第3話
視線を浴びながらも、俺は学園へとたどり着いた。
校門の横には、
「第40回 国立能力学園都市大学附属高等学校入学式」
と書かれている。
そんな表示にも、目もくれず、俺は校門の先へと足を伸ばした…
ー国立能力学園都市大学附属高等学校ー
日本における唯一の国立高校であり、能力高校の頂点である。
多くの子供たちがここへの進学を夢見て、能力を向上させようと日々取り組んでいる。
校門を抜けた先には、巨大な西洋風な校舎が目の前に広がっていた。
都市の近代的な町並みとは対照的中世のヨーロッパの雰囲気を醸し出していた。
そんな校舎に目を奪われていと、
「ーーすいません、新入生の方ですか」
と話しかけられ、我に帰り声のする方を振り向くとそこには先輩と思わしき一人の女性が立っていた。
「新入生の方ですね。初めまして、私は生徒会長の柊遥花です。宜しくお願いします」と凛とした声で自己紹介をしてきた。
「
ご丁寧にありがとうございます。私は新入生の霧島光です。こちらこそ宜しくお願いしますね、柊先輩」
俺もコミュニュケーション能力Eの力を用いて、当たり障りのないように穏便に済ませる。
「新入生はどこへ向かえばいいのでしょうか…」
俺はただでさえ目立ちそうな生徒会長と話しているのに、その柊先輩の容姿はおそらくAクラスだろう…
かなり周囲から目立っていた。
俺は目立ちたくなかった、故にこの状況から抜け出すため、先ほどの質問をした。
「そうですか…新入生は体育館に集合ですので、体育館に向かってください」
「ありがとうございます。それでは、柊先輩失礼します。」
俺は柊先輩に会釈をした後体育館へと向かった。
「なるべく彼女には関わらないようにしよう」と思いながら…