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episode11:ラグナ

chapter3:失われた秘法

「あれは、今から10年・・・そうか、もう10年も前のことなのか。」

さっきとは、また違った印象を与えるような表情で貴博さんは語る。


10年前、とある高校に入学したとき、俺たちは出会った。

あいつは、高校に入学した当初、内気な奴で友達も一人もいなかった。同じ学校から入学してきた奴はいたみたいだが、そいつらとも中学時代はあまり仲良くなかったそうだ。

俺とラグナが仲良くなったきっかけも、そんなことだった。


俺は同じ中学を卒業した耕輔や涼奈と共にこの学校に入った。

耕輔も涼奈も違うクラスで、人があまり得意じゃなかった俺は、クラスでも浮いた存在だった。休み時間のたびに涼奈のクラスに行ったり、耕輔のクラスに行ったりしていた。


1学期の中盤くらいになってくると、俺と涼奈の関係が学校中に知れ渡り、俺はクラスの男子からいじめを受けるようになっていた。なんでかというと、涼奈は学年の中で1、2を争うくらい可愛かったからだ。


いじめを受けていることを耕輔や涼奈に相談すると、対抗策や、対処法などを考えてくれた。明るくて真面目な涼奈は、クラスでも友達が多く、男にも顔が利いた。涼奈が男友達に俺をいじめるのをやめろと言うと、男共は、俺をいじめるのをやめた。しかし、それを快く思わなかった奴が居るのも事実だった。涼奈のクラスの女子がそれだった。


そして、俺をかばってくれた涼奈も、同じようにクラスの女子からいじめを受けるようになった。机の中にゴミを入れられたり、上履きがなくなったり、机に落書きされたり・・・。

いじめの内容は全て幼稚なものだった。


俺の前では陽気に、明るく振舞っている涼奈だったが、心の中にはどれだけ深い傷を負っていたか・・・。俺にはわからなかった。


「俺と友達になってくれないか?」

ある日、休み時間にクラスでぼんやりとしていると、ラグナが声をかけてきた。

最初は、何を言ってるんだこいつは。とか、こいつ誰なんだよとか思った。

でも、声をかけてもらえて、俺は凄く嬉しかった。


その日、涼奈と一緒に学校から帰っていると、ラグナが後ろから走ってきて、俺も仲間に入れてくれと言った。俺は正直、なんだよこいつ、と思っていた。

俺が、なんと答えようか困っていると、いいよと涼奈が言った。


帰り道、俺はラグナからいろいろな話を聞いた。

クラスに友達がいないこと、中学のころからいじめを受けていたこと。俺に声をかけたのは、自分と似た境遇にあったからだということ。

話を聞いていると、ラグナと俺は似ているんだということに気がついた。


しばらく、クラスで時間をともにしているうち、俺とラグナはいろんなことで競争をする親友とも好敵手ともとれない関係になっていた。

to be continued

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