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第三話 お父さん
第三話
名前もソックリって…どういうこと!?
「家族構成は?」
樹ちゃんは冷静にきいてくる。
「お父さんと二人暮らし。お母さんの記憶が…ないんだよね。」
「そうなんだ。私は、お母さんと二人暮らし。お父さんは…会ったことないんだ。」
「なんか…境遇もにてるね。これからよろしくね。樹ちゃん。」
「うん!響ちゃん!」
「駅まで一緒に行く?」
「そうだね~。なんか、気が会いそうだしね!」
そういって、私達は駅まで歩きだした。
「あれ?響?」
「お父さん‼はやいね。」
「今日は、はやく終われたんだ。」
「そっか。」
「あ…その子…」
「ああ、樹ちゃん?ソックリでしょ。」
「あ、ああ、そうだね…」
「なんか…隠してない?」
お父さんの焦った表情が目にうつる…
「いやいや…なにも。」
「ならいいけど…」
それ以上は詮索しなかった。
でも、お父さんのあの表情は忘れられなかった。