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俺が世界を救うまでの物語  作者: 椎尾光弥
異世界クスクルザ
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α-010 スキルと占いの結果

 朝、目覚ましの警報音で目が覚める。シロはもちろん起きない。とりあえず、指輪の機能で服を着替える。格好は同じだが、心なしか綺麗になった気がする。

 ……マジで便利な指輪だな。

 そんな事を考えながら、ぼやーっと指輪を見ていると、一つのイメージが浮かび上がる。短剣が光の刃を出す、そんなイメージだ。


「ライトセーバーみたいな感じか……? えっと、こんな感じで引き抜いて……」


 イメージの通りに腰から短剣を抜き放つと、自然な動作で構えをとる。短剣からは、3倍ほどの長さの光の刃が出ており、なぜか左手には、魔法陣の盾ようなものが発生している。


《技能習得:魔素操作、及び中級結界魔法を確認。指輪機能:メニューを解禁。スキルパネルが解放されました》


 そんな文字列が視界に表示される。さっそく確認しようとすると、一瞬だけ背中から悪寒を感じた。振り向くと、シロが起きていた。


「……どこで覚えたんですか、そんな技術」


 眠そうな顔ではなく、真剣な顔で聞いてくる。


「いや、イメージとして湧いただけで、どこで覚えたかって聞かれても……」


 とりあえず、シロの雰囲気が危なそうだから、短剣を手から離す。そうすると、短剣は元通りになり、左手の魔法陣も消えた。

 というか、技術って言ってたな。技とか魔法とかとは違うのか?


「イメージで……他に何か思いついた事は?」


「特に無いけど……その、技術って何? 技とかじゃないの?」


 シロは何か言いたげだったが、こちらの質問を優先して答えてくれた。

 曰く、魔法や技の基礎的な要素だそうだ。今回俺がやったのは、魔素を集めて変質させ、質量と硬さを持たせて刃のようにすること。左手の魔法陣は、魔素を刃にせず、丸く伸ばして"魔法反射"、"物理障壁"の魔法陣を書いた、盾のようなものらしい。

 ……知らない魔法なんですが?


「なぜ、イメージでそんな事ができたのか、甚だ疑問でしかありませんけど。……指輪の機能が解放されたはずです。確認してみてください」


 メニューやらスキルパネルやらだったか? いいね、ワクワクする! えっと、念じるのか? 言葉に出すのか? ……どっちでもいっか!

 とりあえず、"メニュー"と念じてみる。すると、透明な板のようなものが目の前に現れる。板にはマップと、いくつかの文字列が表示されていた。


「おぉ、ゲームみてぇ。えっと、項目は"着替え"、"アイテムボックス"、"スキルパネル"か」


 着替えは、たぶん服装変化のことだろう。そういや、アイテムボックスの存在を忘れてた。……後でなんかいれてみよう。本題はスキルパネルなんだけど、えっと、触れればいいのか?

 "スキルパネル"の項目をタップすると、いくつかのスキルが表示される。


・魔素操作

・色彩変化ー白,金

・中級結界魔法

・アイテムボックス

・肉体増強

・早着替え


 の6つが俺のスキルらしい。4つは与えてもらったものだけど、魔素操作と中級結界魔法に至っては心当たりがない。多分さっきのだと思うけど、よく出来たな。これはチートか? チーターなのか?


「確認できましたか?」


 シロが聞いてくる。心なしか眠そうで、平常運転に戻りつつあるみたいだ。


「ああ、スキルとやらをいくつか獲得したみたいだ。これから詳しく見るところで……」


 そこまで言ったところで、警報が鳴り響く。

 またこのパターンか。どうせゼノビアが……


「おはよう2人とも! 仕事だ! 今日は虫を殺して人助けだ!」


 やっぱりね。この人、警報が鳴る前から扉の前にいたんじゃないか? とりあえず、マップでも見てみるか。

 マップを開くと、この艦の左舷に何かが氷を割り、雪煙を立てながら向かっているのが分かる。距離は大体20kmといったところだ。どうやら、人影らしきものも見られる。


「虫? あと人助けの方法は?」


 人影は分かるが、虫ってなんだ。昨夜、シロが言ってた砂虫ってやつか?


