第三話 遭遇
親には内緒で、家から北の方にある林をミウと手を繋ぎながら歩いている。
家から10分くらい歩いた林を抜けた先には、一面に色鮮やかな花が咲いている場所に出た。
「うわーーー、きれーい!」
ここは、つい昨日発見した場所で、ミウも喜んでくれると思い連れてきた。予想通りの反応で何よりだ。
ミウは、繋いでいた手を離すと、花畑に走って行った。
「わー、すごーい!お花たくさんあるー!」
ミウは、花に夢中のようだ。
今まで家のすぐ近くでしか遊んだことがなく、このようなところに来たのも初めてなので、当然の反応だろう。
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今までは、朝から昼までミウと追いかけっこなどの遊びをしたりしていた。昼食を食べた後、ミウはお昼寝タイムに入るので4歳頃までは一緒に寝ていたが、5歳になると、昼寝はせずに、家の近くを一人で散策するのが日課になっていた。
3歳の頃に発現したスキル【アナライズ】は、今までの検証の結果、発動する度に自分の中の何かを消費していることがわかった。その何かが無くなる限界まで発動すると、頭がぼーっとしてきて、完全に無くなるとスキルは発動せずに、意識を失うというデメリットがあった。
(あの頃は、ほんとに無茶なことしていたな。検証と言っても、もしかしたら命に関わる可能性も考えるべきだったな。)
初めの頃は1日に3回が限界で、毎回3回目は夜寝る前に発動ししていたが、その後は意識を失ったままてしまい、翌朝覚めると何かは回復したようで、また使えるようになっていた。
毎回何かと言っていても、分かりにくいので、自分で勝手に『魔力』と呼ぶことにした。ファンタジー感があって、テンションも上がるので割と気に入っている。
『魔力』は限界まで消費すると、限界値というか上限値が少しずつ増えるようで、今では1日に50回くらいまでは発動できるほどになった。
(よし!やっとレベルが5になったぞ!レベルアップで増えた項目はなんだろう。)
また、スキルレベルも発動する度に、経験値みたいなのがが蓄積されるようで、ようやく昨日でレベル5まで上がったのだ。
スキルレベルが上がる毎に鑑定項目が増えた。レベル1では、『名前、レベル、スキル』しか分からなかったが、レベル5になった事で『種族、職業、HP等のパラメータ、加護』までが鑑定できるようになった。
(レベルも5まで上がったし、もうミウのステータス見れるようになってもいいだろう。)
日課として、寝る前に必ずミウのことを鑑定しているが、未だに名前とレベル以外は見ることが出来ない。気になるミウのステータスは謎に包まれたままだ。
(うーん、やっぱりまだダメか。だが、諦めないぞ!最終目標は、ミウの全てを見る事だ!)
おそらく、まだ自分のスキルレベルが低いために鑑定ができないのだろうと考えている。
今の目標は、12歳までにミウのステータスを完璧に確認することだ。
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「わー、かわいいー!プルプルするー。」
プルプルする?ミウは一体何を見つけたのだろう?
ミウのところまで近づいていくと、ミウの足元にサッカーボールくらいの大きさをした物体がいる。
青紫色の半透明でプルプルしたボディー、その中にはビー玉のような物がふよふよと浮かんでいる。
某ドラゴンを探し求めるAPGゲーで、有名なあの台詞を言う超王道的モンスター。
そう、スライムである。
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