決着
次にアランが目を覚ましたのは、強烈なアンモニアの臭いをかいだ瞬間だった。
アランが眼を開けると、鼻の先の茶色の小瓶に蓋する医師らしきエルフと、同じくエルフのネスが仏頂面で腕を組む様が見えた。
「アラン警部補。気分はどうかね?」
「警部。化粧男は…」
「ベン・シマイの事かね」エルフには珍しい鼻の下のちょび髭を擦りながら、ネスは答えた。
「奴なら運ばれていったが、致命傷だな。病院にたどり着いても死亡が確認されるだけだろう。無茶をやったな、アラン警部補」
「奴は魔法使いでした。」アランは首を振る。
「シルフを操り音を操作し、おまけに眠りの雲まで。この眠りの雲の魔法で皆抵抗できぬまま殺されたのだと思います。」
「そうか」ネスは普通の煙草に火をつけた。
「奴からは話が出来なくなってしまったが、ミッドランドでは暗黒神の使いよ黒いエルフよと差別され、渡ってきた後でゴブリン自由民と同じ立場になるのが耐えられなかったのだろう。そういうダークエルフの民族的コンプレックスが、今回の動機だと私は思ったのだがね。」
「私もそう思います。」アランは頷いた。
「ギャングだろうとゴブリンだろうと、今回は沢山の市民が死んだ。その動機は間違った劣等感からだった。」
「また繰り返す者が現れるだろうな。」ネスは煙を吐いた。
「当然でしょう。軋轢と差別が無くならない限り、悲劇は繰り返されると思います。」
後日、化粧男ベンの名が新聞で踊り、社説をめぐってはゴブリン狩りの正当性にまで言及するものもあり、世間はこのセンセーショナルな話題にしばらくわいた。
ゴブリンの人権は!?と書かれた社説を見ては、アランは暗澹たる気分を味わいながら、今度は台頭してきたマフィアとの取り締まりに力をそそぐのであった。
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