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29.少女と黒狼~戦闘開始~

戦闘開始です。真ん中で一度リード視点が入ってます。


西の草原に着くとまずは“ウルフ”を五体倒すようです。


「あれからちゃんと明確にしようと調べたところ、“ウルフ”種を合計で五体倒せばフラグが立つようです」


どうやらリードが調べた条件というのはこれのようですね。

このあたりで苦戦するのは“大狼”というモンスターらしいですが、レアモンスターのようで、遭遇率はあまり高くはないようですね。私も昨日戦った時は見かけませんでしたし。それなら、サクサクと倒して回りましょうか。


そう思って周りを見ていると大体先に泣き顔さんが発見して倒しています。

五体とも泣き顔さんがあっさり倒して条件が整ってしまいました。


「泣き顔さん凄いですね。何もせずに終わりました」

「ありがとう。まあ索敵は任せてくれ」

「あんまり褒めたりしなくていいわよ?調子に乗るから」

「はー?調子に乗ってないだろ!事実に対してちゃんと褒めてくれただけじゃねーか!そりゃ普段は当たり前でしょ?みたいにされるけど、嬉しいんだぞごら!」

「はいはい、ありがとうありがとう」

「心がこもってねえんだけどー!?」

「条件達成したからさっさと“白狼の毛皮”出しちゃうよ?」

「気にせず出していいと思うのである」

「元気だねぇ」


これから裏ボス戦ですが、あまり緊張はしていないようですね。

二回目というのもあるのでしょうけど、皆さん戦闘慣れをしているようです。

リードは私たちを見渡すと一度深呼吸をして、アイテムポーチをイジっています。

すぐに移動するのでしょうか。


『プレイヤー“リード・オルタナティブ”とそのPTを今から10秒後エリア移動させます』


おや、運営からのメッセージですね。やはり特別なエリア移動なようです。

このあたりの説明は聞けていませんでしたからね。どんな場所なのでしょうか?


「チェルカ」

「ん?」

「ここから移動するエリアは高い草原だから、チェルカの背だとだいぶ隠れるから気をつけてね」

「……そこまで小さくないからね?」

「私でも身体半分ぐらいだから結構大変だと思うよ?」

「リード。そこまで小さくないからね?私そこまで小さくないからね!?」

「わかったから、気をつけてね?」


リードと話していると視界が白で埋められエリア移動となります。

しかし、いくら背がリードよりも低いとは言え頭一つ分ぐらいです。流石に言い過ぎだと思うんですよね……。


……ほぼ視界が草ですね。


「高い。」

「だから気をつけてって。すぐに移動はするけどはぐれないでね」

「そこまで低くないはずなんだけどな……」

「ほぉら、行くよぉ?」


先生に押されつつ、以前戦ったらしき少し草が低めの場所に移動します。まだ見えますね。


「ここから先の指示は適宜行うけど、基本的には会議で話した内容でお願いします」


リードが長剣と大槌を構えます。周りを見ると各々が武器を構えているので、私も武器を構えます。


少し待っていると地鳴りのような、地響きというのでしょうか。何か大きいものが近づいてきている感覚があります。一定間隔で響く音にどことなく皆に力が入ります。

未だ姿は見えませんが恐らくこの正体が黒狼なのでしょう。


「見えたら一発目で私は走って近寄っていきます。月平は基本的に私とヘイト管理。サクラは基本は氷だけど、強力なのは先生と相談してタイミングはかって。泣き顔とチェルカはヘイトがあまり分散しない程度に攻撃してね。先生は臨機応変にポーションを投げてください」


リードが先に指示を出して集中をします。

ここから先細かい指示をするのは大変なのでしょう。


私の役割はあまり攻撃をしすぎず、時々【白】の【アクション】の“ホワイトエンチャント”をかけていく事。因みに"ホワイトエンチャント"とは、HPとMPに対して微量ですが回復効果を与えるものですね。

