第五話 冒険ギルドとスキュラの謎
ピコンッ!
<チュートリアルを終わらせよう!>を完了しました。
報酬:初心者用道具一式
初心者のHPポーション×10
初心者のMPポーション×10
ありゃ? ギルドの中に入るだけで完了扱いになるんだ? そんで中に入るまでは騒がしかったギルド内が私を見た瞬間全員黙り込んでいた。
暫くすると、
「おいおい、なんで魔物が?」
「なにあれ? たこ足? 狼?」
「上のねーちゃんすげーかわいいな」
「狼の頭の上の小っちゃい狐可愛くない?」
「何かのイベント?」
などとこそこそ喋り始めていた。どうやら私みたいな姿をした人はあまりいないようで物珍しいようだった。
「あのぉ~?ギルドにご用事ですかぁ~?」
その声の先を見ていると受付から手を振っているおっぱいの大きな青い髪のお姉さんが居たのでそちらへ向かっていった。
「冒険ギルドへようこそ~私はぁ受付担当のフィーアですぅ」
フィーアと名乗ったお姉さんにうちのフィーアが反応を示し顔を近づけた為、固まってしまっていた。
「こらっ!ダメでしょう!ごめんねフィーアさん。私はチェリーでこの子の名前はフィーアって言うの名前を呼ばれたと勘違いして寄っちゃったんだと思う」
「い、いえ~大丈夫です~チェリー様ですねぇ」
「チュートリアルでここに向かうよう言われたんだけどこの後はどうすればいいの?」
「あぁ~祝福者様でしたか~。それでは~冒険ギルドへの所属をしますかぁ?」
「所属することのメリットは何があるの?」
「えぇっとぉ、まずは~各国への身分証明となる~ギルドカードの発行が出来ますぅ」
身分証明ねぇ......まぁ祝福者って何処の誰か分からないもんね。
「他には~お仕事であるクエストの斡旋や~戦利品の買い取りなどもできますぅ」
「デメリットは?」
「特にはないですけど~上位ランクになると緊急依頼の強制参加と~指名依頼が来ることですかね~登録しますかぁ?」
緊急依頼や指名依頼についてはなんとなくわかるけど上位ランクにならなければいいのかな?正直めんどくさそうだしね。
「うん、所属するよ。登録をお願い」
「かしこまりました~では登録の準備をする間に~ギルドのランクについてご説明させていただきますぅ」
彼女の説明によるとギルドはランク制でE-からSSSまであるらしい。E-などはギルドで仕事をするにはまだ早い見習いの子供や登録後長い間活動していなかったり、何かしらの理由で落ちるといった場合のランクで基本はEでスタートするみたい。
ランクを上げるにはクエストを熟していくことで上がるらしい+-以外のランクは試験があるようでそれをクリアするとランクが上がるようで基本的にはおとなしくクエストを熟して試験を受けろとのこと。
緊急依頼については難易度次第で制限が変わるようだが最低でもC-からって言っていた。指名依頼はBから来るようになるとも。
基本的には隣のクエスト掲示板に張り出されたクエスト用紙を受け付けに持っていき受注するようで、クエスト報告については受け取りカウンターで済ませて隣の買い取り屋に向かうよう言われた。
「こんなところですね~分かりましたかぁ?」
「うん、大体理解したよ。ありがとう」
「どういたしまして~ではこちらのギルドカードをどうぞぉ」
渡されたギルドカードはプラスチックみたいな感触だった。ランクは当然Eである。
「この後クエストを受注なさいますかぁ?」
うーん......どうしようかなぁ、とりあえずクエストカウンターで面白そうなのないか探してみようかな?
「とりあえずクエストカウンターを覗いてみてから決めるよ」
フィーアにお礼を言って受付を離れた。
今の時間は大体お昼頃なんだけどクエストカウンターの前に来るとところどころ用紙がなくなっているからもしかしたらあんまり美味しいクエストは残ってないかもしれない。まぁ初心者には受けられないようなものだろうから別にいいんだけどね。
「なんか面白そうなクエストはないかな?」
クエストカウンターを見ていると後ろから声を掛けられた。
「そこのお嬢さん、取込み中に悪いのだけれどちょっとよろしいかな?」
振りむくと小さいお爺さんが居た。今は視界が若干上がっているのを加味しても殊更小さく思える。
「なんですか?」
「まずは自己紹介をしよう。私はノイマンという者だ。お嬢さんが祝福者と聞いてね」
「私はチェリー、あなたの言う通り祝福者だよ」
「それで用についてなんだけどお嬢さんの種族はスキュラというんじゃないか?」
「そうだけどどうしてわかったの?」
そう聞くとお爺さんは満面の笑みと化して興奮し出した。
「そうか! そうか! やっぱりスキュラだったか! いやなに、文献に残っているスキュラの特徴に似ていたのでな。そうかそうか、これはすごいぞ!」
文献?なんかの文献にスキュラが書かれていたのかな?というより私以外のスキュラもいるのかな?
