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俺が世界を救うまでの物語  作者: 椎尾光弥
第一拠点 始まる物語
20/56

α-020 素晴らしき目覚まし

アンチコメ→作者のレベルが上がります

プロコメ→作者の創作意欲が上がります

評価、ブクマ→作者が一番喜びます


ストーリーのアドバイス→無視です

文章のアドバイス→ありがたいです

『ゴパンッ』


 そんな音がして目が覚める。何か悪い夢を見ていたようだ。


「ふぁ……目が覚めましたか」


 隣で眠たげな声がする。見なくともわかる、シロだ。


「……おっ、おう、おはよう。っ……後ろの、その物体は?」


 悲鳴を呑み込み、隣のベッドの上にある、先っぽの無くなった三角帽子が乗せられた肉塊の事を聞く。


「ふふっ……知りたいですか? 本当に?」


「遠慮しときます」


 なんか、キャラ違いませんかねぇ、シロさん。


「ふぁ……さて……言いたい事は色々ありますが……その前に。どうぞー」


 シロがにこやかに微笑みながら、右手にみえるドアに向かって声を掛かる。


「……どうぞ」


 顔色の悪いパテラスが、朝食を持って部屋に入って来た。

 生きとったんか我! てっきり、シロに肉にされたのかと……


「……私がそんな事するわけ無いじゃないですか。とりあえず、食べて下さい」


 シロが心を読んだかのように応える。

 やだなー、怖いなー。

 献立は、バケットと肉厚ベーコンらしき物、それと何かの炒め物。アナライズしても毒とかは確認出来ない。

 あれ、炒め物だけ調理者が確認できる。えっと……クロ? ああ、シロの妹か。……あー、マズ飯パターンか。


「……いただきます」


 とりあえず、バケットを食う。パンに何か仕込む事はほぼない。よって安全。

 ……うん、パンだ。ただひたすらに硬くて味のしない、いたって普通のパンだ。


 次に、ベーコンを食おうとして、炒め物を食う。口直しに残ったパンだけじゃ足りないだろうから、ベーコンを残す。

 ……あれ? 別に不味くない。芋の炒め物かな? ちょっとパサつくけど、他に気になる事も無い。味は薄いけど、エスニックな香りが強いから、気にならない。


 そして、ベーコンを食う。これが滅茶苦茶辛いとかかな?

 ……うん、ベーコンだ。燻製の効きすぎたベーコン。味付けしてないベーコンって感じだ。


「……ご馳走様でした」


 うーん、別に不味くも無かったし、強いて言うなら香りが強くて味がしなかった……ん? 味?


「気づきましたか。そう! 味覚を一時的に無くしました! ……代わりに嗅覚を良くしましたが」


 地味! もっと辛い体罰やら何やらかと思ったら、味覚が無くなっただけ!? しかも一時的!


「えっ……これだけ?」


「ええ。その状態で1日過ごしてもらいます。パテラス様も同様です。ラビリンスラット、とても美味しそうでしたね? 羨ましいかったです」


 逆恨みじゃねーか! え? なんでパテラス辛そうだったの? ま、まぁ、刻まれて回復して、また刻んでみたいな感じじゃなくて良かったけど……


「あ、そう。それで……ここはどこだ?」


「3日に増やしておきますね。……ここはリタイア工務店の2階です。来たのは一昨日ですね。あと、早朝なのでお静かに」


 なんか増やされた!? ま、まぁ、とにかく場所と時間が分かったから良しとしよう。リタイア工務店かぁ、ゼノビアの妹が切り盛りしている、北区の店だったか。そういや、クロが作った朝食があったな。それでか。


「クラビスさーん? 起きたッスか?」


 リタイアが扉からひょこっと顔を出す。……血飛沫の付いた顔で。

 ……『ゴパンッ』て音、聞き間違いじゃなかったなぁ。パテラスの顔色が悪かったのはこれのせいか?


「……ああ。その、なんだ、顔を洗って来ては?」


「顔? ああ、これッスか。どうせまた汚れるからいいッス! ちょっとストレス発散に付き合ってもらってたとこッスから!」


「へ、へぇ」


 嫌な予感しかしないが、まぁ、ご愁傷様です誰かさん。


「ふぁ……では私は、これを直して寝ることにします。下でゆっくりお茶でもしていては?」


 シロが三角帽を手に取りながらそう言うので、俺はリタリアの後ろに付いて階段を降りる。下では、クロとルナの2人が会話を弾ませていた。


「あ、じゃあウチは奥に居るッスから、何かあったら呼んで下さいッス!」


 リタイアはそう言って店の奥の暗がりに消えていった。その後、声にならない悲鳴が聞こえたが、扉でも閉めたのか聞こえなくなった。


「それで……あれ……エインヘリャルは……破壊できそう?」


「その名で呼ば無いで下さいよ? 私には不可能です。アレは時間軸がタナトスに由来するので……やはりぶつけ合うしかありませんね」


「そう……それと……こっちは別行動だから……あまり干渉が無いように……」


 2人の会話が聞こえて来た。

 何か、聞いちゃいけないような内容だったけど、聞こえちゃったんだから仕方ないよね!


「あー、おはよう?」


 俺は2人に声をかける。クロは気づいていたようだが、ルナはそうでは無かったようで、ビクッと肩を跳ねさせる。


「っ……どうも」


「……おはよう。……私の……料理……どう、だった?」


 クロが途切れ途切れに聞いてくる。さっきの会話もポツポツと話す感じだったから、そういう話し方なのだろうか?


「それがな、味覚を奪われたんで分からんかった! だからまたの機会に作ってくれ」


 多分、俺の罰も知ってるだろうし、これで美味しいなんて言ったら確実に嘘だってわかるからな。


「……そう」


 少しの沈黙が訪れる。俺は何か話題が欲しくなって、周りを軽く見渡し、ソルが居ないことに気づく。


「えっと、ソルはどうした?」


 ルナと居るはずのソルの姿が無い。ルナは俺の背後にチラリと視線を送ると、そのまま目を逸らす。視線の先には、リタイアの消えていった暗がりがあり、扉が見える。

 ……あぁ、なるほど。ストレス発散の手伝いね。

 やあ諸君! ノーティアだ!

 今回は、クラビスが怒られていたな!

 作者の筆はなかなか進まなかったらしいが、私には関係ない。早く進め!


 さて次回は……日常回だな。ほのぼのするか。

 じゃあ、次回でな!

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