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本好き少女は世界を好む~攻略?そんなことより設定です。  作者: 愚者
夏だ!海だ!!宝探しだ!!!
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35.スライムとポーションその1

本日はこれでおしまいです。

黒狼戦から一夜明けログインしました。

今日の目的は西の草原から黒狼──狼王ロボ──を退けたことで進むと思われる【錬金】のイベントを進めることです。

前回の最後のログアウトが噴水の場所だったこともあり、スタート位置は噴水前ですね。

あたりには何人かのプレイヤーの姿が見えますね。

気にせずクララベルさんのところへ向かいましょう。


「失礼します。クララベルさーん」

「ん?ああいつぞやの旅人かい?……なるほど、あんたがやったのかい」


家に入りクララベルさんを呼ぶとすぐに奥から杖をついて出てきてくれました。

顔を見るなり杖で床に対して丸くなぞると再びこちらを向いて問いかけます。

このやったというのは恐らく黒狼のことでしょう。

しかし今の行動が謎過ぎて気になってしまいます。


「えっと、黒狼についてはそうです。私とその友人?が追い払いました。」

「そうさね、明らかに周期からズレてるからそうだろうね。なるほど……」

「周期ってクララベルさん知ってたんですか?一定周期でいなくなるって。」

「クラとお呼び。ったく、知らなかったら“今は”なんて答えないよ、それに私が何年いると思ってるんだい。」


なんでしょう、色々と探しまわらなくてもクラさんにちゃんと質問をしていれば答えは全部手に入ったのではないでしょうか?

……いえ、その場合好感度とか下がりそうですね、何でもかんでも聞くんじゃないとか言って。

クラさんは二回床を叩きこちらに意識を向けさせます。


「さて、草原が落ち着いたならスライムの様子を見に行くとするかい。」

「ここにいるのはグリーンスライムなんですよね?」

「そうさな、HPポーションはグリーンスライムの素材からでしか作れないからね。さあさっさと行くよ」


『クエスト:スライムを捕獲する。

グリーンスライム0/3』


そういえば、最初からクラさんはスライムを倒すということは言っていませんでしたね。

しかし、モンスターを捕まえるということはテイム……仲間にするということとはまた別なのでしょうか?


「えっと、そういえばクラさん、捕まえるってどうするんですか?」

「西の草原に少し大きな岩がある。そこで一度捕まえるからしっかり見てるんだよ。」


私はクラさんと一緒に西の草原に向かいます。

その間にもプレイヤーからは好奇な目で見られますが、オープンワールドでのイベントなんてそんなものです。

何人かは話しかけてきそうな雰囲気もありましたが、そちらには一切視線を向けず西の草原へと向かっていたら、いつの間にかそのプレイヤーもいなくなっていました。


「さて、このあたりでいいかね。」


クラさんはよいしょと声を出しつつ岩陰に何やら置きました。

あれは……キャベツ?


「え、餌ですか。」

「そうだよ。スライム種は偏食でねその食事によって色が変わり、その性質を変えるんだ。グリーンスライムは基本的に草食でねこうやって置いておくと……ほら来たよ!」


ゆっくりと岩陰から薄緑色のゲル状が出てきました。

いえ、予想はしていたのですが、その見た目が予想外だったといいますか……。




それはまるで溶けたアイス

それはまるでジェル

それはまるで捨てられた子犬

それはまるで小動物



薄緑色のドロッとしたネチャっとしたナニかの中に二つのクリクリの可愛らしい目が浮いていて、それが妙にマッチしていてデフォルメされたモデリングをそのまま実装したといいますか。


「なんか妙に可愛い……」


可愛いんです!私の感覚がおかしいのかもしれませんが、置かれたキャベツをじっと見て周りをキョロキョロと警戒はしているんですけど、身体をそっとキャベツに伸ばして、少しちぎって取り込む姿は変に愛らしさを感じてしまうのです。


「いいかい?全て食べた頃に出て行くんだよ。」

「え、出て行ってどうするんですか?」

「これを渡すのさ」


クラさんはポケットから小さな茶色の石を取り出しました。


「魔石だよ。持ってないなら今回は渡しといてあげるよ。」

「魔石?持ってないですけど……どうやって入手するんですか?」

「何でもかんでも聞く子だね。方法は色々さね、自分で探すんだね。」


魔石。書いて字のごとく魔を司る石とか、魔が込められた石とかそういうものですね。これをどうするのでしょうか?


