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24.少女は初めて戦闘をする。

24話にして主人公がようやくフィールドで戦闘です。

翌日私がログインしたのはお昼すぎでした。

いつものように家事をこなしたあとだったので仕方ないことでしょう。

昨日はログアウト後カップラーメンでも食べようかと思いましたが、時間は既に0時を回っていました。

私は約30分悩みました。いくら、お洒落なども最低限でいいかなと思っているとはいえ、お腹周りのお肉は気になってしまうものです。

朝にランニングを行っているとはいえ、そういった油断はすぐに反映されてしまいますからね。私は悩んだ末に、カップラーメンを諦めて寝ることにしました。

あのままだと、再び食堂に行ってしまいそうでしたからね。


今日は土曜日なのでいつもよりも長い時間ゲームをすることができます。昨日やろうと思っていた【鍛冶】のレベル上げでもいいのですが、いい加減フィールドで戦闘を行ってみようと思います。

というのも、人数埋めとはいえ明日は参加する可能性もあるのです。

いくらなんでも始まってすぐに死んでしまうのは、迷惑ですし、こちらも楽しくはないでしょう。

別に今まで戦闘が嫌いでやらなかったわけではなく、ただ街の中で色々と見て回るのが楽しかっただけなのです。


とりあえず、西の草原で戦ってみようと思いますが、その前に一度冒険者ギルドに行って討伐クエストなどがないか見てみましょうか。

貢献度というものがあるので、できる限りクリアしておきたいところです。


「えっと……クエストは……?」


三度目の冒険者ギルドですが、よく見たらクエスト掲示板のようなものはなく、あるのは以前見た貢献度による報酬の掲示だけですね。

ということは、カウンターでクエストの受付などをしているのでしょうか?

私は近くのカウンターにいる男性に声をかけます。


「あのすみません。」

「はいなんでしょうか?」

「貢献度を上げるためのクエストはここで受けられますか?」

「はい、大丈夫ですよ。どちらを受けますか?」


男性はコンソールを表示させこちらに見せます。

どうやらクエスト一覧のようですね。

今回向かうのは西の草原なので、“ウルフ”系のクエストだと好ましいです。

討伐数や、素材の納品だらけですね。変わったクエストといえば『全てのモンスターを討伐せよ』なんてのもありますね。まあここは無難に討伐数と素材クエストを選びましょうか。


「ではこの、『ホワイトウルフの討伐』と『レッサーウルフの討伐』『劣等種の毛皮の納品』を受けます。」

「はい、かしこまりました。では、選択したクエストの受注料として合計550Rをお支払い下さい。このお金はクエストクリア後に報酬と一緒に払い戻しとなります。ただし、クエスト失敗または破棄となった場合はこのお金は戻ってきませんのでお気をつけください。」

「はい、わかりました。」


私はお金を払うとそのまま、西の草原へ向かいました。



西の草原は野原というか、芝生というか……運動しやすそうな場所ではありますが、草原というには少しばかり草木が低いように思えます。草原というとどうしても高い草をイメージしてしまうので、そのせいでしょうか。

辺りを見渡すと同じように初期装備のプレイヤーは少なく、多少なりとも装備を更新したプレイヤーが多いですね。特にメインで使う武器に関しては私の持っている初心者の杖よりもデザインがいいものが多いですね。

まあ、私はどちらかといえばまったり勢ですからね、そういうのは気にしたら負けです。そのうち自分の気に入ったものを作りましょう。


とりあえず敵を探していると早速白い毛並みの大型犬が襲いかかってきました。

思いっきり飛びつくように来たそれは、見た目通り“ホワイトウルフ”と頭上に赤いネームタグが表示されていますね。

私は咄嗟に杖を両手で持ち噛み付かれないように抑えます。


「ぐぅ……不意打ち……重っ」


STRが上がるような【スキル】も装備もありませんが、なんとか押し返せました。

接近戦はかなり厳しそうですが、フィールド的には適正のはずです。ならば色々と試すのみ!