「お爺さん! その話詳しく!」
「おおう......分かった。ここではなんだからどこか落ち着ける場所を探そう」
初のクエストに興味はあったけどこっちのほうが重要そうだから初クエストはまた今度だね。そう思いお爺さんの後を追った。
歩きながら説明を聞いたところ、お爺さんはこの町に纏わる歴史などを調べている学者をしているらしく
この町に残る古い文献など貴重な品を調査、保管する仕事をしているらしい。
私でも入れる場所を探すのがまず困難だったがしばらくお爺さんと彷徨いながらこの町のことなどを聞いたていた。
暫くするとテラスのある喫茶店を見つけ椅子には座れないがそこで話を聞くことにした。
そもそもよく考えれば私の足では座るのは難しかったしね。
お爺さんの話によると500年程前の文献らしいがー憐な乙ー八つー蛸ーそして凶悪ーー頭6ーー従えた海ーー者といった文章があるらしく名前はスキュラという魔物だったらしい。古いのと一時管理状態が悪かったようで文字が掠れていたが大体の特徴は残っていた為、街中での目撃情報からスキュラではないか? と思い至ってギルドにやって来たとのこと。
「他にはスキュラについて何か情報はないの?」
「他の文献には特に登場はしておらなんだ。一応それらしき者もおるが確証はない。だが、水禍ノ神などと神格化されていた痕跡が小さな漁村に存在しておった」
「水禍ノ神......水害でも起こしていたのかな?」
「村に聞いてみたがとうの昔に失伝したようでの、小さな祠とスーキラという名前だけが残って居ったわ」
スーキラ? 訛ったかなんかしたのかな? それとその祠ってのが気になるから直接見てみたいな。
「その村の場所を教えて欲しいんだけど」
村の場所を聞き後日会う約束をしノイマンと別れた。
ピコンッ!
<スキュラの謎を追え!>
お? なにやら目標が出てきたようでスキュラについて調べるクエストが現れた。
とりあえず村に向かってみようかな? そこで何かヒントでもあるといいんだけどね。
街の人に若干ビビられながらも、門の場所を聞き出すことに成功した私は無事に門へたどり着くことが出来た。門の近くにまで来ると二人槍で武装した門番が居た。私が近づくと若干警戒をし始めていたが街の外からではなく中からやって来たため警戒を一応解いていた。
「門番さん~外に出たいんだけど!」
「あ、あぁ......身分証明書はあるか?」
若干おっかなびっくりされながら問われた。
「ギルドカードでいいんだよね?」
そういってギルドカードを渡した。
「祝福者か......アンタみたいな人? もいるんだな」
そう言いながらギルドカードを戻してきた。
人の所に疑問形が入っていたが自分でも下半身が完全に化け物であることは理解しているため苦笑しながらも文句も言えなかった。
「まぁそうだね、珍しいとは思うけど私みたいな祝福者も他にもいるんじゃないかな? それで外に出ていいの?」
「あぁ問題ない。気を付けてな」
「ありがとう」
そう言って開いた門を出て村へ向かい始めた。
冒険ギルドでの登録とお爺さんからのスキュラの情報をもらいました!
次回は予定では村ですがそろそろ掲示板回とか入れたい気分です。
チェリー「教会から冒険ギルドまでの道長かったんだけど......」
フィーア「10分くらいで付く距離ですよぉ」
チェリー「嘘でしょう......」
ノイマン「なにぃ! 八つの足を持ち6頭の狼頭の体を持った女性が現れただと!」
チェリー(なんか後ろのほうで思いきり扉開いて壊れる音したけど説明聞いてるから振り向けない)
ノイマン「しまった、勢い余って扉を壊してしまったわ......」
現在のステータス
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Name:チェリー(アインス、ツヴァイ、ドライ、フィーア、フュンフ、ゼックス)
種族:スキュラ Lv1
メイン職業:召喚者Lv1 サブ職業:指揮者Lv1 サブ職業:
保管職業:
スキル:水中適応 Max 魔力操作Lv1 衝撃の魔眼(極小) 眷属強化(極小) 初級竹刀術Lv1 初級槍術Lv1 身体操作Lv1 回避Lv1 再生補助Lv1
アーツスキル:召喚・契約Lv1 指揮Lv1
EP 100
HP 150
MP 120(召喚時-24)
STR 20
VIT 8
DEX 12
AGI 6
INT 24
MDEF 15
CRI 10
LUK 10
ステータスボーナス35
称号
【祝福されし者】【海の怪物】【覇者の器】【クルマの主】【ギルドランク:E】
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