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25.少女は考察を行う。

戦闘よりも倉庫でブツブツ呟くチェルカを書くほうが筆が進むという。

予定では土曜日に黒狼戦です!

ある程度区切りを着けて街へ戻ってきました。

成果としては上々じゃないでしょうか?戦闘系は切りのいいところまで上げて、新しく【アクション】を覚えました。

それに、マナの仕組みも少しわかりましたから、冒険者ギルドに報告をしたら教会で一度整理するのもいいですね。


私はわき目もふらず冒険者ギルドを目指します。近くまで行くと美味しそうな匂いがしてきますが今日は我慢です。黒狼の件が終わったら食堂で【料理】を教わるのも良いかもしれませんね。街でやることが尽きないですが、そのうち別の街の図書館にも行きたいところです。


「すみません」

「はい、どうなさいましたか?」

「クエストの報告をしたいのですが、良いですか?」


ギルドに入ると、入り口に近いカウンターにいた女性に声をかけます。

女性は穏やかな雰囲気で対応してくれます。

私は、“劣等種の毛皮”をアイテムポーチから取り出しカウンターに置きます。討伐系は自動でログか何かを読み込んでいるのでしょう、普通にクリアとして処理されました。


「はい、ありがとうございます。これで受けられたクエストはクリアになります。」

「今のでどのくらい貢献度が上がりましたか?」

「はい、チェルカ様の貢献度は15ポイントとなっております。」

「一つ5ポイントですか?」

「受けられたクエストの難易度によって値が変わってきますが、今回チェルカ様が受けられたクエストですとそうなります。」

「そういえば、そのポイントって他の街に冒険者ギルドがあった場合共通ですか?」

「はい。貢献度は冒険者ギルド全体で管理しておりますので、どの場所で貢献をなさっても、ポイント総数は共通換算となります。」


なるほど。他の街にあったとして、そこだけのポイントではないんですね。まあそうなると、ここでいっぱい集めて別の場所では0だと相当やりこまないと大変ですもんね。

西の草原で手に入れた素材を売ってしまってもいいのですが、今回は色々と試したいことがあるので、売らずにそのまま持っておきましょう。

私はそのまま冒険者ギルドをあとにして教会へと向かいます。


「……おや、チェルカさんお帰りなさい。」

「ゼズペットさんただいまです。」

「モンスターと戦ってきたのですか?」

「え、そうですけど……どうしてですか?」

「いえ、装備が少し汚れていますのでそうなのかと。チェルカさんなら大丈夫だと思いますが、本を汚したりしないように気をつけてくださいね。」

「あ、はいわかりました。えっとそれじゃあ、また倉庫借りますね。」

「はい、どうぞお使いください。」


なんでしょうか、先日まで話していた内容とあまり変わり無いように思えますが、少しだけ対応が冷たいといいますか、遠まわしに戦うなと言っているのでしょうか?

そういえば先生が読むためのフラグがどうのと言っていましたね。

ゼズペットさん的には戦闘をするのはあまり良いように思えないのでしょうか。

私は別に縛りプレイをしているわけではありませんが、ここまで戦闘をしてこなかったのは事実です。これからもおそらくメインは街の探索とかでしょうし、あまり気にしなくてもいいかもしれませんね。

私は倉庫へ向かい鍵を開けます。

ここの扉は鍵を閉めなくても勝手に閉めてくれますが、開けるときは鍵を使わないと開いてくれないんですよね。

さて、まずは戦闘での結果を確認しましょうか。


 name:チェルカ


スキル


【言語学】Lv3【火魔】Lv10【水魔】Lv10【風魔】Lv10【土魔】Lv10

【棒】Lv10【錬金】Lv1【調合】Lv1【鍛冶】Lv2【魔力感知】Lv6【観察】Lv5

【魔視】Lv5【白】Lv1【料理】Lv1【智により才を通す】LvMAX【体術】Lv4

所持金:87550R

装備

頭:なし

胴:初心者のローブ(翠)

腕:初心者の腕輪(銀)

足:初心者の靴(茶)

武器:初心者の杖(星1)

アクセサリー:ホワイトウルフのイヤリング


アイテムポーチ

フィルタ:ドロップ

劣等種の毛皮×20、劣等種の爪×15、劣等種の牙×10

薄汚い毛皮×6、劣等白狼の毛皮×2、劣等白狼の牙×2

劣等人狼の毛×3、劣等人狼の爪×12

狼の毛皮×20、狼の爪×10、狼の牙×3

黒焦げた燃えカス×6、濡れた毛皮×4、細切れた毛×6、潰れた爪×1

膨らんだ臓物×1、狼の肉×109



ステータスとしては戦闘系を満遍なく、魔法系統は最初のうちだからなのか、割と10レベルまではあっという間でしたね。苦戦したといえば【土魔】ぐらいでしょうか?

