前編
この世は終焉に導かれようとしている。
現在、日本は魔王軍によって7割占領され、残っている領土は関東だけ。
誰もが瞳の中には闇が広がり、ただ終わりが来るのを待っているという状況だ。
しかし、そんな果てしない闇に一筋の光がさす。俺も所属している「聖十字軍」が日本を魔王軍の手から奪還すべく立ち上がった。
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「おいおい?なんだ貴様ァ?グチャミソにしてやるぞぉぉぉぉ!!!」
体の大きさは3メートルはあるだろう。その肌はゴツゴツとしており、見た目だけでも相当硬いことが分かる。鋭利な爪を携え、強く踏み出したら地面が割れてしまいそうな程の屈強な脚、そして全ての者を睨んだだけですくませるような大きなギョロギョロとした瞳。目の前にいるのは完璧な化け物であった。
「なーに固まってんダヨ!ヒャハ!」
ドンと大きな踏み込み音を鳴らせ、化け物は一気に俺との距離を詰めてきた。腕を大きく振りかぶり鋭利な爪で切り裂こうとする。
俺はそれをギリギリで躱し、一旦距離を置く。そして、相手の攻撃したあとのスキを狙い、懐に走り込む。
そして俺は化け物に向かって聖剣を振るう!
「ふっ…化け物はIQが低くていけねぇな…くらえ!聖なる一撃!ホーリープロミネンス!!!!!」
俺のホーリープロミネンスを直でくらった化け物は「ぐわぁぁぁ!お前が…伝説の…闇を払いし勇…者…なのかぁぁぁ!!!」と叫びながら光の力で浄化されていった。
おっと。俺の自己紹介がまだだったな。俺の名前はクロノア・ライト・ヴェロニカ。聖十字軍に所属している勇者で気兼ねにライトって呼んでく…
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ピピピピ!ピピピピ!ピピピピ!
「う、うーん…もう朝か。」
目覚まし時計の音が鳴り響き、1人の少年が目を覚ます。
はい!ここからは実況と解説も挟ませて頂きます!この少年、板井すぎるくんは夢の中じゃ飽き足らず、現実の世界でも勇者だと思い込んでいる、所謂中二病だー!
「ふっ…朝は嫌いじゃない…おっと妖精も歌い始めてら…」
実況(以下実)・おっとー?彼には妖精がみえているのかー?
解説(以下解)・彼には眼科及び耳鼻科、そして精神科の受診をオススメしますね。
実・ん?ここで板井選手!なんかポーズをとりながら着替えていますね。なにか意味はあるんでしょうかぁ!そして、着替えをし、登校の準備を終え、駐輪所に向かったー!
「おいおい、やめろって!ははっ!可愛やつだなぁ」
実・板井選手、自転車に頬づりしながら何か呟いているぅー!
解・これは自転車を馬に見たたてじゃれていますね。気持ち悪過ぎます。
実・3分も自転車に頬づりして時間を潰した板井選手!現在、コンビニ向かっています!ここで昼食などを買うつもりのようです!
「お箸はお付けしますか?」
「……(首を小刻みに縦に振る)」
「あ、あのぉ、お箸はお付けしますか…?」
「…………」
「お箸…」
実・これは何をしているんだぁ!?
解・これはお箸が欲しいにも関わらず、お箸付けてくださいの一言が言えず、モジモジしていますね。あまりに人との会話をしない中二病タイプのため、こういうところに弊害が出ていますね。チッ早く欲しいって言えや。
実・なるほどぉ!結局、店員の気遣いにより、お箸を付けてもらえた板井選手!やっと学校に到着だぁ!しかしながら、自転車に頬づりしたり、箸を貰うのに時間をかけてしまったため、1時間目には間に合いません!
「さて…今日は聖十字軍本部を守るとするか…」
実・ここで板井選手!教室には向かわず、屋上に直行!カバンから双眼鏡を取り出し、街を眺めているぅ!どういうことだぁ!?
解・これは授業中に教室に入ると注目を集めてしまうため、1時間目終了後の休憩時間に教室に入ろうという魂胆ですね。それまで時間を潰すために、聖十字軍本部の護衛もとい人の家を眺めている状態ですね。遅刻すんなやクソガキ。
実・はい!ということで今回はここまで!それでは次回もよろしくお願いします!
解・よろしくお願いします。
常に前進、日々精進!どうも幻想ショコラです!いやぁ、この挨拶も久しぶりですね…就活やテスト、その他諸々のせいでなろうに投稿出来ていませんでしたが、この作品を皮切りにどんどん投稿していきたいと思いますのでよろしくお願いします!はい!ということで今回は中二病をテーマに実況と解説があるというパターンに挑戦してみました。少々読みづらいかなーと思ったりもしましたが、これもまた面白いのでは?と感じたのでこの方法で後編も書いていきます。この作品は前後編の2部で完結します。後編は近いうちに投稿するのでよろしくです!
その他の作品も随時投稿予定です。
以上、幻想ショコラでした!