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14.少女は街を探索する

今後不定期更新となりますが、1日1話以上を目標にしていきます。

ログインした私は見慣れた倉庫を出て教会へ向かいます。


「ゼズペットさんこんにちは。」

「チェルカさんこんにちは。今日はどちらへ?」

「いつまでもここにお世話になりっぱなしはあれですので、少しほかを見てこようかと。」

「そうですか。ああ、そうそう。どうやら東側と北側が騒がしくなっていましたので街を出るときはお気をつけて。」

「ありがとうございます。では行ってきます。」

「行ってらっしゃい。」


ゼズペットさんが言ったのは恐らく、帰るときに理織(リード)が言っていたフィールド開放の件でしょう。

ゼズペットさんは街の変化などに詳しいようでよく教えてくれます。


「さて、まずは鍛冶屋に行こうかな。」


一度は見つけている場所ですが、私は上に掲げられている看板を確認しながら鍛冶屋を探します。

少しすると、他の民家よりも少し配色が濃いかな?ぐらいの家に“鍛冶屋ゴンザレス”と掲げられているのを見つけます。


「前に見たときは鍛冶屋だけだったような気もするけど、【言語】のレベルがあがったおかげで名前まで読めるようになったのかな?」


私は扉を三回ノックして家の中に入ります。

中には鉄の剣や槍が飾ってありカウンターには厳つい顔の男性がいます。


「おう、いらっしゃい。悪いがうちは木工は取り扱ってないぞ。」

「え?あ……いえそうじゃなくて」


どうやら男性は私の装備から杖を探しているように思われたようです。

最初の街では杖や弓などは取り扱ってないということでしょうか?

しかし、今回来た理由は武器の更新ではありません。そもそも未だ使ったことがあるのは、チュートリアルだけですし。


「いえ、その私鍛冶を学びたくてきたのですが……」

「鍛冶?……嬢ちゃんがか?」

「はい。なので教えていただけたらなと。」

「ふーん……杖を持って鍛冶を学ぶか……。まあいい。うちは学ぶやつには入口を開けているんだ、奥へ来な。」


『クエスト:鍛冶を学ぶを受理しました。』


顔の割に優しい男性のようで私は男性に案内されて奥へと進んでいきます。

中はこの家の中にどうやってできたのかというぐらい広い鍛冶スペースがありました。

一部ではNPCなのか、他のプレイヤーなのかわかりませんが、既に武器を作っている方がいますね。

男性は私を空いているスペースに割り当てハンマーを渡しました。


「基礎技能は持っているようだから、あとは慣れだ。まず一本直感でいい作ってみろ。」

「え?はい……。」


チュートリアルや練習とは一体。いきなりハンマーを渡され、炉の前には鉄のインゴット。ハードルとしては高すぎです。

しかし、私には他のゲームで培ったノウハウがあります。

前のゲームでもシステムは異なっていましたが、剣や槌などを作ったことはあります。

とりあえずは、その感覚で作ってみましょうか!



「ゴミだな。」

「直感で作れって言ったのはそっちじゃないですか……。」


私が男性に渡したのは鉄の塊です。インゴットのように綺麗なものではなく、溶かして固めて、剣や槌の形にすらならかった鉄の塊です。

このゲームにおける鍛冶とは半ばリズムゲームのようなもので、熱している箇所に的確にハンマーを当てて叩き精製していくもののようです。

私はイメージが固まらないまま無我夢中に鉄を叩き失敗したようです。

しかし、理不尽だと思いませんか、いきなりハンマーを渡して作れとは……。


「初めてなんてそんなもんだ。大体のやつはいきなり炉を貸してみろだのなんだのほざきやがるから、最初のうちは全員この難しさを体感してもらうんだよ。」


前言撤回です。よく考えられていました。


「なるほど……それではすみませんが教えてもらってもいいですか……。」

「ああ、わかった。まずは何を作るのかを明確にしろ。」


イメージというのは物を作る上では必須です。

何も思い浮かばい、何を作ろうかと適当にやっていては出来上がるものなど、たかがしてれています。

それゆえにものづくりは才能とも言われますが、このゲームではある程度のイメージが固まったら型のようなものを選べるようですね。そうでなければ、難易度は跳ね上がっていたでしょうが……。それでも魔法系統同様マニュアルで自身のオリジナル武器なども作れるようなので、慣れてきたらチャレンジしていきましょう。