「まずは、魔の力を使わないで、どのくらい身体が動くか!」


私が持っている武器【スキル】は【棒】だけです。

しかし、棒というのはあらゆる応用が利くと何かで読みました。


「突かば槍、払えば薙刀、持たば太刀……だったかな?」


初心者の杖はどちらかといえば長杖に属するもので回したり払ったりするには、ちょうどいい長さです。


一度距離を置いた“ホワイトウルフ”ですが、低く唸りを上げ突き上げるように噛み付いてきます。

私はそれを、半身で避け直線上に杖を振り下ろしカウンターを決めます。


「キャゥ」


弾かれた“ホワイトウルフ”は地面に倒れますが、すぐに体勢を整えます。

少し息が上がっているようですが左右に揺れながら体当たりをしてきます。


「掬うように、払うっ!」


私はタイミングを狙って“ホワイトウルフ”の前足と後ろ足の間に杖を入れ、思いっきり突き上げます。本当なら、前足を払うつもりだったのですが、少しタイミングがずれたようですね。“ホワイトウルフ”は上に飛ばされ着地できずに地面にぶつかります。


やはり初心者向けのフィールドだけあって、決着がついたようです。

“ホワイトウルフ”はそのまま光になって消えました。

どうやら、このゲームではモンスターは光になるタイプのようですね。物によっては剥ぎ取ったりするものもありますから、私としてはありがたいです。

ドロップ品もそのままアイテムポーチに入るようでログに『薄汚い毛皮を獲得しました。』と出ていました。


さて、出来ればあと何戦か杖だけで戦ってみたいですね。戦って分かりましたがこのゲーム、戦闘の際に少し補正が入るようです。例えば腕を後ろから前に振り上げる動作、これひとつとってもかなりスムーズに身体が動きます。これなら現実で怪我とか負っている人でも遊びやすそうですね。



とりあえず魔の力を使わずに10戦ほど杖と体術だけで戦ってみましたが、悪くないですね。初心者装備ゆえに少し火力が足らないと思いますが、このあたりの敵だったら問題なく倒せますね。

【棒】がレベル5になり、新しく【体術】を覚えてレベルも2になっています。やはり少し意識して動いたりするだけで【スキル】を覚えたりするようですね。それでは次に魔の力……マナへの呼びかけは無しで、マニュアルで色々と戦ってみましょうか。


遭遇したのはこのあたりでも少し強めに設定されている“ワーウルフ”ですね。

言い方はあれですけど、全身毛むくじゃらの二足歩行ワンコです。“ホワイトウルフ”よりも両腕のリーチが長かったりするので、杖だけだと少し大変な相手ですね。

二足歩行なのに低姿勢で突っ込んで、両腕を振り回し爪でこちらを傷つけてくる、そんな相手ですが、まずは、今のレベルだと覚えていない“ファイアーランス”を使ってみましょうか。


「イメージするのは炎の槍。いっけ!“ファイアーランス”」


相手に杖を向け炎の槍をイメージし集中します。

その間も距離を詰めてくるのですが、杖の狙いは外しません。腕が届くギリギリで私は“ファイアーランス”を発動します。

ずっと顔を狙っていたせいか、現れた炎の槍は“ワーウルフ”の顔めがけて飛んでいきます。咄嗟に両腕にガードしますが、赤色のダメージエフェクトを出しながら両腕に突き刺さります。


「レベル以下でもそこそこの火力は出てそうだね。」


本来の火力なら突き刺すぐらいはできるのでしょうか?