「虫は知っているだろう? 助け方は、行って保護して、この艦の砲撃で虫を殺して終わりだ。さ、今日からは装備があるから着替えろ」


 何を言ってるんだコイツは的な感じで言われる。あれか? 俗に言うワーム的なやつか? 氷だからアイスワームか。アイスワームと言ったら、でかい、長い、気持ち悪いの三拍子そろった怪物だったな……。


 ◇  ◇  ◇


 数刻たって、俺達は甲板の上にいた。月食の甲板ではなく、救助の為の小型快速艦の甲板だが。甲板の上には、遮蔽物なんて物が無いから、吹雪さながらに氷と雪粒が飛んでくる。船首にいる、シロとココノエの結界らしきものでほとんどカットされるとはいえ、フツーに痛いしうざい。これを設計したやつをぶん殴ってやりたい。

 ちなみに、キャタピラのようなもので走っているのだが、減速機が一機しか付いてないらしく、反転ができないらしい。だからカーブする時は、無理矢理シャフトを外して減速する事で曲がれるらしい。救助に向いてない素敵設計である。


「目標確認! 保護対象者は1人! 虫は推定30m級が1匹!」


 観測手が通信魔法具で伝達する。

 通信魔法具は、まぁ、インカムみたいなものだ。音質は悪いが、耳に付けても違和感がないのがすごい。

 保護対象者とやらが見えるかと思って目をこらすと、左舷前方にそれらしきものが見える。ダチョウみたいな鳥に、黒色の外套とフードを被った人が乗っていた。時々、後ろに向かって銃らしきもので攻撃している。


「よーし、左舷の紐錨を下ろせ! アレで反転して並走しろ!」


 ゼノビアがそう言うと、甲板にいる兵士はしゃがんで何かにつかまる。紐錨は、古代遺物とやらで作られた切れないロープに錨を付けたものらしい。古代遺物については、知らん。なんか、凄い物なんだろう。小型快速艦にしか積まれないらしいが……。


「おい、新入り、何か掴んどけ。怪我したくなきゃな」


 隣にいた兵士がそう教えてくれる。とりあえず、言われた通りに甲板にあった、ロープの取手のようなものを掴む。シロとココノエは、結界を解くわけにいかないらしく、片手で船首の落下防止のロープを掴む。

 次の瞬間、左舷の紐錨が下ろされる。それによって、左舷に急ブレーキがかかり、船尾から反時計回りに180度、雪煙を巻き起こしながら、艦が回頭する。


「うおぉぉぉぉお!?」


 凄まじい遠心力に艦全体が震える。

 甲板に何も無いのはこれをやるからか! 減速機付けろよ!

 紐錨をゼノビアの合図で引き上げると、保護対象者と並走を始める。とりあえずアナライズをする。


《スノーバード:好意的な小,中型怪鳥(全長3〜8m)。飛べないため足が発達しており、最高時速は80km》

《人種:パテラス(男):N/A》


 どうやら、ダチョウのような鳥はスノーバードと言うらしい。あと、乗っている人もアナライズしてみたが、種族と名前、性別しかわからなかった。情報は、文字化けもしてないから、本当に読み取れないらしい。

 俺が情報を得ている間に、1人と1匹が甲板に飛び乗ってきた。


「保護対象者を救助完了! これより母艦"月食"へと帰投する!」


 通信魔法具からそういった旨が伝えられる。とくにアクシデントも無く任務は完了! かに思えたが……。


「母艦より通信! 砲塔の不具合によりこちらで討伐せよとの事!」


 また通信魔法具から連絡が入る。その事に、兵士らは動揺した。小型快速艦には主砲は疎か、兵器と呼べるものは2連装の魔導砲しかないからだ。威力は、例の対空魔銃よりちょっと上ぐらいらしいから、兵士らの動揺は当然の事だ。つまり、俺達がやるのは……。


「よーし! お前ら、武器を取れ! 白兵戦だ!」


 ゼノビアが指示を出す。

 まぁ、そうなるよね!



やあ……諸君、ノーティアだ。

え? 元気が無いって?

そりゃそうさ。疲れてる中引っ張り出されたのだから。

まぁ、あとで小説の辛辣な感想を嫌と言うほど浴びせてやる。……あ、作者マゾヒストだったか。じゃあダメだ。別の復讐を考えなければ……

ん? 今回の感想?

……この世界の船の移動方法って無限軌道だよな? 

そんな船の出力反転装置が無いって、設計者は何を考えていたのだろうな?

                 ……………………>

……ん? 作者、何が言いたい。

                   いえ、別に>

そうだな。そうだよな。

さて、次回は……あ、これは私が見なければいけない会だな。……作者に押し付けとくか。


コホン、「よければコメント、レビュー、ブックマーク、Twitter(@Siloillost)のフォローをお願いします!」



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