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【#2】  『猫さん』     ★★☆☆☆

 私の名前は土金(ツチガネ)ムナ。

 年齢は十五歳、一人の人間である。

 姉は言うまでもなく悪戯が好きであって、いつも姉の脳内では私に齎す悪戯のことしか考えてないだろう。

 今は学校からの帰宅中。

 今日は姉はどんな悪戯をするのだろうか。




 学校からの帰宅途中。


 もう家に着いちゃったな……。


 私は、恐る恐るドアノブへと手をかけ、ドアを開けた。


 「ただいまー」


 今の所は問題なし。

 姉はまだ帰ってきてないのだろうか。

 なら、それでいいだろう。


 今日は平常。

 本日は姉の悪戯は無し。

 ……そう思ったのだが、家に帰ってすぐ前方を見るとそこには見知らぬ猫がいた。

 しかもその猫、まるで「自分の家」かのように堂々と座って居やがる。


 「は……、猫さん?」


 何故猫がいるのかは知らないが、勝手に入って来たわけじゃなさそうだ。

 お姉ちゃんが私を騙そうと人形を……でも、そんなはずは無いだろう。

 だって、その猫は私のことをジロジロと見ててその上、瞬きもしている。

 これは間違いなく生きている猫である。


 「お帰りニャー!」


 すると突然、猫が喋った。

 お帰り……ニャー?


 「あっ、猫が喋った!――って、なるわけ無いじゃないですかっ! 声質が完全におねぇちゃんなんですけど! それはそうと、この猫何処から連れて来たんですか……」


 私は呆れ口調で突っ込むと、猫に扮した姉からの回答がすぐ返ってきた。


 「ボクは、あなたに会うために猫の国から降りてきた特殊な喋れる猫なんだニャー。今後、この家に住み着くことにしたから仲良くしてほしいですニャー!」


 猫の国って……どこのファンタジーだよっ!

 それより、姉はまだ重大な事故に気づいて無いようで何よりだな。

 ここはちょっとだけ、猫さんとの話し合いに付き合ってあげますかね……。


 「声が猫じゃない方向から聞こえて来るのは気のせいでしょうか……」

 「気のせいだニャー!」


 「では猫さん。私の年齢、当てられますか?」

 「十五歳だニャー!」


 「猫さん! 何で私の年齢を知っているんですか?」

 「そっ、それはたまたまだニャー! 当たってラッキーだニャー!」


 「あなたの名前、なんでしたっけ?」

 「土金(ツチガネ)……」


 「――もういいですよ! 分かってます! それよりおねぇちゃん。その猫、寝てますよ……」

 「ニャ?!」


 私は姉猫の話を遮って指摘する。

 確かに、気づけばその猫は床に寝転がって気持ちよさそうに寝ていた。


 「え? あ! ホント? やべっ、そうだったかー!」


 姉は悔しそうにそう言って台所の方から姿を現すが、そんなことは最初から分かっていたのでどうでもいい。

 それ以前に私が気になることが一つある。




 場所は机に移り、私は、寝ている猫を自分の膝に座らせた。


 「――で、この猫さん、本当に何処から連れて来たんですか?……あ、猫の国以外でお願いしますよ!」

 「そっ、それはぁ……」


 私は姉に怒鳴りつけてみるが、姉は一向に「猫がいる」、その理由を言おうとはしなかった。


 「――前置きはいいですから。まさかその猫、どこかから拾ってきた野良とかじゃないですよね?」

 「――ナイナイ! それは無いから安心して!」


 「なら、どうしてこんなところに……」

 「――――」


 「…………」

 「――分かった、言っちゃうけどさ。この猫、ずっとムナが欲しいって言ってたからペットショップで買ってきてあげた猫なんだよね」


 ……ん?

 そんなこと、私は今まで一度も言ったことが無かったような気がするのは気のせいか?


 「その猫は可愛いですよ……ですけども私、『猫が欲しい』と言ったことは一度も無かっような気がするのですが」

 「えっ、そんなことないってば! 絶対言ってたから! ちゃんと証拠の音声がこのスマホの中に入ってるから!」


 そう言った姉は、ずっとポケットに突っ込んでいた手からスマホを取り出し、その私が『猫が欲しい』と言っていた画面を探し出す。

 ――て言うか、私が猫が欲しいなんて姉に向かって言ったこと一度もありませんでしたからねっ!


 「ほら、準備できたよっ! 聞いてみて!」

 「うん、分かりましたよおねぇちゃん……じゃあ、聞くだけ聞いてあげますよ」


  確かに姉は自信満々気に指をスライドさせ、私へ録画の再生ボタンを見せてきた。

 姉のこの自信、何なんですかね。

 まあ、こちらは何も変なことは行ってないはずですので大丈夫でしょう。

 私は耳を傾け、その録画をじっくりと聞いた。




 ――するとそこには、確かに『猫が欲しい』と言う私の姿が映っていた。

 その姿は、紛れもなく本物の私である。


 「ほらっ、言ってるでしょ!」


 まあ、確かに動画の中の私は『猫が欲しい』と言っていた。

 ――ですが、これ。


 「三十秒前のことじゃないですかっ! ていうか、いつの間にっ」


 「いつの間って、さっきですけど?」

 「……ですよね、もう分かりました。今回は『おねぇちゃんが猫を飼いたかったから買った』と言うことにしておいてあげますよ。それと……」


 「――やったー!……じゃなくて、何でアタシが欲しかったから買ったってことになってるの?」

 「もう、前の言動からはそう言ってるようなもんじゃないですか……猫、飼いたいんですよね。さっきの続きですが、この猫飼うにしても名前とかちゃんと決めているんですか?」


 「えっとぉ――」

 「付けてないんですね……。なら私が考えておきますよ」




 この後、猫の名前は『オビナ』と言う名前に私の独断で決めさせてもらうことにした。

 実際、私も猫を飼ってみたかったですし、今回は姉に感謝する。

 それで、何でこんな名前を付けたんですかって?

 一応、この名前を付けた理由や意味はちゃんとありますが……。

 また、今度ですね。

 家に帰ったら知らない猫がいたって理由で悪戯レベル★★☆☆☆ですね。

 執筆後に思い返してみたんですけど、これメッチャ怖いです(一一")。

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