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23.少女は味と出会う

友人と話しながら書いたらこんなことに……

次の日学校に行くと理織がいませんでした。

前の席の日下部に聞いてみると、どうやら風邪を引いたようなので休むと連絡があったそうです。

正直怪しいですね。理織は風邪を引くときはありますが、そういうときは大体私に連絡が来ます。それが日下部に来るというのは、ゲームがしたくて休んだ可能性もありますね……まあ、テストの時にゲーム断ちをさせて、勉強させれば良いでしょう。どうせ私の部屋でやるんでしょうし、その場合は美奈を巻き込んでしまえば理織も頑張ると思います。


学校から帰宅後私はいつものように身支度を終わらせ、ログインをします。一番最初に確認をするのはリードがログインしているかどうかですね。


「やっぱりログインしてる。」


コンソールでフレンドを確認すると、リードはオンラインになっていますね。選択してフレンドチャットを飛ばします。


「風邪はどう?熱とか平気なの?」

「ふぇ?あ、うん!平気だよ?」

「良かった。再戦が日曜日なんだから、無理しないでね?」

「う、うん……わ、わかったよ?」

「…………」

「チャットで無言を送ってこないでよ!あーもう。ごめんなさい!」

「何も言ってないけど?」

「どうせわかってるでしょ!……ズル休みしてごめんなさい。」

「はあ……ゲーム楽しいのはわかるけど、もうすぐテストだからね?」

「うん……そのときはちゃんと我慢するよ」

「そのときは我慢させるからね」

「はい……チェルカは今日はどうするの?」

「今日は街の中をもう少しみるつもりだよ。」

「ま、まだ見るんだね」

「まだまだ調べてないもん」

「そっか、わかった!私はレベル上げてるから何かあったら言ってね?」



そこでフレンドチャットを切りました。

さて、まずは軽くステータスを確認します。



name:チェルカ


スキル


【言語学】Lv3【火魔】Lv4【水魔】Lv2【風魔】Lv3【土魔】Lv2

【棒】Lv2【錬金】Lv1【調合】Lv1【鍛冶】Lv2【魔力感知】Lv4【観察】Lv5

【魔視】Lv6【白】Lv1【料理】Lv1【智により才を通す】LvMAX


所持金:101450R


装備

頭:なし

胴:初心者のローブ(翠)

腕:初心者の腕輪(銀)

足:初心者の靴(茶)

武器:初心者の杖(星1)



昨日見たレベルとの落差がすごいです。しょうがないことではあるのですが、これはしっかりと育てないといけませんね……。

落差に気をとられましたが、【魔視】のレベルが上がってますね。

比較的上がりやすいのでしょうか?でもこの【スキル】の場合、レベルが上がっても効果的にあまり嬉しくはないですね。


そしてもうひとつ、昨日使った【智により才を通す】が再度使えるようになっていますね。クールタイムとデメリットは同じ時間なのでしょうか?このあたりは、夏休みにでも調べたいところですね。