【土魔】の最初の【アクション】は“ストーン”

岩を指定の場所に落とすというものですね。これがもう……使いにくいのなんの。

ただし、当たれば通常のダメージの他に窒息ダメージや圧迫ダメージのようなものがあったようで、ダメージは他に比べると高かったです。

それでもなんとかレベル10までは上げたので戦術的には幅が広がったでしょうか。

意外と“ウルフ”系統に効いたのが【水魔】でしたね。

【土魔】と同じく、窒息ダメージが大きかったようで、“ウォータボール”を顔に当てて維持するように集中すればそれだけで、倒してしまうこともあるぐらいです。効率を考えるなら顔ぐらいの“ウォーターボール”を当てて放置するのが良さそうですね。

それと、“ワーウルフ”だけは水を飲もうとしてそのまま溺死のようになってしまって、変わった素材を落としましたね。何に使うのでしょうか?


「一通り戦って、“ウルフ”系の予備動作とかはわかったけど、何よりきついのが、どの攻撃でも素材のドロップに変化が加わることだよね……」


【火魔】なら火力が高ければ燃えカスに、そうでなくても汚れてしまいます。

【水魔】ならそこまで大きな被害ではありませんが、何故かどの敵でも濡れた毛皮になってしまいました。

【風魔】は毛皮ではなく、切ったことによって舞った毛が何故かドロップアイテム扱いです。それと【風魔】には斬撃系のダメージ判定があるような感じでしたね。風によって敵を斬る、カマイタチとかもできそうですね。

【土魔】は言うまでもなく圧死です。全部潰れてしまい、ある程度ならドロップするお肉でさえドロップしませんでしたし、ドロップしたものでも潰れたと付くぐらいです。


「あとは、マナの命令は色よりもその特性で考えたほうがいいかも……。相性があるのもなんとなくわかったし。」


初めは色と系統で命令するマナを変えていましたが、一度拡散の性質を持つ青に命令をして“ファイアーボール”を撃ったところ始めは大きな火球が、途中で分裂しましたね。分かれ方的には分散とかの方が近いですが、それでも効果としてはありましたね。

でも、伝達を持つ緑のマナで【土魔】を使っても何か変化があった?というようなものもありましたので、やはりこれはどんどん使ってみて調べていかないとダメなようですね。

それに今回は白と黒のマナには命令をしませんでした。

増加はともかく、減少を使うところが思い浮かばず保留にしたのです。


「あとは、道具の大切さ……かな」


私は後半に1度だけ杖を装備から外して魔の力を使ってみました。もちろんマナへの命令は無しで。

まず結論を言うとあまり上手くはいきませんでした。集中して形を作ることができず、どうしても威力の低いものか、オートでなんとかといった具合です。


「やっぱり媒体が必要なんだろうけど……指輪じゃダメかな……」


私は別に杖を扱ったりすることは嫌ではありませんが、どうしたって片手が塞がってしまいます。以前遊んでいた“アルケミストレーヴァテイン”ではメイン武器は本または、魔法弓だったので、常に武器を持っていたりはしていませんでした。

できれば今回もほぼ両手が空いてる状態だと嬉しいのですけれど。


「戦闘はこんな感じかな……。あとはアイテムのフィルタ機能がいいね。」


先ほどから確認しているドロップもアイテムポーチの機能でまとめられたものです。

アイテムポーチは装備品を除いて、どんなアイテムも999まで入れることができるようです。これで、どこか拠点にアイテムを預けるなんてことをしなくていい上に、フィルタ機能があるので気軽に欲しいものが見つかります。こういう細かな配慮はゲームをする上では嬉しいものです。