この説明自体は来る途中にしています。

今のところ回復魔法のようなものは見つかっていないので驚かれましたが、回復役としてのポジションをもらいました。

【白】のレベル1で使えるものですが、それでもクールタイムがかなり長いです。なので、使いどころは注意ですね。


「はぁ……」

「チェルカちゃん大丈夫?」

「あ、サクラさん。大丈夫です……ちょっと後悔しているだけですから」

「後悔?」

「もう少し戦闘とか準備とかしておけばよかったなって」

「しょうがないよ。そもそも、このボスだって隠しのようなものだし、逆にチェルカちゃんが【言語】を育ててなかったら見つからなかったと思うわよ?」

「そうですけど、準備不足感が否めなくて」

「まあ、負けても気負うことなくいきましょう?まずは勝つことよ」

「そうですね……ありがとうございますサクラさん」


隣で構えているサクラさんの手は少し力んでいますね。

口では言ってますが緊張はしているようですね。出来れば今回で倒したいところです。





*********


振動が近くなる。それに合わせて鼓動が早くなる。

今回が二回目。一回目は顔合わせじゃないけれど一度戦ってみようという話になって、準備もほぼない状態だった。



息が詰まる。ゲームの中なのに自然と唾液を嚥下している。

別に絶対に倒さなければ先に進めないような敵ではない。むしろ時間が経てば別の場所に移動する手合いだ。

元々はチェルカの頼みで西の草原に現れるそいつを倒してという話だったが、今では倒さなくてもいいという話になっている。つまるところ今回の戦いはチェルカの依頼というよりも、むしろ私のわがままに近い。



ゆっくりと鼻から息を吸い口から吐く。あと数十秒もしたらきっと現れるのだろう。

私はベータの時に取得した【スキル】に愛着を持っている。

その【スキル】は取得条件がかなり変わっていて今はまだ、得ることができていない。

その条件の一つが“ウルフ”種の素材を用いた武器の使用だ。

だからといって別に“ウルフ”種ならなんでもいいというわけではない、相性があるようでその素材を使って武器を作っても取得できない場合もある。

本当なら西の草原のエリアボスである“大白狼”と、王都以降に現れる“旅狼”というボスモンスター素材で作ろうと思っていた。ベータの時にこの組み合わせは悪くないことを知っていたからというのもあるが、私自身が苦労したモンスターであったからだ。



