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第一話 ソックリさん
第一話
「響~!!頑張って中学受験したかいがあったね!やっぱ、A学院の制服ちょ~かわいい。」
「うん!また中高6年間、三咲といっしょだよー」
今日は、私立A学院の入学式。
倍率約3倍の試験を突破した新入生、160人が集まっている。
私、田中 響もそのひとりだ。
「みなさん、体育館にいきます。出席番号順で並んでください。」
先生の声で、みんなが、廊下に並ぶ。
「響と一緒のクラスでよかった~。西小からきたの、私と響だけだからね~」
「ホントだよ。これからも、仲良くしようね!」
「うん!」
一足先に出発した隣のクラスが、響達のクラスを追い越していった。
私は、その中の一人の少女に目がくぎ付けになった…
私と……そっくり!!
「ねえ、あの子…響とそっくりじゃない?」
三咲もびっくりしている。
「なんで?私とソックリなの?」
「いや、それこっちが聞きたいから。」
「あ、そうか…」
それにしても、不気味なくらいソックリだった。
勘違いされてもおかしくないだろう。
あの子はいったい…