「いいかい?よく見てるんだよ。」


クラさんは、グリーンスライムに近づいていきます。グリーンスライムは一瞬ビクっと震え立ち去ろうとします。しかし、クラさんが手に持っていた10円玉ぐらいの大きさの魔石をグリーンスライムに投げます。避けるかと思ったらグリーンスライムは、その魔石を取り込んで……キャベツみたいに吸収しました。


「$♪_♪!!$」


電子音のような鳴き声をあげてはねています。

先程までの警戒は何処へやら、グリーンスライムはクラさんの周りをぐるぐると回っています。

クラさんはその場でしゃがみ今度は魔石をグリーンスライムに当てるとグリーンスライムはその中へと消えました。


「え!?」

「これが流れだよ。」

「今何をしたんですか?」


一回目は魔石を投げて吸収され、二回目は魔石を当てるだけで、その魔石の中に入っていったように見えました。


「これは魔石の特性さね。まあ今はいい、やり方は見てたね?」

「え……見てましたけど……。」

「よろしい、なら三匹頼んだよ。数は多めに渡しておくさね。」


クラさんは20個ぐらいの茶色の魔石が入った巾着袋を渡してくれます。


「私は家で待ってるさね、しっかり捕まえてくるんだよ。」


それだけ言うとクラさんは杖を付きながら街へと戻って行きました。




さて、どうしましょうか……。


「手順としては餌を渡して食べ終わった頃に茶の魔石を食べさせて、最後に茶の魔石を当てる?……なんで」


まったくもって意味がわかりません。

やはりこれはテイム行為なのでしょうか?つまりは専用の【スキル】などではなくこういう道具を使用してモンスターを捕まえるという……?

想像していた捕まえる行為と違いすぎて混乱してますね。

なにせ条件が謎です。どうして茶の魔石?これは別の魔石でも可能なのでしょうか?


「うーん……。とりあえず餌はどうしようかな。魔石はもらったけど餌に関しては何にも言われなかったからなー」


この場合どこかで売ってたりするのが当たり前だと思いますが、八百屋などはありませんし、道具屋に行ってもおいてませんでした。クエストアイテムとして売ってる可能性も考えますが怪しいところです。


「そうなると、やっぱりゼズペットさんしかいないかな?」


以前ゼズペットさんが野菜を作って孤児院に分けていましたので、頼めば頂けそうな雰囲気はあります。なかった場合は食堂にでも行ってみましょう。





「ゼズペットさん」

「おや?チェルカさんお帰りなさい。どうかなさいましたか?」


ゼズペットさんはいつも座っている場所で本を読んでいました。


「その、野菜って分けてもらうことってできますか?」

「野菜ですか?良いですよ。しかしどうしたんですかいきなり。」

「実はその……スライムを捕まえるために必要で。」


ここは素直に答えたほうがいい思いました。

戦闘を行った際に好感度が下がっているような様子がありましたが、今回はクエストでもありますし、何より戦って倒すわけでもなさそうですし大丈夫だとは思っています。


「なるほど。このあたりですとグリーンスライムでしたよね。それならばキャベツニアがいいですね。」

「キャベツニア?」

「グリーンスライムの好物です。……クララベルが時々貰いに来たりするものですよ。」

「なるほど、それではそれをお願いします。」

「わかりました。少々お待ちください。」


キャベツではなくキャベツニアですか、ということは先程クラさんが食べてさせてたのはきっとそれですよね。そしてさらっと答えてくれましたが、クラさん時々貰いに来るんですね。仲が悪いような雰囲気はありましたがそんなことはないのでしょうか。


少しするとゼズペットさんがキャベツニアを持ってきてくれました。

持っているものを見てもやはりキャベツです。強いて言うなら少し丸いぐらいでしょうか?


「はい、こちらがキャベツニアです。ヒト玉でよろしかったでしょうか?」

「多分大丈夫です!ありがとうございます。えっと……お代とかは」

「良いですよ、差し上げます。この間お使いをしてくださったお礼として」

「ありがとうございます!」


私は頭を下げ、キャベツニアを受け取りました。アイテムポーチに……入りました。

一瞬ヒヤッとしましたがそこはゲームなんとかなりましたね。


「それではゼズペットさん行ってきますね」

「はい、お気をつけて。」



私は再び西の草原に来ました。

とりあえず石の上に座って考えます。

クラさんの行動から必要な個数は最低でも2つ。つまりは10体は捕まえられる計算です。

しかしこういうテイムは失敗するのが常。もしもあの一つ目の魔石が餌として投げたのなら一つじゃ足らない可能性もあります。


「(あ、でもクラさんはスライムが入ったことに対して魔石の特性と答えてたよね)」


そうです。魔石の特性によってスライムは魔石に入った?

マナのように魔石にも何か効果があるということでしょうか、法則のような何かが……。


「そっか、マナ……でも、マナと魔石の関係性は?あー図書館で調べて見つかるかな?それだったら街の人に聞くほうがいいのかも……。」


しかしここで何か考えるのも……。ゲームをしている以上は失敗しても関係ありませんね。

そもそも、失敗前提で量があるのです考えずに一度やってみてダメならもう一度考えるなり調べるなりしましょう。


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