表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/16

episode9:ラグナロク本社前

chapter3:失われた秘法

東に向かって草原を歩いていくと、草原から抜け出し、整備された道にたどり着いた。

10kmほど先に街の光が見える。

ということは、この先10kmは建物が無いということだ。

はぁ、とため息をついてまた歩き出す。


1時間ほど歩いたところで、やっと街の建物が見えてきた。

一番大きな建物が中心に建っていて、それを取り巻くように少しだけ小さい建物が群集をなしている。そして、街を外れたところには民家が立ち並んでいた。


街に入り、まず目に入ったのは、ラグナロク本社の看板だった。

街外れにまで看板を立てるのだから、相当な力を持った会社なんだろう。

「すいません、ラグナロク本社に行きたいんですが・・・。」

近くに居た男に尋ねてみる。

しかし、その男は俺を睨みつけて、足早にどこかに行ってしまった。

俺は何を怒ってるんだろうかと思い、他の人に聞くことにした。

「すいません、ラグナロク本社に行きたいんですが・・・。」

と、今度は女の子に尋ねてみるが、その女の子はけたたましい叫び声をあげて走り去ってしまった。

何かがおかしい・・・。

ラグナロクという名前を出しただけなのに・・・。

「あんた、ラグナロクの一員かえ?」

立ち止まっていろいろ考えていると、一人の老婆が俺に話しかけてきた。

後ろには、先ほど悲鳴を上げて走り去った女の子が隠れている。

「俺?」

とだけ聞き返す。

老婆は肯定の意を示すように頭を縦に振る。

「全然関係ないよ。」

と言ったところで今回の依頼内容を考える。確か“失われた秘法”の奪取だったけかな?

あれ、じゃあ結局は関係があるのかな?

「・・・でもちょっとは関係あるかもな。」

と付け足す。

「・・・ラグナロクは悪魔の組織じゃ。」

神妙に口を開いた老婆。さらに続ける。

「この街の人間もいつ殺されるか、いつさらわれるかわからないままに毎日生活をおくっとるんじゃ。ラグナロクの社長ラグナは悪魔のような男じゃ。あんたも知っているとおりラグナは所有者じゃ。その能力を見たものは皆殺され、如何様な能力かはわからんが、おそらく神と呼ばれる男じゃて、Sクラスじゃろう・・・。わかったら早くラグナロクから手を引くことじゃ・・・。」

老婆はそれだけ言うと、足を引き摺りながら、家屋の中へと入っていった。


しかし、ここまで来て引けるわけも無く、ラグナロク本社へとどうにかたどり着いた。

道中、ずっと老婆の言葉の意味を考えてみたが、結局俺には理解の範疇を超えていた。


「遅かったな、雄大。さぁ行くぞ。」

本社前に着くと、皆が勢ぞろいしていて、俺が最後だったみたいだ。

「おっと、貴博さんを待たないとな。」

裕樹さんが思い出したように言う。

時計を見ると、約束の時間まであと5分だった。

to be continued

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