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妹のためなら人生を賭してもいい  作者: ポーティフォン
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プロローグ1 妹は天使

 柔らかな陽の光で目を覚ます。


 いきなりなことだが、自分は転生したようだ。

 

 なぜ転生したようだというのかと言うと、視界が天井を写していて、体がうまく動かせない。ここまでなら、事故などで重傷を負った患者かとも考えれるが、1番な理由はかろうじて視界に入った自分の手だった。


 (手が、明らかに小さくなっているな。自分の手は、もっと大きかったはずなのに。)


 いつも見慣れているゴツい男らしい手とは違い、とても小さくマシュマロのように柔らかそうで、思わずぷにぷにしたくなるような手であった。

 

 「あぅー、だぁー!ばぁー、ぶー!」


 (喋りたいのに、思うように声が出ないか。これはやっぱりそうだと考えるしかなくなる。・・・転生したのだろうな。)


 次の理由としては、声が出ないことだ。いや、出ない訳ではないのだが自分の出したい声ではなく、赤ちゃん言葉しか出てこないからだ。

 

 これらの理由から、自分は転生したのだと確信する。

 

 (幸いなことは前世の記憶があり、自分の意識もしっかりと保てていることだ。考えれるということは、大事なことだからな。さてここは、日本なのだろうか。学生の頃から外国語の成績は赤点ギリギリというレベルだったし、日本語以外習得できる自信がないぞ。)


 そんな言葉の壁を考えながら、うまく動かない首を頑張って動かして今いる部屋を観察してみる。

 部屋の構造としては、前世で言うログハウスのような木材で造られている。微かに木の香りがしてきて、安らぐような感じがして心地よい。


 今自分が寝かされている場所は、ふかふかなベッドの上だ。自分は意識がはっきりしていて、考えることができているからベッドから落ちるなんてことは恐らくしないが、普通の赤ちゃんに同じことをしていたら、大変な事になっているだろう。


 (喋れることなら、親に説教してやりたい。ベットから落ちたら、危険だというのは少し考えれば分かることだ。自分の親達は、赤ちゃんの命なんてどうでもいいのか。)


 そんな怒りを秘めながら、もう少し部屋を観察してみようかと思っていると、ガチャッとドアが開く音がした。


 音がする方に頑張って顔を向けると、20代くらいのかなり可愛い系の女性が部屋の中に入ってきた。

 この女性はおそらく自分の母親だろう。

 母親は腕の中に何かを抱えているような姿勢で、自分のいるベッドの方に歩いてきた。


 (赤ちゃん?すごいかわいいらしいな。)


 「さぁ、おにいちゃんといっしょにねんねしましょ〜ね〜。」

 

 母親はそう言いながら、自分の隣に腕に抱えていた赤ちゃんを寝かせた。


 (よかった。しっかりと言葉が理解できる。ひとつ懸案事項が減ったな。)


 まだ幼くて性別はわからないが、この子と自分は兄弟みたいだな。大きさも自分とあまり変わらない。ということは、自分は双子なのであろう。

 すぅーすぅーと寝息を立てている、寝顔が天使かと思うくらい可愛らしい。この子は、母親の遺伝を強く受け継いでいるように思えた。


 前世ではひとりっ子だったので、兄弟というのに憧れがあった。正直兄弟がいるというのは、純粋に嬉しい。

 

 「あら、リン。起きてたのね。リンは全然泣かなくて大人しいから、助かるわ。お兄ちゃんとしてミウのこと見てあげててね。」

 母親はそう言って自分と兄弟の頭を優しく撫でると、部屋から出て行った。

 

 母親のおかげで自分と兄弟の名前を知ることができた。自分の名前はリン、この子はミウと言うみたいだ。


 (ミウって、なんか女の子っぽい名前だな。と言うことはこの子は自分の妹ということになるのか。正直、弟より妹の方が良かったので、親には感謝しかない。)


 先程までは親に対して怒りしか感じていなかったが、この子を見てしまった今ではそんな感情何処かへ行ってしまった。


 「ーーーうぅ、うぅー。」


 ミウが少しすると手を上に上げてバタバタとぐずりだした。兄としてここは、何かしてあげたい。

 

 自分は妹の近くまでなんとか体を動かして、ミウと手を繋いだ。ミウをあやそうと、手をにぎにぎしてると、少しずつ落ち着いてきた。

 はじめは大泣きするかもと思っていたが、もう落ち着いてくれたようだ。


 (もう大丈夫だろう。)

 

 目を瞑って一眠りしようとした時、ミウがギュゥッと自分を握り返してきた。自分は反射的にミウの方を向いた。


 ミウがこちらを向いて、ニコッと笑いかけていた。その笑顔は、天使が微笑んでいると言っても過言ではなかった。


 ドクンッと自分の心臓の脈が強く打ったのを感じた。


 (この笑顔を守りたい。ずっとこの笑顔を見ていたい。守ろう!いや、ミウは僕が守るんだ!)


 静かに自分に誓いを立てていると、ミウの目がトロンとしてきてから、まぶたがゆっくりと落ちていく。

安心して眠たくなったのだろう。


 そんなかわいいかわいい妹を見ていると、なんだか眠たくなってきた。

 どうやら、少し体を動かしただけで体力が尽きて、眠気が襲って来たみたいだ。

 眠気に抗うことができず、ゆっくりと意識が落ちていく。


 眠りゆく中で、握っていた手を再びぎゅっと握りかえされるのを感じた。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます

初投稿で、いろいろと未熟なところが多々あると思いますが、今後も読んでくださると嬉しいです

面白い、続きがもっとみたいと思っていただけたら

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