α-015 二日酔い
アンチコメ→作者のレベルが上がります
プロコメ→作者の創作意欲が上がります
評価、ブクマ→作者が一番喜びます
ストーリーのアドバイス→無視です
文章のアドバイス→ありがたいです
「随分と面白そうな事を話してんじゃねぇか。俺も混ぜてくれよ」
声の主は、酔い潰れて寝ていたはずのパテラスだった。
「……そんなに大きな声で話していたつもりはないのだが?」
ゼノビアが怪訝な顔でパテラスに問う。
「ああ、あんたらの会話は聞こえんかったよ。新しく来た客の姉ちゃん達が騒いでてな。酔いと目が覚めちまったよ」
開いた扉から店内の様子を窺うと、2人の女性が口論をしているようだった。近くには、巻き込まれたのかわからないが、多数の客が伸びていた。
「ほう……聞こえてないのに、面白そうな話が聞こえたと。おかしな話だ」
うん、確かに。確実にやらかしましたねぇ、オッサン。
「あっ……あー、そのだな、職業上盗聴・盗撮は日常的にやってるからな、すまん」
あっさり認めやがったよ、このオッサン。
「職業上……ロールと色は?」
「ミスリルスナイパーだ。色は黒、まぁ、"影潜り"はできんが」
パテラスはそう言いながら、首元から薄浅葱のドッグタグのような金属板が付いたペンダントを出し、ゼノビアに見せる。
ロール……ゲームで言う役割とか職業とかの事か。スナイパーって言うと、狙撃手かな? ミスリルは階級とかだと思うけど……。
「ほう! ミスリルスナイパー! 素晴らしい腕じゃないか! おいクラビス、即刻仲間にすべきだ」
「おっ、嬉しいねぇ。パーティーリーダーはあんたになったのか。ゼノビア?もそう言ってるし、よろしくな」
そう言って俺とシロと握手する。
……どうしよう。なし崩しに仲間が3人出来たんだが。ま、まあ、某RPGも最初に酒場で仲間を作るしな! 大丈夫だろう。
「じゃあ、よろしくな!」
俺達がそんな会話をしている間に、兵士らは我関せずとばかりに、料理や酒を楽しんでいた。
酒場の夜は始まったばかり。最初の暗い空気は何処へやら、新パーティー結成の宴が店の奥で始まった。
◇ ◇ ◇
「ぐうぅぅう、頭がガンガンする……」
酒場の机に突っ伏して寝ていた俺は、頭の痛みで目を覚ました。
酷い二日酔いだ。昨夜は遅くまでドンチャン騒ぎだったからなぁ……覚えているのは、口論していた2人の女性が武器を出して……女の子にボコボコにされて、引きずられて店から出て行ったのと、酔い潰れたゼノビアをトラジドが運んでった事。後は……あぁ、コレか。
俺は首元にあるペンダントを見る。鈍く光る鋼のドッグタグだ。タグには、『アイアンルーキー:クラビス:カラーレス』と彫ってある。
昨夜、この酒場で冒険者登録とやらができるとかで、登録したのだ。旅人なのにドッグタグがないのはどういうことか疑われたが、シロがサバイバーに奪われたと言ってくれたので、難なく登録出来た。
「んぅ……ふぁあ……むにゅ、おはようございます……」
俺の隣で、同じく机に突っ伏して寝ていたシロが起きる。
「おう、おはよう。」
俺はドッグタグを戻しながら言葉を返す。俺達はしばらくぼんやりとしてから、カウンターにいたマスターに声を掛けて店を出た。金は要らないと言われた。新しい冒険者へ、マスターからの奢りだと。
外に出ると、魔法使いが被るような三角帽子を被った男が待っていた。
「ん? ……あぁ、パテラスか。イメチェンか?」
「よう。街で黒外套なんざ着てたら頭が無くなるからな。……どうした? 二日酔いか?」
「……そんなとこだ」
そう応えると、パテラスが"しょうがねぇなぁ"と言いながら小さな瓶を放ってくる。飲むように促されたので、怪しみつつ一息に飲み干す。スッとした甘みがある液体で、だるい身体が楽になった。
「治ったか? 治ったなら、街を案内してやるからついてこい。……嬢ちゃんも来るか?」
パテラスがシロに尋ねる。
「ふぁ……いえ、行くところがあるので」
シロは、いつものように欠伸をしながら応える。
「そうかい」
パテラスは特に言及せず、俺に手招きしてふらふらと歩いていく。俺はシロに終わったら念話で連絡する旨を伝え、パテラスを追った。
◇ ◇ ◇
着いた場所は、街の中心部にある黒い塔の下だった。
「ここは?」
「……おいおい、シロの嬢ちゃんに聞いたが、そんな事まで忘れちまったのか?」
ぼんやりと思い出したが、俺はサバイバーに襲われた事で記憶喪失になっている。……という設定になっている。酒場でこれまでの事を聞かれた時に、シロが機転を効かせてくれた。
「あ、ああ。そうなんだよ」
そう応えると、パテラスは呆れながら説明をしてくれる。曰く、
・この塔は破壊不能な古代の灯台で、今も稼動している。
・武器の試し撃ち等に利用できる。
・内部には上下へ向かう階段があり、下に行くとアルテナの迷宮と呼ばれる攻略済みの古代迷宮がある。上に行くと、巨大な聖光石を拝める。
「俺は試し撃ちに来たんだが……折角だし、迷宮潜りで金でも稼ぐか」
おお、古代迷宮! いいね、ワクワクする響きだ。
「是非行こう、すぐ行こう」
俺はパテラスに快く同意すると、塔に入り、地下へと向かった。塔の内部も外の材質と同じなようで、真っ黒い石造りの壁から張り出した階段が、上下へと続いていた。
地下に着くと、そこにはかなりの数の掘建小屋と、"シーカーズギルド"と書かれた看板のある、一際でかい建物が最奥にあった。端的に言うと、スラム街である。天井まで20mはあり、半径25m程の円形の広間を多くの小屋が埋め尽くしている。
「さて、と。まずはシーカーズギルドに登録しなきゃだな。あそこのでかい建物だ。俺は買い物して来っから、パパッと済ませて来い」
パテラスはそう言い残すと、"雑貨"と書かれた看板のある小屋へと向かって行った。俺は、しばらく地下街の景色に見惚れていた。
皆さんこんにちは。作者です。
ノーティアさんは、用事があるらしく不在です。
えー、今回は……仲間ができましたね。
それと、次回何をするかのきっかけができたと。
……どうしよう、何も前進してない気がする。
締めよ。
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