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星と雨  作者: 花咲 優
3/4

第2話


「優雨亜、昨日はありがとう!助かったよ」


優雨亜は登校してくるなり、蓮に話しかけられた。


「ほんとっ、良かった~。また力になれる事があれば、教えてね」

「ありがとう。じゃ、また教室で!優雨亜、今日日直だよね」

「あ、そうだ。ありがとう」


優雨亜は蓮と別れると、職員室へ配布物を取りに行った。

途中の階段を一段飛ばしで駆け上がる。あと少しで職員室のある階につく、というときだった。


「君っ!」


優雨亜は急に誰かに腕を引かれた。と、その拍子にバランスを崩して、階段から転がり落ちた。


「いたた~。あ、すいません、大丈夫でしたか?」

「いや、こっちこそごめん」

「えっと、さっき呼んだのはあなたですか?」

「そう、これ渡したかったの。昨日落としたでしょ、グラウンドのフェンスの向こうで」

「あ、ほんとだ、気付かなかった…。ありがとうございます。えっと…」

「ああ俺、氷童 星空。氷に児童の童で氷童で、星空って書いてかなたって読むの」

「氷童君…、ってもしかしてあの学学年トップの…?」

「ああ、そうだよ。てか、君は?」

「大内 優雨亜です。大きい小さい大に内側の内で大内で、優しい雨に亜熱帯とかの亜で優雨亜です。よろしくお願いします」

「ああ、よろしく」

「それじゃあ、私は職員室へ行くので…」

「ああ、また」



星空と別れた優雨亜は、そのまま職員室へ向かった。


「おはようございます、河野かわの先生」

「おはよう、大内。あれ、葉木はぎはどうした?あいつも今日日直だろう?」

海渡かいとは…、多分寝坊ですよ。今まで日直の仕事しに来たこと、何回かしかないと思いますもん」

「ったく、あいつも困ったもんだな。一人で大変だと思うけど、頑張れよ」

「はい、ありがとうございます」






優雨亜は職員室前の棚から配布物をとると、今来た道を歩いていった。




"キーンコーンカーンコーン"


「おーすっ、ギリギリセーフ!」

「いやいや、アウトでしょ!全く何度遅刻したら気がすむの!」

「フワァ~」

「聞いてる⁉海渡、あんたに言ってるのよ⁉」

「はいはい、そんなに怒ると老けまっせ、優雨亜サン」

「やかましいわ!」




優雨亜と海渡が言い合いをしていると、先生がが入ってきた。


「おい、二人ともいい加減にせんか。廊下まで響いとるぞ」

「さーせん」

「ごめんなさい」






二人が席に着くと、SHRが始まった。




また、1日が始まる。

昨日は違う風を連れて。






_______優雨亜はそんな気がした。



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