第二話 約束
ミウと僕は6歳の誕生日を迎えた。
(今日の夜は、両親が誕生日パーティーを開いてくれるみたいだ。2人はサプライズで何かをしようとしているみたいだったな。)
この世界では、子どもの誕生日を6の倍数で18歳までの3回お祝いをするみたいだ。
12歳の歳に神様からスキルを授かるのだが、スキルを授かるまでに自分が将来やりたい事について努力させると、その努力に見合ったスキルを授かるとのこと。
そのために6歳から子どもに努力させて将来良い仕事に就かせようと親たちは考え、スキルを授かる12歳の半分である6歳の年に誕生日を祝うようだ。
12歳はスキルを授かることも含めて、誕生日を祝い、18歳は一人前の成人として認められるために祝うみたいだ。
両親もそうだが、18歳の誕生日を迎えた次の日には家を出て一人で暮らしていくことが一般的である。
女の子だと、貴族の屋敷で侍女として働くか、誕生日を迎える前に誰かと将来を約束したもの同士で結婚してそのまま家庭に入ることもよくあるみたいだ。
しかし、ミウは僕が認めた男としか絶対に結婚などさせない。
あの天使に見合う男など、この世には絶対に存在なんてしないがな。というか、僕が許すはずがない。
ミウは赤ちゃんの頃からますます可愛くなっていき、今では立派な美少女として成長した。
長い金髪で、青紫色の目をした自分より10センチほど低い可愛らしい女の子だ。
(ちなみに僕は、父さんに似たのだろう。瞳の色はミウと一緒だが、髪の色は黒色だ。背丈も父さんたちの腰くらいしかない。早く大きくなりたい・・・)
「おにいちゃん?」
そんなことをを考えて、ミウを見ていたらそんな僕を不思議に思ったのだろう。ミウが話しかけてきた。
「どうした、ミウ?」
「おにいちゃんがボーッとしてたから、どーしたのかなーって思って。」
ミウに頭を傾げながらそう言われる。
やはり、ミウのことを考えて見ていたのがバレてたみたいだ。
「ごめんな。やっと6歳かーって考えてたからさ。やっと春から村の学校にも通って勉強するし、楽しみだなって。」
「そうだねー。ミウはね、お友達たくさん作りたいなー。」
どうやらミウは、友達作りを目標にしてるみたいだ。
(女の子の友達なら大いに結構だが、男がミウに近づいてきたらただじゃおかない。
しかし、男を追い払うには力が必要だな。
そのために、父さんに鍛えてもらえるよう頼んでみよう。父さんもミウを溺愛してるから、協力してくれるだろう。)
「また黙り込んでどうしたの?なんか怖い顔してたよー。」
またミウのことを考えるばかりで、ミウを無視してしまっていた。反省せねば。
「いや、学校に通い始めたらミウは可愛いから男からモテモテなんだろうなってさ。そしたら、ミウに近づく男どもをどうやって黙らせようかと考えてて。」
「もう、そんな危ないことしたらダメだよ!それにミウは、他の男の子からモテても嬉しくないもん!・・・おにいちゃんがそばにいてくれたらそれでいいよ・・・」
ミウが怒った時思ったら、急に顔を赤らめて小声で嬉しいことを言ってくれた。
「ありがとう、ミウ。何があっても僕がミウを守るから。」
可愛い妹のキレイな髪を撫でた。
「そうだ。昨日家の近くでたくさん花が咲いてるところを見つけたんだよ。母さん達には内緒で見に行こう。」
「えっ、危ないよ。ママたち家から遠くに行っちゃダメって言われてるし。」
「少しくらい大丈夫だって。昨日見に行った時も何もなかったし。もしも、何かあっても僕が守るよ。」
「うーん。ちょっと怖いけど、行ってみたいし・・・わかった。絶対守ってね、約束だよ!」
「もちろんさ。約束する!」
ミウの手を繋いで、僕ら2人で花畑に向かうこととした。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます
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