ああ、前回と同じ。音が急に止まりゆっくりと顔を覗かせてくるその巨体。

黒く大きく、それでいてこちらを獲物とすら見据えていない。

食するのではなく、蹂躙する。

その強大な力に少なくとも私は心が躍っている。

どうしようもない。私はこいつを倒したいという気持ちが抑えきれない。

たとえ一人になろうとも、この敵は私が倒したい。



そして私は“狼王ロボ”に向けて全力で走りだした。




*********


「うわぁ……」


現れた裏ボス“狼王ロボ”。全身を黒い毛で覆われたモンスターです。

ネームが表示されたと同時にリードは走り出してしまいましたが、私としては初見の敵です。

その大きさ、毛並み、威圧、いくつかVRMMOというジャンルをやってきましたが、その中でも完成度が高いグラフィックといいますか。

図鑑で見たことのあるツンドラオオカミというオオカミを、そのまま3倍ぐらいに大きくしたような感じですね。

ツンドラオオカミの場合は寒さに対して身体が合わせたような理由で大きくなったはずですが、“狼王ロボ”の場合はそういうものではないのでしょう。

そもそも弱点が氷と言っていますし。


「さーてリードが走り出したんだ。俺たちも攻撃始めるぞ!“ツインシュート”」


泣き顔さんが、弓を構えエフェクトのかかった矢を放ちます。

放たれた矢は途中で二本に分かれ黒狼の眼に向かいます。

しかし眼を閉じた黒狼の皮膚に弾かれそのまま落ちてしまいました。


「一応あれ防御貫通効果があるんだけどな……どんどんいくぞ!」


泣き顔さんが次々に弓の【アクション】を使いながら攻撃を行い、タンクである月平さんは盾を構えつつヘイトを集める【アクション】を使ってくれているようですね。


「月平!撃ちだすよ!」

「あと一回使うので20秒待つのである!」

「わかったわ!」


今ここでサクラさんが攻撃をしたら、恐らく今貯めている月平さんのヘイト値を超えてしまうのでしょう。

高火力の攻撃は一撃でヘイトすべてを奪うわけではありませんが、それでも準備を行わないと不安ですからね。


それでは私は【魔視】を発動して確認を行いましょう。

私の役割は適宜攻撃と、【白】による回復。

そしてもう一つが本には記載があった雷を操り火を吐くというものの警戒。

もしこの二つがマナに作用しているものならば【魔視】によって発動の予備動作ぐらいはわかるでしょう。


今のところ黒狼の身体を茶のマナが包んでいますね、もしや硬さの理由はこれなのでしょうか?他にも両目の間、額のような箇所に白と緑のマナが集まってるようにも見えます。



「先生!全身に茶、額周辺に緑と白確認したよ」

「茶の性質は強固だったかなぁ。何か妨害できる手段はないかい?」

「持ってる【スキル】じゃ無理だと思う」

「厳しいねぇ!」

「岩が飛んできた!避けるのである!!」


月平さんが盾となって基本的な攻撃は防いでくれますが、時々黒狼が掬った岩などがこちらに飛んできます。それなりの大きさの岩が飛んできましたが、後衛にいる私とサクラさん、先生は横に、泣き顔さんはそのままの流れで月平さんの近くまで進んで行きました。


「サクラ!ある程度溜まったのである!」

「了解っ!」


月平さんが必死な顔で叫びます。

サクラさんは新しく用意したらしい細かな彫りなどがされている長杖を構えます。構えた杖の先端には赤と茶のマナが集まってきています。


「“強固な氷よ貫け!アイスジャベリン”」


先端に集まったマナは徐々に巨大な氷の塊へと変わり、そして回転を始めます。

回り始めた氷はやがて3m大の大きな槍の形へと変わり黒狼めがけて飛んでいきます。

まるでバリスタのような雰囲気ですね。


勢いよく飛んでいった氷の槍は黒狼の足に刺さります。


<Grrrrrrrr>


低く怒気を含んだ声を上げる黒狼。

一瞬攻撃を放ったサクラさんを睨みますが、再び月平さんがヘイト増加の【アクション】を使ったようで、すぐに視線が移ります。



「すごい火力ですね」

「教えてくれたマナの話がなかったら貫くまでいかないわよ」


それでも、あの大きさをマニュアルで操作するのはすごいと思います。

マニュアル操作の場合大きさも自分の集中力やMPによって変えることができますが、私だとマナへの命令を含めても1mぐらいしか出来ないでしょう。

レベルなども関係するかもしれませんが、それでもすごいです。



「うむぅ……煉獄さぁ。【炎魔】のレベルってどのくらい?」

「え?唯一20レベルまでいってるわよ」

「そっかぁ……“フレイムチェイン”って覚えてるぅ?」

「まあ、覚えてるわね」

「そっかそっかぁ……もしかしたら使うかも知れないから、ショートカットに入れておいてねぇ」

「わかったわ。」


先生が何やら思いついたようですが、どんな【アクション】なのでしょうか。

そして淡々と返事を返すサクラさん。


私としては、思ったよりも後衛に攻撃が飛んでこない事が予想外でしたね。

前線は黒狼の噛みつきや、引っかきを月平さんが巧みにガードしたりバックステップで避けたりしていますし、泣き顔さんも場所を変えて色々と試しているようです。

もちろん、油断をしているわけではありませんが、後衛はある程度話ができるぐらいには余裕があります。


少し不安なのは先程から姿の見えないリードです。

黒狼の背中から斬撃のエフェクトなどは時々見えますが、姿はほぼ確認できません。


「リード大丈夫かな」

「まあ、今のところ背中に対して攻撃するようなモーションは確認できてないから、大丈夫だと思うわよ?」

「でもそれだと背中は安全地帯ということになるんだけどねぇ?そんな好き勝手出来るものかなぁ?」



ボス戦で安全地帯があることは別に珍しくはありません。

そこで作戦を考えたり、そこから攻撃をする所謂ハメ技のようなものがあるゲームもあります。

なので、黒狼がそのタイプだという可能性もありますが、何やら胸騒ぎがしますね。



どこかのタイミングで岩が飛んでくる以外はサクラさんが攻撃を当て、月平さんがヘイトを取るというパターンが出来て、いいペースだと思っていた頃。

黒狼が突然止まります。


「何かのモーションかもしれないのである!」


月平さんが叫びます。

そして黒狼は叫びをあげました。


戦闘描写が苦手すぎる……

あと26話一部改変を加えました。

大すじは変わっていませんが、補足のようなものがちょこっと書かれています。


今後ともよろしくお願い致します。

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