それでは今日は街を探索しつつ【鍛冶】をレベル上げるために、鍛冶屋へ行かないとですね。


探索と言っても大体街の概要はわかりました。

東側に教会や孤児院、西側に防具屋と仕立屋、南側に武器屋とクララベルさんの家、北側に道具屋と牧場?みたいのがありますね。

まだ、防具屋や仕立て屋に入っていませんね。牧場に関しては興味はありますが、また別の機会で良いでしょう。


「決まったことだし、今日はまず防具屋に行こうかな?」


他にも面白いものがあればそちらに行きますが、まずはNPCと触れあうのもゲームの楽しみのひとつです。

そういえば、以前西側に来たときは露店のようなものを開いている人もいましたね。少しその辺りも覗いてみましょうか。


「寄ってらっしゃい見てらっしゃい!道具屋“クグツ”掘り出し物から、ネタグッズまで取り扱ってるよー」

「雑貨屋“孫一”やってるよ!武器の装飾から小物もまで幅広いよ!」

「……武器売ってるぞ」

「そこのお姉さん見てくだけでもどう~?」


この間来たよりも人が増えてそこそこ賑わっていました。

バザーなどは行ったことありませんが、雰囲気が近いと思います。こういうときは色々と買ってしまいそうになるんですよね……

とりあえず、近くのお店から見ていきましょうか。私よりも小柄な男の子のお店ですね。


「あ、お姉さん見てくれるの?」

「ここは何のお店ですか?」

「ここはアクセサリーのお店だよ!【細工】で色々作ったんだ!」


簡素な机の上にテーブルクロスのようなものが敷いてあり、その上に無骨な鉄の腕輪や、星形のイヤリング、雪だるまのアクセサリーのようなものまでありますね。随分と器用に作られているようで大変可愛らしいです。

私は尻尾のようなイヤリングを手に取ります。


「あ、それはね西の草原の“ホワイトウルフ”の毛皮から作ったんだよ~」

「ふさふさで触り心地がいいですね。」

「でしょでしょ?それに少しだけどDEXに対して補正が掛かるんだよ!」

「素材によって補正が掛かるんですね……ちなみにおいくらですか?」

「お姉さん可愛いから、両方合わせて1000Rでいいよ?」

「一つ500ですか。じゃあ買わせていただきますね、ありがとうございます。」

「毎度あり~また来てね~?」


私は男の子に別れを告げると買ったイヤリングを装備する前に、詳細を確認します。

名前:ホワイトウルフのイヤリング

説明:尻尾のように見えるその毛は丁寧に揃えられ、身につけるものに加護を与える。

効果:DEX+10(+20)


どのくらいかはわかりませんが、プレイヤーメイドというだけあって中々だと思います。前に見た長剣がATK+15でお店売りだったことから、両方合わせて+20はすごいと思います。

こういう露店は掘り出し物があるのでやはり楽しいですね。

とりあえず買ったイヤリングを両耳に装備して、そのまま露店をふらつきます。色々なところから呼びかけの声が聞こえますが、流石にすべてを回っていたら時間がありません。


そう思っていたのですが、気がついたら複数の装備やアイテムを買っていました。

・綺麗な羽ペン……インクをつけて書くためのもの(【スキル】がなくてもできるのは驚きました。)

・守り石……研磨され力を込められた石(VIT+3ですけど、綺麗な石だったので買いました。)

・フライパン……料理で使える防具(VIT+8で中華鍋みたいな感じで、一応【料理】があるので買いました。)


