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俺が世界を救うまでの物語  作者: 椎尾光弥
第一拠点 始まる物語
13/56

α-013 シロとクロ

アンチコメ→作者が喜びます

プロコメ→作者の創作意欲が上がります

評価、ブクマ→作者が一番喜びます


ストーリーのアドバイス→無視です

文章のアドバイス→ありがたいです

「あ、クロ! 遊びに来たッスか! やー、確かに似てるッスね」


 リタリアがシロとクロとやらを交互に見比べる。

 シロと似た顔の、クロって名前……神の宮殿の住民か? 急に現れたし、どこか神秘的だし。


「私は、双子の、妹だから……」


 あ、双子なんだ。じゃあ、神の宮殿の住民で間違いないな。……確かに、見れば見るほど似てるな。


 クロは、シロのローブを黒くしたような服装で、髪型はフードを被っているから見えないが、黒髪のショートかセミロングに感じる。目は金色で、両腰には短剣を1本ずつ下げていた。気怠げなところもそっくりだ。


「ふぁ……クロが前に言っていたお友達とは、リタリアさんの事でしたか。……リタリアさん、妹と仲良くしてくださってありがとうございます」


 シロがリタリアに向き直り、お礼を言う。


「いやいや、お礼をするのはこっちッス! クロと出会ってなかったら、今のウチはないッスから」


 かなり親密な関係のようだな。そういえば、パテラスはいつのまにか店から出て行っていた。ゼノビアにいたっては、話が長くなると踏んだのか、真っ黒いものが入ったコップと、球状の食べ物を持ってきた。暇だったのでアナライズする。


《カプルス:カプルスの木の豆を焙煎して砕いたものを、お湯と混ぜてペースト状にした物。コップにいれて、熱湯を注いで飲む。とても苦いため、甘汁を入れたりする》


《シルコムドルセ:トリティコムの粉を甘汁と卵で練り、油で揚げたものを甘汁で煮た菓子。胸焼けする甘さ》


 ……見なきゃ良かった。たぶん、カプルスは濃いコーヒーみたいな物だろう。問題はシルコムドルセだ。まず、トリティコムってなんだ。

 甘汁は文字通りの物だろうから、シロップかな? それで練った生地を揚げて、また甘汁で煮込んだ菓子か?

 ……まぁ、毒じゃないだろうし、ゼノビアは美味そうに食ってるし。


 カプルスを恐る恐る飲んでみる。味は、インスタントコーヒーを粉のまま飲んだかのような苦さだった。しかも、ドロドロしてるからずっと舌から苦味が消えない。


 俺は甘味を求めてシルコムドルセを口に放り込んだ。噛んだ瞬間、ジュワっと甘い液が、口中に溢れ出る。遠くでミントのような爽やかな風味がする。が、確かに胸焼けしそうな甘さだった。そして、またカプルスを飲む。


 やべえ、止まんねえ。


「おい、クラビス、カプルスが終わるまでにしておけ。明日が辛くなる」


 ゼノビアが忠告してくる。その声で俺も我に返った。

 だが、もう、胸焼けがすごかった。苦しいなんてもんじゃ無い。もう2度と食わん。

 ……余談だが、その後の俺の好物はその2つになった。糖尿病まっしぐらだぜ。


 俺達が菓子を平らげた後、リタリアとシロ、クロの会話に目処がついたらしく、店を後にすることにした。外に出ると、日は傾いていて、世界が赤く染まっていた。


「ゼノビア、今日泊まれる場所とか知らないか? もうすぐ夜だからさ」


 砂漠の夜は冷えるから、泊まる場所がない事は死を意味する。最悪、艦に戻って泊まらしてもらおう。


「ああ、心配しなくていい。これから向かうところで泊めてもらおう。ついて来い」


 そう言って、ゼノビアは歩き出す。俺はシロと顔を見合わせ、後を追った。


 ◇  ◇  ◇


 さっきいた北地区から、西地区へと移動して少し。『龍酒場』という看板がついた酒場の前でゼノビアが止まった。シロが若干驚いた表情をする。


 またなんかありそうな予感が……。


「トラジド、マスター、久しぶりだな。ココノエ達は来てるか?」


 店に入ると、ゼノビアが顔に傷のあるダンディな男と、好青年に声をかける。


 トラジド……ああ、ゼノビアの彼氏か。見た感じ、良い人そうっていうのが伝わってくる。


「あ、ゼノビア久しぶり! 仕事終わりまで結構あるし、今日は吹雪くらしいから、僕の部屋を使っても良いから」


 そう言うと、忙しそうに仕事に戻るトラジド。ちょっと彼氏として対応が雑な気がするが、ゼノビアは気にした様子もなく"わかった、ありがとう"とだけ応える。


「いらっしゃいませ、ゼノビア様。ココノエ様方は、奥へお通しいたしました。……にしても、今日は珍しい方が多いですねぇ」


「む、珍しい客? 前に言っていた、昔に一戦交えた知り合いとやらか?」


「えぇ。キーオルに、プラトナとスカーハ、それとパテラス、実に懐かしい……」


 そう言ってマスターは、額から左目まで続く傷を触る。

 ん? 前半の3人は聞き覚えがないけど、パテラスってもしかして……。


「パテラス? 銃を持っている男か?」


「そうですが……お知り合いで? ちょうどそこのテーブルで酔い潰れていますが」


 ゼノビアがちょうど良いタイミングで聞いてくれた。マスターの目線の先を見ると、そこには白髪混じりの黒髪をしたオッサンが、机に突っ伏していた。


「……たぶんな。武器も、古代兵装のようだしな」


 なんかカッコいい響きが聞こえたぞ? アナライズしないと……。


《古代兵装フェイルノート:N/A》


 情報は見れないな。やっぱりスキルレベル的なものがあるのか? ……にしても、フェイルノート、ねぇ。確か必中の弓矢もそんな名前だったか。同じ性能なのかな?

 そんな思考を中断し、ゼノビアとマスターの会話を聞く。


「ふむ。それはそれは、良い時に出会いましたね。探し人も見つかって手持ち無沙汰になったから、誰かについて行きたいと言っていましたから。隊に誘っては?」


「その件でココノエ達を読んだんだ。中間管理は疲れたのでな、隊を解散して傭兵稼業に転職しようという相談をしようと思ってな」


 そう言ってゼノビアは店の奥に進む。俺達はマスターに会釈してから、ついて行った。

 やあ諸君! ゼノビアだ!

 まさかの料理会! 素晴らしいタイトル詐欺!

 ……ん? 後ろの肉塊は何かって? タイトル詐欺師のなれ果てだが?


 さて、次回は酒場での話し合いだ! 因みに、私の同僚も遊びに行ったようだが……まぁ、今は関係ない。

 どうせ再登場するのは終盤だ。サラッと読んでおけ!


 さて、「よければコメント、レビュー、ブックマーク、Twitter(@Siloillost)のフォローをお願いします!」


 はぁ……毎回言いたくないんだがなぁ。


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