「それでは最初は短剣を作りたいです。」

「ならば、叩く回数は少なく40~50回ほどだ。それ以上だと強度も落ちる。」

「叩く場所なども関係していますよね?」

「ああ、慣れてくれば色々と試してみるといいが、まずは叩く回数だけ意識して作ってみろ。」


私は言われたとおり鉄のインゴットを炉に入れ溶かし、ある程度のところで取り出して言われた回数叩いてみます。

叩き終え、鉄を水で冷やし取り出して見ると短剣が出来上がっていました。

しっかりと柄の部分まで出来ているのでこのあたりはゲームですね。

私は早速アイテムの確認をします。


名前:粗悪な鉄の短剣(星1)

説明:粗の見える作りの短剣。切れ味が悪い。

効果:ATK+5


「どれどれ?まあ、初めてにしては合格ラインだな。」

「これでですか?」

「売り物にはならないが、感覚としては間違いじゃねえよ。あとは数をこなすんだな」


今までアイテムなどの詳細を確認していなかったので、これがどの程度なのか判断は付きませんが、恐らく初心者武器よりも弱いのでしょう。


「ちなみに売り物というとどのレベルなんですか?」

「ん?ああ、そうか嬢ちゃんは杖だもんな。ちょっとまってろ」


そういうと男性はお店から一本の長剣を持ってきました。


名前:鉄の長剣(星1)

説明:一般的な作りの長剣

効果:ATK+15


「だいたいこれぐらいなら店売りレベルだな。」

「星は一緒ですが、効果は10違う程度……。」

「その10を上げるのがどれだけ大変かやっていくとわかるぞ?」


男性はにやっと笑いながらこちらを見ています。

星に関しては恐らくレアリティ扱いなので、やり方とか素材で変わるのでしょう。しかし、同じ素材や環境の場合効果を上げるのは作った人のプレイヤースキルなのでしょう。


「これはまた、大変ですね……。」

「これ一本で飯を食ってるんだ。簡単であってたまるか。」

「そりゃそうですね。ありがとうございます……名前聞いてなかったですが、ゴンザレスさんでいいんでしょうか?」

「おう!店主のゴンザレスだ。名前を看板で見抜いた旅人は嬢ちゃんが初めてだよ。」

「そうなんですね……えっとこれから度々作りに来てもいいですか?」

「ああ、材料さえ持ち込めば好きに使ってくれて構わない。何かあったら聞いてくれ、教えられる範囲なら教えてやる。」

「ありがとうございます。」


『クエスト:鍛冶を学ぶをクリアしました。報酬:450R、鉄鉱石を獲得しました。』


私はゴンザレスさんに挨拶をしてそのまま鍛冶屋をでました。

作った短剣はそのまま貰えましたが、使うことがあるのでしょうか……。

とりあえず、今の私の【スキル】だとどこに行ったほうがいいでしょうか。


 name:チェルカ


スキル


【言語】Lv27【火魔】Lv4【水魔】Lv2【風魔】Lv3【土魔】Lv2

【棒】Lv2【錬金】Lv1【調合】Lv1【鍛冶】Lv2【魔力感知】Lv4【観察】Lv4

【魔視】Lv4【白】Lv1【料理】Lv1

所持金:2450R

装備

頭:なし

胴:初心者のローブ(翠)

腕:初心者の腕輪(銀)

足:初心者の靴(茶)

武器:初心者の杖(星1)


