している内にそのまま寝てしまったようだ。外を見ると、空がぼんやりと明るくなっている。早朝だ。
「おい、シロ、起きろ。何かあったみたいだ」
俺はシロをソファに寄りかからせてから、軽く揺り起こす。シロは片手で目を擦りつつ、杖を出す。
「んぅ……何ですか……? やけにうるさい音ですね……」
俺はシロに応えつつマップを見る。
「や、それが分からないんだよ。今マップで見てるけど……っと?」
この拠点に着いた時の港を見ると、理由が何となく分かった。
「ふぁ……どうしました?」
「ここに着いた時の港があるだろ? そこで、なんか出撃準備的な事してる」
マップに映し出されたのは、"月食"と多数の物資、それと数多の人だ。
「…………」
「ん? 何か言ったか?」
「見に行きますか?」
何か文字数と内容が違う気がするけど、まぁ、いいか。
「そうだな。行くか」
俺はソファから立ち上がり、伸びをすると、服と武器を軽く点検して外へ通じる扉に向かう。開けようとしてドアノブを握ると……
「おはよう! クラビス、シロ、吹雪隊最後の任務だ! ……クラビスはどうした?」
勢いよく開いた扉に吹っ飛ばされ、挙句、入ってきたゼノビアに踏まれる。興奮していて気づいていないようだ。部屋の中なのに白い満天の星空が見られた。
「おはようございます、ゼノビアさん。……足元に」
「む? ……すまない大丈夫か?」
そう言ってゼノビアは俺の腹から足をどける。
……気づきそうなもんだが、興奮してるみたいだしなぁ。
「痛つつ……大丈夫……それで? 最後の任務ってのは? この鐘と関係あるのか?」
さっきからずっと鳴ってるし。……そういやリタリアとかクロとかはどこ行ったんだ?
「まあな。……港に向かいながら話そう」
ゼノビアはそう言って歩き出す。眠たげなシロの手を引いて、俺はゼノビアの後を追った。
俺が横に並ぶと、ゼノビアが口を開く。
「北の大氷原にヤツ…… 双角の破壊者バイ•テリートスが出現した」
おっとぉ? いきなりだな。ゼノビアの志やら目標やらだったっけ? ……信託って本当に当たるんだ。
「へぇ……それがどう繋がるんだ?」
「まぁ聞け。大氷原を巡回していた中の"金剛"が奇襲を受けてな、こちらに救援要請をしてきた。なんでも、ここ第一拠点に直進しているらしく、今回は迎撃が主な任務だ。この鐘の音は健闘と避難の合図だな」
金剛……たしか、この拠点に停泊してる"月食"と同じような艦だっけな? それと、このうるさい鐘は避難の合図も含めてるのか。そりゃうるさくて当然だわ。それはともかくとして……
「うまくいくのか?」
ゼノビアは頭を振って否定する。
「ヤツの甲殻は魔法はおろか、古代技術で作られた砲弾すら弾き返したからな。正直、白兵戦しか手がない状況だ」
えぇ……あのいかにもな大砲でも無理なのか。本当に無理じゃん。……あれ? じゃあ、何で白兵戦なら良いんだ?
「何で白兵戦なんだ?」
「古代兵装は、なぜかは知らんが対人戦としか思えない武器のほうが強いのだ。……私の武器ゲイボルクや、パテラスの物を見ただろう?」
アイスワームの体を抉り取ったアレ、ゲイボルクって言うんだ。パテラスのも、シロには効かなかったけど、ホヤウカムイを1発で蒸発させたりしてたからなぁ。あの大砲の威力は見てないけど、確かに納得は出来るな。……いや、やっぱ大砲のほうが強いような気が……
「確かに見たけど……」
「ふむ? 疑いが晴れないか。まぁ、実践でわかるさ!」
ゼノビアは晴れやかに笑い、同時に港が見えてきた。
港では、マップで見たように多くの人が忙しなく働いている。その中に、リタリアの姿が見えた。
「あれ? リタリアがいるけど、避難しなかったのか?」
「ああ、リタリアはエンジニアだからな。武具の点検と兵器の整備の手伝いをしているのだ」
ゼノビアは"新兵器が採用されたとか言ってたな"とぼやくと、誰かを探すように辺りを見渡し始める。
「人探しか?」
「……ん? ああ、いや、トラジドが居ないかなと思ってな。あとココノエや傭兵達だ」
あー、そう言えば、酒場以来会ってないな。マップで探してみるか。
が、よく考えたら頭上から見た人なんて区別がつかないと思い、やめる。メニューに新しい項目があった気がするが気のせいだろう。
「ちょっと通してくれないッスか?」
俺がメニューを閉じ、ゼノビアに彼らを探しに行くか聞こうとした所で、背後からリタリアの声が聞こえる。
そういえば、ここって港の入り口だもんな! 突っ立ってたら邪魔だったな。
「ん? ああ、悪い……」
俺はそう言いつつ、振り返る。が、そこにいたのは栗色の立派な毛並みをもった狼だった。4mはありそうな巨躯、長く鋭い鉤爪、白い牙を剥き出しにした、さながら狼男というような怪物だ。肩には建材だろうか、長く太い角材を担いでいた。
ヤバイ、声と姿のギャップが凄い。笑ったりしたら身体が輪切りにされそう。
俺は、出来るだけ平静を保って道を開ける。
「どうもッス! って……あれ? 姉さん? こんな所でなにしてるッスか? お仲間さんはもう乗艦してるッスよ」
「……そうか。トラジドを見てないか?」
「……あぁ、なるほどッス。乗艦口で待ってるッスよ」
ゼノビアは、そのまま助かったとだけ言うと、さっさと月食の方へ行ってしまった。
……あれ? リタリア? さっきまで普通の姿だったのに……目の前のは別人いや、別狼か?
「えっと……リタリアさんでいらっしゃいますか?」
「どうしたんスか? 改まって」
はい、確定しました本人です! まあ確かに、犬族っていう割に犬っぽさ無かったしな! 人狼ってことかー。
「ああ、いや、その姿だと分からなかっただけだ」
「そう言えば、クラビスには言ってなかったッスね。ウチと姐さんは犬族と人族のハーフなんスよ。姐さんがワーウルフ、ウチがライカンスロープッスね」
ワーウルフがゼノビアみたいに犬耳とかが付いてる感じで、ライカンスロープが狼に変身できる人って感じか? というか、クラビスにはって……
やあ諸君! ノーティアだ!
今回の話は、書いてた作者も覚えていないような内容らしいぞ! ここまで読んだ諸君は優しいな!
さて、次回は狂ったリタリアが見れるぞ!
じゃ、次回でな!




