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episode8:「産」と「死」の狭間

chapter2:繋がる世界

目が覚めると、血にまみれていた。

特にどこか怪我をしていたわけではない。

辺りを見回すと、人が何人も倒れていた。全員、同じように血にまみれて。

あるものはその絶命時の苦痛に耐えるような顔。

あるものはそんな苦痛すらも無く一瞬で絶命したような顔。

また、あるものは今にも絶命しそうに、苦痛に顔を歪ませている。


立ち上がり、そばに倒れていた男の服を剥ぎ取り、顔を拭き、剣先を拭いた。

血にまみれていた剣は、再び輝きを取り戻し、俺の手の中で不気味に光っていた。


「・・・待てっ!」

地に伏せ、腕がもがれ、足ももがれた老けた男が叫んだ。

叫んだ直後、苦痛に顔を歪める。

俺はとくに驚きもせず振り返る。

「なんだ?」

さらりと言う。

「・・・お前・・・そのエンブレム・・・月間荘の者だな?」

「・・・それが?」

それがどうしたんだ?


「だとしたら、気をつけるんだな・・・。惨劇はすぐそこまで迫ってきているんだぞ・・・。」

「・・・それで?」

何が言いたい?


「私には見える、お前の行く末が・・・。月間荘の若き一員よ・・・。」

「・・・一員?」

何を言っている?


「神奈雄大・・・産まれてきた意味、死んでいく意味、お前には生涯わかることはあるまい。」

「神奈雄大・・・?」

神奈・・・雄大?


「隠しても無駄だ・・・。惨劇はもうすぐだ。産と死の狭間を永遠にさまようがいい・・・。」

そう言い終わると、男は大きな声で笑い、すぐに力尽きてしまった。


産まれてきた意味・・・死んでいく意味・・・産と死の狭間・・・?

さっぱり意味がわからない。

だが、俺にはそんなことは関係ない。

俺は俺の使命にしたがって生きていくだけだ。

そう、この神井貴博として・・・。


「産と・・・死の狭間・・・?」

力なく呟いて、また歩き出す。

死神としての運命を背負いながら。

この手は、あといったい何人殺せばいいのだろうか・・・。



「流石だな、神井貴博・・・。」

後ろから男が現われた。

「耕輔か・・・。」

そこに立っていたのは、赤石耕輔、俺の親友にして、最高のライバル。

「最強神の名は伊達ではないな。」

「当たり前だ・・・俺様は神井貴博だぞ?」

不適な笑みを浮かべてみたりする。

つくろったような笑顔に自分でも嫌気がさす。

「それより、俺様に何の用だ?」

「お前に頼みたい仕事があるんだ。」

「・・・何の?」

「雄大の取ってきた依頼を手伝ってもらいたい。」

「・・・はぁ?」

「これはお前にとっても有益な仕事だ。」

「・・・というと?」

「相手はあのラグナロクだ。」

「・・・マジか?」

「マジだ。」

「わかった。やってやるよ。」


そう言って、耕輔の下を去り、裕樹たちの待つラグナロク本社へと向かう。

to be continued

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