「次は【調合】かな……薬剤系かな?それとも道具屋……?」

道具屋は見つけていますが、薬剤系のお店は見たことがありません。

もしくは【錬金】についてもどこかで同じようにクエストがあればわかりやすいのですが、このあたりについては、本で調べたほうがいい場合もありますからね。


「まずは、道具屋かな」

私は看板を頼りに探すと割と近くに道具屋がありました。

“道具屋ミラン”という看板に花の模様のようなものがありますので、これは当たりな予感がします。

扉を三回ノックして入店します。


「いらっしゃいませー!」


中に入ると先ほどの鍛冶屋とは違って袋や地図のようなものが置かれていますね。

また、カウンターにはショーケースに入ったポーション類。

今度の店主は女性のようで、赤髪三つ編みと可愛らしい方ですね。


「あの、お聞きしたいのですが。」

「はいはい、なんですか?」

「【調合】について練習したいんですが、ここでできますか?」

「ああー【調合】かー出来なくはないですけど……」

「けど?」

「今割りと手一杯で新しく教えることができないんですよね。また時間が経ってから来てもらってもいいですか?」

「ああ、わかりました。」


どうやら、他のプレイヤーないし、イベント関係で使えないようです。

従来の作品なら他のプレイヤーのイベント妨害などはできないのでしょうが、こういうオープンワールドのAIがしっかりしている作品は仕方ないのでしょう。


「あ、別でひとつ聞いてもいいですか?」

「はい?なんですか?」

「【錬金】を教えてくれる人とかっていませんか?」

「【錬金】ですか……あっ東側の街外れに住んでるお婆ちゃんがその辺詳しかったはずですよ?」

「お名前を聞いてもいいですか?」

「クララベルって名前のお婆ちゃんです。」

「クララベル……ありがとうございます。」


私は教えてもらったとおり、クララベルというお婆ちゃんを求めて、東側の街外れに向かうことにしました。

隅から隅まで探索しているわけではないので、見逃していただけだと言われればそうなのですが……。

そこはどこから見てもお化け屋敷のような、ぼろぼろの屋敷です。


「見るからにボロボロで……こんなところに誰か住んでるのかな」


しかし、屋敷のところには掲げてある看板には“錬金術士クララベルの家”と書いてあります。

特に役職とかないNPCの家には看板は掲げてあっても、名前だけのようですので、ここがクララベルさんの家なのは間違いないでしょう。


「よし、行くか。」


私は今まで通り扉を3回ノックしてなかに入ります。

中は薄暗く、不気味な雰囲気はありますが、蜘蛛の巣などはなく雰囲気だけのようです。

中に入ると奥の扉からお婆ちゃんが出てきました。


「おや、珍しい。ここに旅人が来るなんてねぇ」

「私が初めてですか?」

「そうだよ、なんのようだい。」

「その、【錬金】について教えて欲しいなと思いまして。」

「ふーん、その若さで【錬金】かい?しかもマナも見えてるようだしのう」

「え、お婆ちゃんわかるんですか?」

「クラとお呼び。年の功だよ、まあそうさね……今は色々と忙しい。西の草原が大人しくなった頃にまた来な。」

「え、草原が……わかりました。また来ますね」

「はいよ。」


西の草原。正直フィールドに関する知識が乏しすぎてダメですね。このあたりの両立は最初の頃は苦労するものです。

西の草原については一段落したらリードに聞くとしましょう。

【スキル】関係はだいたい回ったので、あとは冒険者ギルドへと向かうとしましょうか。



冒険者ギルドは初期スポーン地点である噴水の近くにありました。

この街の中では一番大きいのではないかというぐらい大きな建物ですね。

ここでは流石に扉を叩いて入るということはしません。

扉を開けそのまま進むと中にはそこそこ人がいて、クエストボードのようなものと睨めっこしていたり、木の机を囲んで話していたりしますね。

今回は情報収集よりも、冒険者ギルドに登録することが一番ですので、カウンターへ向かいます。


「あのすみません。」

「はい、なんでしょうか?」

対応してくれたのは青年のNPCのようですね。

カウンターに居るNPCは皆青のジャケットを着ていることから、ギルドの制服なのでしょうか?


「ギルド登録をしたいのですが。」

「はい、わかりました。それではこの水晶に手を乗せてください。」

「わかりました。」


青年がどこからか、水晶を持ってくると私はその上に手を乗せます。

すると、コンソールが表示され、基本的なプレイヤー情報を入力することが可能なようです。

名前や得意なこと、今後のプレイスタイルなどが記載できますね。

これは途中で変えることもできるのでしょうか?


「あの、この記載って途中で変更もできるんでしょうか?」

「はい、可能ですよ。ここに記載の内容を見てPT募集などが行えるますので、適宜変更が可能となっています。」

「ありがとうございます。」


なら、今は割りと緩くていいですね。さて、こんなもんでしょうか


name:チェルカ

気になる【スキル】:【言語】

今後のプレイスタイル:街でのんびり

PTでの立ち位置:後衛

基本プレイ:ソロ


「これは……PT向けじゃ無さ過ぎる」

あまりにもな内容ですが、何かあったら、変更すればいいでしょう。


「それじゃあこれでお願いします。」

「はい、承りました。こちらのギルドでは恒常的に素材の買取や販売、クエスト掲示などがありますので、お時間が空いた時などにどうぞお越し下さい。」

「ありがとうございます。」


私は礼を述べると、そのまま冒険者ギルドをあとにします。

私がここに来るのはあるのでしょうか……。


一段落もつきましたし、少しリードにフレンドチャットでも送りましょうか。

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