どうにもならないわたしの空白
なんでもないけど、なんとかしたい。
なにをしたいかと考えれば、わからない。
わからないと悩むけど、どうにもならない。
どうにかしなくちゃと焦るけど、なんにもできない。
なんとかしなくちゃ、でも、眠くなる。
なんとかしなくちゃ、でも、お腹がすいた。
どうにかしなくちゃ、でも、朝が来る。
どうにかしなくちゃ、でも、もう昼になる。
なんにもわからないけど、もう夜が来た。
ただの通りすがり、思い出になんか残らない。
ただの思い過ごし、記憶になんか残せない。
誰もいない人混みに消えていく。
行き交う人たち、こんなに見つめているのに。
わたしは空白だけ残して消えていく。
言葉を交わす人たち、こんなに見つめているのに。
わたしは空白だけ記して消えていく。
人混みの中にいるわたしを、いちどでいいから見つめたい。
行き交う人たちの中にいるわたしを。
言葉を交わす人たちの中にいるわたしを。
いちどでいいから、ずっと見つめていたい。
悲しいけど、わたしはわたしを残せない。
悔しいけど、わたしはわたしを愛せない。
虚しいけど、わたしはわたしに出会えない。
誰もいない人混みは、わたしだけいない人混み。
なにをすればいいのか、みんな知ってる。
なにをしたいのか、みんな知ってる。
どうすればいいのか、みんなわかってる。
なんの意味のない混雑にすがりつく。
なんの意味のない雑談にすがりつく。
なんの意味のない空白だけ残されて。
わたしだけが許してくれるから。
忘れないために、余白を開けて、書き残こす。