少し思案していると“ワーウルフ”が遠吠えをしながら突っ込んできます。

両腕はダメージを負ってるせいか垂れ下がるようにしていますが、無駄な力がない分しなりを持って攻撃してきそうですね。私は再び杖を構えます。


「なら、適正レベルのこれならどうなるかな?“ファイアーボール”」


杖の先端には大きな火球。現実火の玉なんて見ませんから、イメージですがすごく熱そうですね。私はその火球を突っ込んでくる“ワーウルフ”に対して放ちます。

直線上に突っ込んでくる“ワーウルフ”にそのまま命中。全身が燃え上がります。

苦しそうな声を上げながら最後には光になって消えてしまいました。


「やっぱりオートで覚えられるレベルの方が火力としては高いのかな?となると、マニュアル操作でも、使う【アクション】はレベルで覚えられる範囲の方が良いのかな」


一昨日見たときの【アクション】の数からして、レベル10でひとつ追加といったところでしょうか?すこし少ない気もしますが、それこそマニュアル操作で色々と楽しめるものです。


「あとはマナによる攻撃がどのくらい強いのかだけど……あんまり人がいるところだと怖いよね。」


マナの情報がほかの人に知られることについては問題ありません。聞かれると面倒ですが、後々先生が検証したあとに販売するでしょうし、そこは問題ではありません。しかし、実際にマナに呼びかけを行った結果超火力!なんてなったら近くにいるプレイヤーに被害が出るかもしれません。

私は別にPVPなどをする気はないのです。


「んー……あ、あのあたり人が少ないし岩の陰になってるから使ってみてもいいかも。」


草原といっても大きめの岩や木等があるので、そういったものが遮蔽物になって防いでくれるかもしれません。

私は岩の近くまで向かうと、ちょうどいいところに“レッサーウルフ”がいますね。

見た目は茶色の“ホワイトウルフ”のようなものですが、その攻撃力と防御力は大幅に劣ります。杖の時でも2回ほど殴っただけで息を切らしていましたからね。

向こうはまだこちらに気づいていないようですね。だったらしっかりと狙いを定めてやってみましょうか。


「【火魔】でいいよね。上げるなら火力……一点に集中させて燃やすとか?中心の温度を上げて、それでいいね。よし!」


私は杖を“レッサーウルフ”に向けまずはイメージをします。さっき使った火球をより小さくそれでいて中心の温度を上げるようなイメージを。それをマナにお願いするので、口に出しますが、毎回適当にお願いしているのでなにかテンプレートのようなものがあると嬉しいですね……それも今度調べてみましょうか。


「“赤よ燃え上がる熱を集め敵を焼き払えファイアーボール”」


少し恥ずかしいですが、RPGならノリと勢いは大事です。放ったファイアーボールは先程とは比べ物にならない熱量を発しています。そして“レッサーウルフ”がそれに気づき避けようとしますが、ファイアーボールは“レッサーウルフ”を追随します。そして当たった瞬間、強烈な火柱がその場に上がり“レッサーウルフ”は影も形もなくなってしまいました。


「うわぁ……え、追尾と火柱って……言った言葉によって効果が変わるってことかな?」


そうなると、やはりオリジナルの魔法なども出来そうですね、そうと決まれば後でノートに書かねば……。いえ、恥ずかしいので当分は即興で、いえそれも少し恥ずかしいですね。もう少しサンプルがほしいところですので、あと20体ぐらいは倒しましょうか。

敵のパターンやドロップも気になりますし、何より先ほど燃やしてしまった“レッサーウルフ”のドロップが『黒焦げた燃えカス』というアイテムになっているので、使う技も気をつけましょう。

しばらくはドロップに気をつけて【水魔】などのほうがいいのかもしれませんね。そのあたりも検証です。思ったよりも戦闘での自由度は高いですね。これはこれで楽しいですね。

リードの話ですと、西の第二の街にはわかりやすく図書館があるそうなのですが、エリアボスを倒さないと次の街には行けないそうです。リードにお願いをして行くのもいいですが、やはりある程度はやらないとダメですよね。

まあ今は明日のために最低限の動きの確認と検証だけでいいでしょう。


私はしばらくして街へと戻るのでした。


チェルカの動きは以前やっていたVRMMOの動きができるか試しているところが大きいです。

別に武道をやっていたりするわけではないので、素人の動きではありますが、ゲームゆえのアシスタントがあるので、うまい具合に動けている。といった感じでしょうか?


あと、最近残業が多くてしばらくの間投稿は23時すぎになるかもしれません……

1日1話は継続して続けていきたいと思っていますので、これからもよろしくお願いします。

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