そしてそのフィルタ機能で先程からドロップアイテムに絞っていましたが、今度は別にゲットしたアイテムを見ることにします。



アイテムポーチ

フィルタ:採取

薬草×10、やくそう×10、草×6、花×6

鉄鉱石×2、石×6


最初に不思議に思ったのは、薬草を取ったあとに【風魔】で摘み取れるかな?と思って使ったところゲットしたのがやくそうでした。見た目の違いはほとんどなく説明も同じく傷を癒すとしか書かれていません。しかし表記が違うということは別のアイテムということです。魔の力を使って取れたのがやくそう。手摘みで取れたのが薬草。

この違いは絶対何かあります。残念ながらまだ【調合】や【錬金】のレベルが1なので色々と試したりはできませんが、ここには本があります。

わからなければ、調べればいいのです!

同じ理由で草と花。こちらは逆に花の見た目が大きく違うのに同じ括りでしまわれているので、不思議に思ったのです。

鉄鉱石や石に関しては岩場を爆破とかできないかな?と思ってゲットしてしまった副産物なので、今度鍛冶屋に持っていきます。


こういうのはきっと、冒険者ギルドで鑑定してもらったり、教えてもらったりできるのでしょうけど、私は本に書いてあるなら、本で確認したいです。

大体こういうのは図鑑に載ってるものなのですよ、図鑑は偉大です。


「よーし!草花の図鑑とか、薬草系が載ってる図鑑を探そう。といっても、薬草系は既に目星が付いてるんだよねー」


この図書館も4分の3は既に網羅しています。ちゃんと分野とあいうえお順で並べ替えてもあるので、どのあたりにあるのかもわかります。そもそも、一度目を通したことがありますし。


「でも、そのときは薬草とやくそうとか、そういうのは載ってなかった気がするんだよね」


薬草図鑑を棚から取り出し軽くページを捲っていきます。

中には毒薬草と薬草の見分け方や、正しい処理の仕方などは書いてありますが、別段新しいことは見当たりませんね。他の本も何冊か取り出して確認しますが、記載が見つかりません。これは聞くしかないのでしょうか……


「うーん……いっそのこと食べてみる?」


苦味や苦しみは嫌ですが、食べることで何かわかることもあります。少なくとも毒薬草ではないのは確かですが、ただの薬草でも苦そうですね。


「うーん……あっ今日……【魔視】使ってない……」


失敗しました。マナへの命令も最初の何回かは使いましたが、それ以降は慣れるため使わずに命令を行っていました。苦戦はするものの、ただのマニュアル操作よりは威力も効果も段違いでしたね。そこから先は使ってませんでしたので、この違いも【魔視】を使えば何かわかるかもしれません。


「とりあえず発動っと……え?あれ?」


薬草の方は特に変化はありませんが、やくそうは薄らと緑色のマナが付いています。

これがどういう効果を持つというのでしょうか……。

確かにやくそうを取ったときは【風魔】でしたけど、緑のマナは使っていませんでしたし、まだ何か魔の力とマナの関係で知らないことがあるのでしょうか?

そういえばマナの性質みたいな本で、命令をする際は緑と茶は道具しだいのようなことが書いてありましたね。


「つまり、緑のマナは植物系だと?……【風魔】と関わらせた植物系の素材だと命令しやすいとか?」


魔の力を使って素材を得ることでその素材にマナが付くということでしょうか。

となると、その素材を使ってポーションや道具を作ると特殊なポーションや、道具が出来るかもしれませんね。


「もう!圧倒的に時間と手数が足らない……。でもこういうの楽しいな」


やることが多くて嫌になるというものではなく、新しい事を知って新しいことが出来るようになるのはとても楽しいことです。ただ時々、リードを見ていると別のゲームをやっている気持ちになりますけどね。

さて、時間もいい具合ですし、一度ログアウトして夜にまたログインをしましょう。

夜の予定としては鉄鉱石を集めて武器を作りたいですね。


「将来的には指輪が欲しいけど、それはリードに作ってもらうとして、私は【鍛冶】を次の段階ぐらいまでは作りたいな。」


そのためにはたくさんの鉄鉱石が必要です。もしかしたら【土魔】を使えばいっぱい手に入るかもしれませんし、少し楽しみですね。

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