装備はともかく羽ペンはいい買い物ですね。

“識字”を持っていますので書けなくはないですが、こういう雰囲気は好きですね。さてそろそろ防具屋に行きましょう。



「いらっしゃい。」


ほかのお店と外装は変わりませんが、内装は鉄の鎧や兜、籠手などがありますね。

カウンターにいる男性も武器屋の男性よりもどこか柔らかい雰囲気ですね。


「あの聞いてもいいですか?」

「なんだい?」

「防具ってどうやって作ってるんですか?」

「防具は【鍛冶】と【裁縫】の二つがないと作れないんだよ。」

「二つ必要なんですか?」

「そうだよ。【裁縫】で下地を作って【鍛冶】でそれを覆うんだよ。」


なるほど、そうやって作るんですね。でも【スキル】をそうやって役割を決めて使うことができるのは発見ですね。物によっては【調合】と【錬金】も一緒に使えそうですね。


「そうなんですね……私は【裁縫】はないので、作ることはできなさそうですね。」

「下地だけなら、仕立て屋でも売ってるから作ることはできるよ?」

「そうなんですか?」

「うん、お互いに提携しているからね。」

「あとで行ってみますね」

「うん、それがいいと思うよ。工房を貸すのは別にいいから、また来てね?」


これは下地を見るのも楽しそうですね。

でも基本的なデザインとかもどうやって決めてるんでしょうか……うーん。

生産系に手を出すと切りがありませんから、やはり夏休みに集中ですね……。

となると、仕立て屋もその時の方が良さそうですね。


そうなると……今日はこのあとどうしましょうか。

流石に一度フィールドで戦うのもアリですが、それは明日一日使って慣れた方がいいでしょうし、だったら冒険者ギルドで話を聞いてみるのもいいですね。


冒険者ギルドの近くに行くといい匂いがしてきます。

そういえば、食堂がありましたね。

一度行ってみるとしましょうか。


「いらっしゃーい!」

恰幅のいいおばちゃんが出迎えてくれました。

中を見ると外見は他の民家と同じなのですが、中はどこか和風な雰囲気がありますね。

メニューはカウンターの上に書いてありますね。

こういうのは何を食べたらいいのでしょうか?

でも、このゲームは空腹ゲージとかありませんから、完璧に趣味ですよねこれ。

今は別にガッツリ系とか食べたくはないのですがどうしましょうか。

すると、私よりうしろから男性が入ってきました。NPCでしょうか?


「おばちゃんー今日は何が美味しいんだい?」

「ああ、ヤックさん。今日はAがビックボアの焼肉。Bがフラッシュポテトのコロッケだよ。ちなみにおすすめは付け合せのビックボアのスープだね!」

「肉だなおい!じゃあA一つ!あとそのおすすめひとつね!」

「あいよー!」


Aがビックボアの焼肉……ビックボアは以前孤児院で読んだぐらいしかわかりませんが、おそらく豚肉のような感じなのでしょう。それに付け合せのスープも豚汁のような気配がしますね。しかしもう一つ……フラッシュポテト。

ポテトとはジャガイモです。でもフラッシュとはなんでしょうか?発光でもするんでしょうか……馬鹿な考えですね。

でも気になるのは事実です。油ものではありますが、美味しそうなので、Bにしましょうか。


「あのすみません。」

「はいよー」

「Bを一つと……付け合せのスープをください」

「はいよ!ちょっとお待ち」


少しすると、お盆に乗ったセットを渡されます。

流石にお箸ではなくてフォークとナイフがついていますね。

見た目は普通のコロッケです。スープも味噌ではありませんが、豚汁のような匂いがしますね。

私としては、コロッケはソースをつけたりせずにそのまま、食べるのが好きです。

やはり、ジャガイモはそのままの味を味わうのが一番ですね!

では……

「いただきます!……んっ!」


美味しい!!

一口かじるとサクという衣の音とホクホクとしたジャガイモの甘味!

中をナイフで切ると少し白いジャガイモなようですね……これは、美味しい!

フラッシュポテトという名前でファンタジーなものを想像しましたが、そんなことはなく、揚げたて故の甘さとジャガイモの濃厚な旨味。

現実でもコロッケは好きですが、これは何個でも食べられそうですね。


「美味しい……」

「ん?嬢ちゃん美味そうに食べてるな?じゃあほら、これをかけてみ?」

「なんですか?」

「この店のオリジナルソースだってよ?すげーうまいんだ。」

「じゃあ、少しだけ」


私は近くにいたお客さんに勧められるままソースを一口分かけます。


「んっ!」

食べた瞬間広がる酸味!でもそのあとに広がる果実のような風味。

おそらくは果実を混ぜたフルーツソースなのでしょうけど、このコロッケとすごい合います。

私はそのまま、ビックボアのスープを一口。


「これも、美味しい!」

豚汁だと思いましたが、どちらかというと豚骨スープ。でもくどくなくさっぱりとして……なんででしょう、ラーメンが食べたくなりますね……。

趣味だと思っていたのですが、これは予想以上に美味しかったです。

以前孤児院で食べたものとは悪いですが比較にはなりませんね。


「おばちゃん、美味しかったです。ごちそうさまでした。」

「ん?いいよいいよ!また来てね!」


このまま冒険者ギルドに行くのもいいですが……無理ですね。

お夜食として、一度ログアウトして軽食を何か食べてからにしましょうか。

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